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自民党・村上誠一郎衆院議員が斬る「裏金」処分 信頼回復せず「大変な結果」 / 毎日新聞

2024年04月18日 | オピニオン
田中角栄元首相や河本敏夫元通産相らの写真が飾られた事務所で持論を述べる村上誠一郎衆院議員=東京都千代田区の衆院第1議員会館で2024年4月10日、奥村隆撮影



 「待ってました!」(笑)。私は、村上水軍の末裔と言われる村上誠一郎さんの意見が大好きで、このブログで何回も発言を紹介しています。自民党にはこのような、まともな議員もおられるのですがね・・・。



毎日新聞 2024/4/17 東京夕刊 有料記事

■人物略歴
村上誠一郎(むらかみ・せいいちろう)氏

 1952年、愛媛県生まれ。東大法学部卒。河本敏夫元通産相の秘書を経て、86年から衆院愛媛2区で連続12回当選。副財務相、行政改革・地域再生・構造改革特区担当相などを歴任。愛媛の小選挙区が1減となる次期衆院選では比例四国ブロックで立候補を予定する。

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小手先のごまかし通じぬ 解散で挙国一致内閣?

 「このような乱暴な政治を続けていたら、いつか大変なことになる」。自民党の村上誠一郎元行政改革担当相(71)は10年来、そんな警告を発し続けてきた。派閥の政治資金パーティー裏金事件で揺れる党内の様子と今後の見通しを聞こうと東京・永田町の衆院第1議員会館を訪ねると、ついに懸念が現実になったと感じているのか、一言居士は浮かない顔だった。

 村上氏といえば、2012年以降の「安倍1強」ともいえる政治状況について、党内から異を唱えてきたことで知られる。安倍晋三元首相が銃撃事件で亡くなって以降、ますます自民党政治への危機感を強めている。

 「反社会勢力に選挙で応援され、裏金で政治活動をしていた人たちの政権に正統性があるのか、このような方法で政権を維持していたのか、と見られてしまう状況にあると思います」。村上氏が言う反社会勢力とは、解散命令請求が審理されている世界平和統一家庭連合(旧統一教会)である。かつて清和政策研究会(安倍派)を中心とする多くの党議員が旧統一教会と深い関係にあった。「選挙に勝ちさえすればいいという安倍さんの選挙至上主義が、日本の政治をゆがめてしまった。もちろん、卑劣な銃撃事件は許せません。ただ、あの事件がなければ今も旧統一教会は闇の中で、裏金問題はここまで捜査されずにいたかもしれません」

 一連の裏金事件を受け、自民党は今月4日、関係したとされる39人の処分を決めた。最も重いのは塩谷立元文部科学相と世耕弘成前参院幹事長の「離党勧告」。萩生田光一前政調会長と松野博一前官房長官の「党の役職停止1年」は、村上氏が22年10月に受けた処分と同じだ。

 安倍氏の国葬に反対していた村上氏は22年9月、記者数人の囲み取材で「財政、金融、外交をぼろぼろにし、官僚機構まで壊して、旧統一教会に選挙まで手伝わせた。国賊だ」と語ったと報じられた。安倍派の面々は厳しい処分を要求した。処分を受け、村上氏は党総務会のメンバーから外された。

 裏金事件の責任を問われた安倍派の実力者「5人衆」のうち2人と、「国賊発言」をとがめられた村上氏。自民党の党紀委員会は双方を同じレベルの「罪」と判断したことになる。今、何を思っているのか。「処分された私を見て、ますます党内でものを言う人がいなくなりました。大規模な裏金疑獄が発覚し、政治への信頼を失墜させた今回の事件は、私の発言とは次元の違う話ではないでしょうか」

 だとすれば、自民党が再出発するために必要な処置とは。「安倍派5人衆は処分が下る前に自主的に、少なくとも一旦離党して自らけじめをつけるべきであったと思います。彼らが議員辞職して出直すべきだと考えている国民も少なくないと聞いています」

 一連の裏金事件とは関係なく、これまでも無派閥だった村上氏からみて、党内世論はどうなっているのか。まず、安倍派の座長だった塩谷氏は、本人も「まるでスケープゴート」と反発している通り、派閥の最高権力者とはみなされていない。世耕氏は昨年10月に参院本会議の代表質問で、支持率が低迷する岸田文雄首相を「国民が期待するリーダーとしての姿が示せていないということに尽きる」と批判した。これにより「党執行部に煙たがられたのでは」との見方があるという。

 一方、萩生田氏と松野氏は既に要職から退いていたため、役職停止処分のダメージは軽く、「実質的な無罪放免」と受け止められている。「秋の党総裁選を意識した党幹部の恣意(しい)的判断では」といぶかる声も出ているそうだ。

 「民間企業が重大な不祥事を起こしたら社長が辞任するか、報酬返納なり何らかの責任を取りますよね。自民党は襟をただす必要があると言い続けてきましたが、今回の処分では国民の信頼回復は非常に難しいと思います」。村上氏は、党総裁にして派閥の領袖(りょうしゅう)だった岸田首相が「処分なし」では国民は納得しないと考えていると語った。

 岸田首相は実際のところ、何をどう考えているのか。

 宏池会(岸田派)を創設した池田勇人元首相の在職日数(1575日)を超えて、長く首相でいたいのが本心ではないか。バイデン米大統領から「友情と信頼」のお墨付きを得たいがために訪米し、蜜月ぶりをアピールしたかったのではないか――。こうした観測が、党支持者から聞こえてくるという。

 各種の世論調査で岸田内閣の支持率は過去最低水準となっている。党内で危機感は共有されているのか。「残念ですが、『安倍1強』時代に党幹部の顔色をうかがうことで当選を重ねてきた議員たちは、今回も何とかなるだろうと安易に考えている人が多数だと思います」

 村上氏の見立てでは、裏金事件が起きたのは「自民党全体が『河井夫妻』と化したため」だという。選挙買収事件で有罪が確定している克行元法相と案里元参院議員の夫婦を引き合いに出すのはなぜか。村上氏の説明はこうだ――有力者の「お友達」やイエスマンばかりが重用され、そんたくが広がる。森友学園、加計学園、「桜を見る会」を巡るスキャンダルが次々と表面化しても、嵐が通り過ぎるのを待つ。選挙で勝てばみそぎが終わったと考える。また、表に出なければ大丈夫。「安倍1強」時代に醸成された、そのような政治風土が河井夫妻の事件、そして一連の裏金事件につながったというのである。

 「今回の処分は逆効果になるかもしれませんね」。村上氏の声が厳しくなった。「トップが責任を取らない組織は、再起に時間がかかるものです。私は初当選から38年間、一度も離党せず、誰よりも自民党を愛しているつもりです。過去2回、細川政権や鳩山政権の誕生で野党を経験しています。今回、自民党は今まで経験したことのない危機的状況ですよ」

 国会で追及されても正面から答弁せず、はぐらかしてやり過ごす。野党の選挙準備が整わないうちに衆院解散に持ち込む……。そうした「手法」はもう通じないということか。「小手先のごまかしがずっと通じるほど政治は甘いものではありません」

 自民党には、世論調査で「次の首相候補」に挙げられる人物が何人もいる。小泉進次郎元環境相、河野太郎デジタル相といった世襲政治家や、初の女性首相候補との呼び声もある上川陽子外相らである。村上氏は、こうした人たちには期待しないのか。「誰が首相になったとしても、旧統一教会や裏金事件など、これまでのツケの後始末をしなければならない。知名度とか性別とかでなく、財政、金融、外交の立て直しができる人が必要です。政治家としての哲学や理念が問われます」

 仮に通常国会が会期末を迎える6月に衆院解散となればどうなるか。「自民党は大変な結果になる可能性があります。そうなれば、政治の危機を救うために与野党の枠を超えて、また民間の優秀な人を集めた挙国一致内閣が必要かもしれません」。冗談も交えて大げさに言っているのか、と目を見たが、村上氏は笑っていなかった。【奥村隆】
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