木村 和美 Architect

建築家木村和美の日常活動とプロジェクトについてのブログ

●アウトドア・リビング考

2009-08-02 17:52:14 | Weblog

 

商店建築社が刊行している、住宅専門誌”アイムホーム”の9月号でアウトドア・リビングが特集されている。

ほとんど一戸建て住宅のテラス・リビングの秀作が展開されているが、私はこれからの都心部の集合住宅のデザインにおいて、それが特に重要な課題となるような気がしている。

 

マンションのアウトドアと言うとバルコニーとなるが、現在はバルコニーも奥行き2mまでは、床面積に算入しなくて良いし、これから様々なバリエーションが出てくるだろう。

 

写真左は、和風のアウトドアスペースであるが、狭くても植樹とウッドデッキをうまく使って、快適なスペースを造っている。

日本では、庭は歴史的に観賞用として発展してきたが、西洋では古くから観賞用であると共に生活の場としてきた経験から、様々なアウトドアの利用の仕方があり、狭いスペースでも上手にそれを利用している。

特にスペインや、イタリーのラテン系のテラスやパティオの使い方に、感心する例が多いのは人の知るところである。

 

写真右は、イタリア、アマルフィー海岸の”ホテル・サンタ・カテリーナ”のテラスレストランだが、このような土地の傾斜を巧みに利用した使い方など幾らでも見ることが出来る。

葉山にある”ホテル音羽の森”は海を望む高台に建ち、テラスのあるレストランを所有しているが、日本ではどうしても夏の湿気が気になって、アウトドアよりも冷房の効いた屋内から海を眺める事になる。

 

とは言っても、天候の良い時にアウトドアで過ごすのは健康的で、精神的にも随分リフレッシュされ、一般のマンションでもこれから一つのテーマになるのは間違いないと思う。

現在は、バルコニーと言うと物干し場か、空調置き場、良くて植栽プラント置き場と言った感じだが、ちょっとした演出で、大きな違いが出るだろう。

 

近接した集合住宅の中で、プライバシーの事を言う人がいるが、綺麗にするとむしろ人に見て欲しいと言う人も出てきたようである。

 

これから少し、都心部の集合住宅のアウトドア・スペースについて良く考えてみたいと思っている。


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