いつもの動作＋突然の出来事＝何か忘れる

終点の降車停で“車内点検”をする時に、うっかり“駐車ブレーキを掛け忘れて”バスが流動して接触…　という事故が、あちらこちらでチラホラ発生する。その一因は、アイドリングストップ機能にあると考えられている。私がたまにやってしまう“マジ・エンスト”をした場合…　当然のことながら駐車ブレーキを掛けていないので、すぐに警告ブザーが鳴り響くのだが、駐車ブレーキを掛ければブザーは鳴りやむ。しかし、アイドリングストップ機能を使ってエンジンを止めた場合…　駐車ブレーキを掛けてなくても警告ブザーが鳴らないので、駐車ブレーキを掛けたと錯覚を起こしてしまうのだ。


その対策として「終点ではエンジンキーを回してエンジンを切るように！　そうすれば、駐車ブレーキを掛けないと警告ブザーがなるから！」ということになっているのだが…　一度、体に染みついた癖というのは、なかなか直らないもので…　ついついアイドリングストップ機能を使って止めてしまうのである。しかし、いつもは駐車ブレーキを確認しているので問題ないのだが…　何らかの理由によって、スポンッと忘れてしまうことがあるのだ。


自分でもよくあるのが…　いつもやっていて一連の動きがパターン化されているはずなのに、いつもと違う“ちょっとした何か”があっただけで、その一連の動きから何か一つが抜けてしまうことである。例えば、毎日の始業点呼で「乗務員カードをタッチ」→「中指での静脈認証」→「呼気によるアルコールチェック」→「免許証を読み取り機に通す」という一連の動きをやっているのだが…　途中で誰かに挨拶されただけで、どれか一つが抜けてしまうというようなことである。


先日も、ちょっとした休憩の後にバスに戻り、前扉を開けて、輪留めを外し…　と思ったら、輪留めに一匹のカナブンがとまっていたのである。時間があれば、どこか草木のある場所へ連れて行ってやるのだが…　時間がなかったので、その場で輪留めから放しただけで、私はバスに乗り込んだ。そして、いつも通りの準備（一連の動き）をしたつもりだったのだが…　「あのカナブン…　ターミナルでウロウロしているうちに、バスにひかれちゃうかもしれないなぁ～」と想像した瞬間に、運賃箱を作動させることを忘れてしまったようで…


バス乗り場で、最初に乗った女性がＩＣカードをタッチした時に「エラー！」となってしまい…　そこで「あっ！　忘れてたぁ～！」と気が付いた私は、すぐに室内灯などのスイッチと並んでいる“運賃箱のスイッチ”をオフにして、再びオンにして…　運賃箱が「ウイ～ン…　ガタコンガタコン…　バチン！」となったところで、乗務員カードを使って運賃箱を復活させて…　「お待たせしました、どうぞ…」と、乗車客扱いを開始したのだった…


まだ、すぐにやり直せる程度のことを忘れているだけだからいいけれど…　そのうちに、目覚まし時計が鳴って起きたのに、布団に入ったばかりだと勘違いして寝ちゃったり…　食堂へ行ったのに、食事をするのを忘れて出てきちゃったり…　トイレへ行ってウ●コをしたのに、そのまま拭かずに…（こらぁ～！　二日も続けて…　もうええわい！）