goo blog サービス終了のお知らせ 

バス運転士のち仕分け作業員のち病院の黒子 by松井昌司

2001年に自分でも予想外だったバス運転士になり、2019年に某物流拠点の仕分け作業員に転職、2023年に病院の黒子に…

お役所へ行きたい

2015年11月14日 19時22分32秒 | バス運転士
昨日、あるバス停で乗ったお婆さんが「市役所に行きたいんだけど…」と言ったので、私は「市役所は… 終点の市内中心部です」と答えた。すると、お婆さんが「市役所前停とかないの?」と言ったのだが、聞いたことがないバス停だったので、私は「ちょっと分からないんですが…」と答えた。

さらに、お婆さんが「次は何処?」と言ったので、私は「え~っと…」と運転カードで確認… と、その時! 背後席の女性が「市役所は終点で~(以下略)」と丁寧に説明してくれたのだった。が、お婆さんは納得がいかないのか、私の横に立ったままだったので、私は「どうぞ、お掛け下さい」と着席を促した。

そして「あのお婆さんの表情… 納得がいかないんじゃなくて、ボケちゃってるのかも!? 自分が何処へ行きたいのか、自分が何処にいるのか、分かっていなかったりして… そうかもしれ… ん? ちょっと待った。ひょっとして… お婆さんが行きたいのは、市役所じゃなくて区役所だったりして!? だから納得がいっていないのかも…」と、二つの意味で不安になりながら発車した。

それから数分後… 3つくらい先のバス停を発車した時、「次は△△停~ ○○区役所へお越しの方は~」とコンピューター音声が流れたのを聞いた私は、「おっと! ここに区役所があったんだっけ??? すっかり忘れてたなぁ~」と思いながら△△停で止まって中扉を開けた。

すると、数人のお年寄りが降りて行ったのだが… そのお婆さん1人だけが前へやって来たので、私は「あれま、やっぱり…」と思いながら、“たった今、仕入れた情報”を最初から知っていたかのように前扉を開けて「○○区役所ですか? こちらです」と言った。すると、お婆さんは「そう…」と言って降りて行き、背後席の女性は「区役所かぃ…」と小声で呟き、路線沿いの○○区役所を忘れていた私はホッとしたのだった。めでたしめでたし…