バス運転士のち仕分け作業員のち病院の黒子 by松井昌司

2001年に自分でも予想外だったバス運転士になり、2019年に某物流拠点の仕分け作業員に転職、2023年に病院の黒子に…

定時で走っている時には…

2015年09月16日 20時02分57秒 | バス運転士
先日の午後3時過ぎ… 某地区巡回バスとしてA駅を発車、信号変化良好・車線変更円滑・駐車車両不在で、珍しく8つ目のバス停に定時で到着… 数名のお年寄りが乗り、市内中心部行きの他系統バスを待っている人たちを残して発車しようと前扉を閉めたのだが…


その時、1人のお婆さんが歩いて来るのが見えたので、「どうせ他系統バスだろうけど… まだ信号は赤だし… ここまで定時で来てるし… 念の為、確認だけ…」と思いながら前扉を開けて、すぐに閉めようとしたのだが… 予想に反して、お婆さんは乗って来たのだった。


しかし、すぐにフリーパスを出そうとせず、それどころか「もう時間だよねぇ… 出発しちゃうよねぇ…」と独り言を呟きながら、自分が歩いて来た方向を振り返っていた(嫌な予感…)。すると、案の定「あっ、来た来た! お爺さん、早く! 急いで! もう時間だよ!」と叫んだのである。


それから30~40秒後、お爺さんは「ありがと」も「ごめん」も言わず、無言で「ホレッ! 見せたったぞ」と言わんばかりにフリーパスを提示して乗ってきたので、ちょっと「カチン」と来た私も無言のスルーパス…(定時で走っている時には、意外とよくあるパターン)


さらに、そのジジイは… お婆さんが座った横の座席に買い物袋を置いて、立ったまま袋の中に手を入れてゴソゴソ…(その横の席も空いているのに…) 車内には、妙な沈黙の時が流れ… 基本的に“余計なことを言わない”私は、「ま、ここまで定時だし… 慌てることはない」と、ジジイが座るのを待ち続けた。


結局、一度は青になった信号が再び赤になり… 空気を読んだお婆さんが「お爺さん、座りゃ~ 座らんと※▽▲◇…(よく聞き取れなかった)」と言い、それに対してお爺さんは「立っとる人だっておるだろ※▼△◆…(これもよく聞き取れなかった)」と言い返していた。


その時は、他に立っている人はいなかったので、ジジイは一般的な話をしたつもりなのだろうが… それは、立っている人が吊り革などにつかまっている場合の話であって、何もつかまっていなければ危険である。もしも、その時… バスが遅れていて、私が着席を促す台詞を言っていたら… もう一盛り上がりあったかもね。ハハハ…