バス運転士のち仕分け作業員のち病院の黒子 by松井昌司

2001年に自分でも予想外だったバス運転士になり、2019年に某物流拠点の仕分け作業員に転職、2023年に病院の黒子に…

このタイミングで!?

2015年09月25日 18時32分18秒 | バス運転士
某総合駅へ向かっている途中、片側3車線の道路にあるバス停を発車しようとした時のこと… 左車線前方に違法駐車車両があったけれど、右ミラーに映っていた後続車は“速そうな車種が1台だけ”だったので、「この車が行ったら、すぐに私も右へ出て行って… それでも青(矢印)信号に間に合いそうだ」と思っていた。

ところが、速そうに見えた車が意外と遅く… 私が「おい… なんなんだよ! そういう車は、そういう車らしく“バビュ~ン!”と行ってくれないかなぁ~」と思っていたら、その車がバスの右斜め後ろまで来たところでパッパッパッとパンシロン… 否、パッシングをしたのである。

私は「えっ!? このタイミングで譲ってもらっても…」と思いながらも、「サンキュ~!」とハザードを点滅させて“ブォ~ン!”と加速したのだが… 時すでに遅し! バスが交差点へ突入する直前で信号が変わってしまい… 当然、パッシングをしてくれた車も停止線でストップ… 共倒れとなってしまった。

また、某運動場の転回場で「そろそろ乗り場へ移動する時間だなぁ~ さっき、忘れ物チェックしたよなぁ~」と思いながら、車内後方まで歩いて行った時のこと… 突然、目の前に1匹の“モスラ”が飛び出してきたのである。「ウゲッ!」と驚いた私は「早朝から約7時間、その姿どころか気配すら感じさせなかったのに… こんなに明るくなってから… よりによって、なぜ! このタイミングで暴れだすんだよぉ~」と思った。

それは、翼の端から端までが約10cmもあり…(翼と言うな!) 虫などが苦手な私にとって(苦手なのは犬だけじゃないのか!)、それは蛾などという生易しい相手ではなかった。だから、できれば無視したかったのだが… 「私と同じように、こういう虫を苦手にしている人も乗るだろうし… 自分で逃げてくれないかなぁ~」と願いながら、とりあえずバスの側面の窓を開けた。

しかし、そう簡単に出て行くはずもなく… 「なんとか外へ逃がす方法を… でも、あ~だこ~だ考えている時間はない!」と覚悟を決めた私は手袋をはめ… リアガラスの内側で暴れ回っているモスラを包み込むように左手で掴み、開けておいた窓から「えい!」と遠くへ投げるように逃がしたのだった。

手袋には、モスラの武器である鱗粉が… 左手には、暴れるモスラの感覚が… 何十年振りだろうか、あれだけ大きな虫を手で掴んだのは… あぁ、どうせこの手に掴むなら… 宝くじで大金を! いや、自分の好みに合った女性の腕を! 肩を! ××を!(仕事中に掴んで捕まるなよぉ~! ハハハ…)