バス運転士のち仕分け作業員のち病院の黒子 by松井昌司

2001年に自分でも予想外だったバス運転士になり、2019年に某物流拠点の仕分け作業員に転職、2023年に病院の黒子に…

幸運の女神!

2015年09月01日 20時35分16秒 | バス運転士
早朝、某運動場へ向かって回送中… 土砂降りの雨、雨、雨… 私は「やはり、今日は何かが起こりそうだなぁ~」と思った。さて、通勤通学時間帯の某総合駅行き… 「毎月1日には上の方が乗るらしい」と噂のコースだったのだが、大きく膨らんでいた私の期待はサクッと裏切られ… 何事もなく某総合駅に到着したのだった…

その後、待機場所で折り返しの発車待ちをしていたら… 某総合駅の8番乗り場に車椅子の男性がいたので、私は「あぁ、ひょっとして… 先日、私が8番乗り場でお爺さんの車椅子を固定して運転席に戻ったら、いつの間にか前扉のところに来ていて“○○停まで”と言った人かもしれない」と思った。

しかし、今朝の私は7番乗り場から出る路線だったので、「今回は誰のバスに乗るのかなぁ~?」と思っていたのだが… その車椅子の人は、いつの間にか7番乗り場に移動していて… 結局、私のバスに乗ることになった。が、その時間帯のバス乗り場には委託元の上司が立っていて、車椅子の人の乗車扱いをやってくれるので、すべてお任せした。

それでもバスは2分ちょっと遅れて発車… 道中は、まあまあ順調に進み… 3分ほど遅れて○○停に到着した。そして、まずは運転席にあるスイッチでバスの床を低くして、車椅子の人の降車扱いをして、「ありがとうございました」と見送って、スロープを片付けていた時のこと… 「△△停、行きますか?」という若い女性の声が聞こえた。

私は「はい、行きますよ」と答えながらスロープを片付け、折り畳まれていた車椅子用スペースの座席を元に戻し… 運転席に戻ってバスの床を元に戻して、シートベルトを締めて扉を閉めて、帽子をかぶって可愛い子ぶって…(うっ、気持ち悪ぅ~) エンジンを掛けて発車… それと同時に右車線へ変更、さらに右折レーンへ… と、その時! 「△△停」と言った彼女の声を思い出し…

「はい、△△停へ行きますよぉ~ ん? △△停!? ゲゲ~~~~~ッ!」と驚いた私は、慌てて左ミラーを確認、右折レーンから右車線へ戻り… そのまま交差点を直進して、その後すぐに左車線へ戻り… 「ご乗車ありがとうございました。◇◇停です。お忘れ物ございませんよう、お確かめ下さい」と何事もなかったかのように案内をしたのだが… 多分、バレバレ…

そう… 先日、私が車椅子の人を乗せたのが8番乗り場から出るバスで、その交差点を右折したのだが… 今日は7番乗り場から出るバスだったので、その交差点を直進しなければいけなかったのに… 車椅子の人の印象が強くて、いつの間にか頭の中は「右折」になっていて… 「△△停」と言われた時に「はい」と答えたものの、「右折」はリセットされず… ギリギリのところで我に返ったのである。

いやぁ~ それにしても… あの時、彼女の声を思い出していなければ… いや、彼女が「△△停、行きますか?」と言ってくれていなければ… もしも私に聞かずに黙って乗っていたならば… 私は今頃… ある上司から「ブーブーギャーギャー」言われ、反省文を書き、ドヨォ~ンとしていただろう。あぁ、私の幸運の女神は何処へ…(どうせ顔も覚えていないんだろう? この恩知らずぅ~!)

追伸・・・昼食休憩のために営業所へ戻った時、「今日、弊社の上の方は、研修という名目で北海道へ行っている」と聞いた。くっそぉ~! 千載一遇のチャンスだと思っていたのに…