緩やかなカーブの先に次のバス停が見え… と思ったら、なぜか車道に人が立っていたので驚いた。「えっ!? バス停の真ん前? どうすればいい???」と戸惑っていると、バス停にいたお婆さんがその人の腕を引っ張って歩道に上げてくれたので、私は普通にバスを止めて扉を開けた。すると、バスを待っていたお年寄りたちはもちろん、車道に立っていた人(A)もスムーズに乗車した。
数分後、ある交差点を右折し始めた時… 車内ミラーに通路を歩いてくるAが映ったのだが、そんなところで止まるわけにもいかず… 右折してすぐにあるバス停で止まった。「前扉から降りるつもりなのか?」と思ったが、前扉から数名の乗車があった後も、Aは降りることなくその場に留まっていた。私が扉を閉めてバスを発車させると、Aは後方へ歩き出し… 一番後ろの席に座った。
さらに数分後、1人のお爺さんが運転席の横までやって来て… 「あのぉ… あの人、自殺願望がありそうで… 自分が何処へ行きたいのかも分からないみたいで… 終点に着いたら面倒をみてやってください。一番後ろに座っているから…」と小声で言ったので、私はマイクのスイッチをオフにして「はい、わかりました」と小声で答えた。
その後、私は「終点に着いたら、Aは他の人たちと一緒に降りて行ってしまわないだろうか… 途中で営業所へ電話を入れておいた方がいいだろうか… そもそも終点まで乗っているのだろうか…」などと考えながらバスを走らせていたので、危うくバス停の乗客を見落としそうになったりして… それでも無事に終点・営業所前ターミナルへ到着した。
ドッと降りて行く乗客たち… 私が運転席から身を乗り出して車内を見渡すと、Aは一番後ろの席に座ったまま、目を閉じて壁に寄りかかっていた。「次の発車まで約10分… すぐに応援を呼ばなければ!」と思った私は、バスを降車停に止めたまま、目の前にある塀の向こう側(営業所)へ電話を掛け、「すいません、すぐに営業所前ターミナルの降車停まで来てください」と言った。
そして、出てきてくれた上司に事情を説明すると、「警察を呼ばなきゃいかんかもなぁ~」と言ったので、「時間がかかりそうだ」と思った私は「とりあえず、(Aを)乗せたまま待機場所へ動かします」と言ってバスを移動させた。すると、Aが目を開けて上体を起こしたので、「何とか時間を稼がなくては!」と思った私は、Aの2~3m手前まで歩み寄り「体調が悪いのですか? 大丈夫ですか?」と声を掛けたのだが… 首を僅かに横へ振ったような振らなかったような…
そこへ、応援の上司2人がやって来て、いろいろと声を掛けてくれたのだが… ずっとAは中空を見つめているような感じで返答もなく… それでも、上司に言われるままバスから降りてくれたので… 私は次の発車に遅れることなく、乗務を続けることができたのだった…。。。。。勤務終了後、上司に話を聞いたところ… 「あの後、Aの身元も判明して、無事に解決した」らしいのだが… う~む…
数分後、ある交差点を右折し始めた時… 車内ミラーに通路を歩いてくるAが映ったのだが、そんなところで止まるわけにもいかず… 右折してすぐにあるバス停で止まった。「前扉から降りるつもりなのか?」と思ったが、前扉から数名の乗車があった後も、Aは降りることなくその場に留まっていた。私が扉を閉めてバスを発車させると、Aは後方へ歩き出し… 一番後ろの席に座った。
さらに数分後、1人のお爺さんが運転席の横までやって来て… 「あのぉ… あの人、自殺願望がありそうで… 自分が何処へ行きたいのかも分からないみたいで… 終点に着いたら面倒をみてやってください。一番後ろに座っているから…」と小声で言ったので、私はマイクのスイッチをオフにして「はい、わかりました」と小声で答えた。
その後、私は「終点に着いたら、Aは他の人たちと一緒に降りて行ってしまわないだろうか… 途中で営業所へ電話を入れておいた方がいいだろうか… そもそも終点まで乗っているのだろうか…」などと考えながらバスを走らせていたので、危うくバス停の乗客を見落としそうになったりして… それでも無事に終点・営業所前ターミナルへ到着した。
ドッと降りて行く乗客たち… 私が運転席から身を乗り出して車内を見渡すと、Aは一番後ろの席に座ったまま、目を閉じて壁に寄りかかっていた。「次の発車まで約10分… すぐに応援を呼ばなければ!」と思った私は、バスを降車停に止めたまま、目の前にある塀の向こう側(営業所)へ電話を掛け、「すいません、すぐに営業所前ターミナルの降車停まで来てください」と言った。
そして、出てきてくれた上司に事情を説明すると、「警察を呼ばなきゃいかんかもなぁ~」と言ったので、「時間がかかりそうだ」と思った私は「とりあえず、(Aを)乗せたまま待機場所へ動かします」と言ってバスを移動させた。すると、Aが目を開けて上体を起こしたので、「何とか時間を稼がなくては!」と思った私は、Aの2~3m手前まで歩み寄り「体調が悪いのですか? 大丈夫ですか?」と声を掛けたのだが… 首を僅かに横へ振ったような振らなかったような…
そこへ、応援の上司2人がやって来て、いろいろと声を掛けてくれたのだが… ずっとAは中空を見つめているような感じで返答もなく… それでも、上司に言われるままバスから降りてくれたので… 私は次の発車に遅れることなく、乗務を続けることができたのだった…。。。。。勤務終了後、上司に話を聞いたところ… 「あの後、Aの身元も判明して、無事に解決した」らしいのだが… う~む…