おかあちゃん 近所のおばさんが… ね

おかあちゃん、私ね。
毎朝　ワン子に起されて。「もう少し寝て」ってお願いしているよ。
朝は　いい気持ちだよ。ワン子に待ってもらってたら雨が降って来た。
雨が止んでから　散歩に行ったよ。

１０時くらいだったかな。私は　ウトウトしていたら近所のおばさんが来た。
「聞いてほしい。悲しくて。」と言う。家に招き入れて　話を聞く事にした。
娘婿が　お金を取った。と言う。
そして、私に　お金を預かってほしい。と言う。
断りあぐねて　封筒に入れて封をして名前を書いてもらった。
『このまま　預かっとくね。』と言った。
その後　話を聞いていて　辻褄の合わない事を感じた。
お金を　私の前で　あちこちから出し　通帳を　出す。
「銀行へ行こう。ついていくから。」
銀行で　預け　『もう、預かっていないよ』銀行員に『これから　一人で預けにきたらよろしく
お願いします』と言った。
１００円ショップに行って　袋を買って　『通帳　印鑑　を分けて入れなさい。
絶対に　一緒にしたらあかんよ。』
おかあちゃん、おばさんは７５歳。多少呆けてる。
今、鞄に入れた事も忘れる。取られたと言うけど　真実はよく分からない。
取りあえず　お金は　預からなかったよ。ホッとした。

可哀想だね。病気を持ち　高齢になって　娘さんとはけんかしていて何もしてくれない。
そう言って　泣きそうになった。もう死にたい。って。
『お金は預かれないけど　銀行にはついていくからね。』そう言ったよ。
いつでも　ついて行ってあげようと思っている。

おかあちゃん、私も７５歳になったら　あんなにものを忘れてしまうんだろうか。
おかあちゃんが、言っていた先が見える。とは、この事だね。
半生が済むと、後は下り坂。
ヒロは、ちょっと夢を持ちたいよ。クロールで泳げるようになりたい。
英語で話せるようになりたい。それからね。美味しいパンをつくりたい。
ヒロは　これからも　…したい。を持っていたいな。
でもね。下り坂は悪い事ばかりじゃないよ。
自転車ならこがなくてもいい。走りだって楽だよ。
そうなった時、悲しまないで　受け入れる器量も持っていたいな。
まだまだだよ。って言わずに覚悟をしてないとね。
勉強に　考える１日になったよ。

おかあちゃん、ありがとう。好き　好き　好き　大大好き　大大大好きだよ。愛しているよ。
これからもズーと　ズーと　ズーと　ズーと　ズーと　一緒だよ。よろしくね。

　　　　　　　　　　　　　　
9月10日
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