新イタリアの誘惑

ヨーロッパ・イタリアを中心とした芸術、風景。時々日本。

心ふるえる風景 南イタリア編⑰ 地中海に沈む夕陽 ぎりぎりで間に合った

2024-06-25 | 心ふるえる風景 南イタリア編

 夕刻 イスキア島の西端に向かった

 ホテルのコンシェルジュから 耳寄りな情報をもらった

 「フォーリオの夕陽が とても美しいですよ

 特に岬にある教会からの 眺めが絶景です」

 

 フォーリオに着いて 地元のおじさんに聞いた

 「サンタマリア教会はどこですか?」

 「え、なんだって?」 「サンタマリア教会です」

 「だからサンタマリア何教会なんだい?

 サンタマリアという名前の教会は この町内に3つもあるんだ」

 

 この言葉で気がついた サンタマリアというのは単に「聖母」の意味

 どの教会にもサンタマリア+〇〇の名前が付いていた

 例えばフィレンツェの大聖堂は サンタマリア デル フィオーレ教会

 ヴェネツィアでは サンタマリア フォルモーザ教会 などなど

 急いでメモ帳をひっくり返して 正式の名前を探した

 「サンタマリア ソッコルソ教会」

 ようやくおじさんもにっこり 所在地を指さしてくれた

 

 そんなこんなで ようやく目的地に着いた時は日没目前

 地元の人が集まっていたのは 大きな十字架の塔の横

 目の前の夕陽は まさに半分隠れようとしているところだった

 

 空全体は 暗いだいだい色に塗りこめられ

 太陽は もう半分雲間に沈みつつある

 十字架塔は くっきりと黒く浮かび上がり

 見つめる人たちの姿も 闇に差配されている

 

 数分後 陽は完全に沈み 

 集まった人たちから 自然と拍手が起きた

 何と神秘的な瞬間 それにようやく間に合ったことに

 じわじわと 感謝の念が沸きあがった

 

 

コメント (4)
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