新イタリアの誘惑

ヨーロッパ・イタリアを中心とした芸術、風景。時々日本。

ドイツ人商館屋上からの眺めは、新発見が体験できる

2017-06-24 | イタリア・ヴェネツィア
 新装なったドイツ人商館。でも貧乏旅人の私には高級ブランドは無縁。お目当ては屋上に設けられた展望スペースだ。
 ちょうどリアルト橋のたもとにあるだけに、カナルグランデ(大運河)が大きくカーブを描く地点からの展望が望める。

 そのため、鉄道駅(サンタルチア駅)方面とアカデミア橋方面との、運河の2つの流れが両方とも1か所でながめられるという絶好のポイントになっている。

 まずは鉄道駅側を見てみよう。真っすぐに伸びる運河が見通せる。

 バポレット(水上バス)の停留所がある所がカ・ドーロ。その手前に大きな手が水中から飛び出しているが、これは開催中のビエンナーレの出品作だそうだ。

 もう少しアップしてみる。建ち並ぶ建物の外観は建築当時のたたずまいを変更できない規則になっているので、ヴェネツィア共和国時代の面影さえ連想できそうだ。

 次にリアルト橋からアカデミア橋側に向かって左側に延びる運河。

 この水辺にはバポレットのリアルト停留所が見える。

 存在感たっぷりに並ぶ建物群は、いずれも数百年前に建てられたものばかり。

 正面にそびえる塔は、位置関係から考えるとサン・ジャコモ・リアルト教会の鐘楼かな。

 後を振り返ると、見えました。サンマルコ聖堂のビザンチン様式のクーポラとそびえ立つ鐘楼。

 この丸屋根と、その後ろに見えるマッジョーレ教会の鐘楼とが同じアングルから見えるのは、初めての経験。この展望台が絶好の位置にあることかが実感できる。

 午後8時を過ぎてようやく西の空が赤くなってきた。

 ヴェネツィアの夕陽はいつ見てもほれぼれしてしまう。

 こうした、安らかな日没の情景が、ひいては500年前のこの地でティツィアーノやティントレットらも見つめていたのだろうと思うと、何か思いを共有できたような錯覚に陥る瞬間があった。


 
コメント (2)
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