<「密閉空間・密集場所・密接場面」廃業ビジネスプランコンテスト開催か>
<「密閉空間・密集場所・密接場面」解消「全開空間・換気マスク着用、散在場所マスク着用、遠隔場面・視聴覚」事業起業ビジネスプランコンテスト開催か>
<ハワイ州知事はビジネスプランコンテスト賞金予算1億ドルを連邦政府に要
請か>
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2020年8月19日
相馬佳
ハワイ在住ライター
新潟市出身。ハワイ大学卒業後、現地の広告代理店にコピーライターとして就職。現在はハワイで編集者として働きながら日本のメディアでもライターとして活動中。
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最近になって民族別の感染者が公表されたことにより、タヒチやトンガ、ミクロネシア、フィジー、サモアなどからハワイに移住してきた太平洋諸島出身者(パシフィック・アイランダー)の感染率が人口と比較して突出していることが判明した。
8月8日付のホノルル・スターアドバタイザー電子版によると、ハワイ州の総人口のうち太平洋諸島出身者はたったの4%なのにもかかわらず、民族別に見た新型コロナウイルスの総感染者数では全体の30%を占めている。同記事によると、今回のアウトブレイクに限定した場合、感染者数の32%に上るという。
同紙は、太平洋諸島出身者の移民はファーストフード店やリテールなど、対人コンタクトが多い職に就くことが多いと指摘。また数世代の大家族が同じ家に暮すことも多い。民族や家族間の付き合いが濃いことから、葬儀などのイベントがあると、アメリカ本土や太平洋諸島に住む親族を呼び寄せて大規模に行う場合も多いという。葬儀のようなイベントでは参列者が泣いたり、慰め合うために抱き合ったりすることも多いため、ソーシャルディスタンスを保つことが困難であると同時に、通常屋内で行われることから出席者間で瞬く間に感染が広がってしまう可能性が高い。
もちろん太平洋諸島出身者だけがハワイの感染者増加原因ではなく、
ロックダウン疲れからくる気の緩みや大人数のパーティー、屋内レストランでの会食、職場、自主隔離を守らない観光客など、ほかにも様々な原因があるはずだ。同紙によると、8月6日の例では、感染者144人のうち、71人は葬儀数件、6人はホットヨガのクラス、12人は誕生日パーティーにおけるクラスター感染だという。
前出のホノルル・アドバタイザー電子版記事によると、オアフ島内の太平洋諸島出身者の感染拡大パターンが判明したことから、州政府では現在、これらの移民を対象とした感染拡大防止対策を行っている。しかしハワイ州で大多数を占める他の民族と太平洋諸島出身者の間には文化的慣習や住居事情、言語のバリアがあるほか、保健衛生関係者への不信感などもあり、自主隔離や感染者の接触者追跡が困難だという。
また同紙電子版による12日の報道によると、「コンタクトトレーサー(接触追跡者)はハワイ州には現在州全体で18人(うちオアフ島15人)しかいないため、対応が遅れたことも死者増加の原因となっていると報道した。同記事によると、グリーン副知事は今後コンタクトトレーサーを420人~564人に増やす予定と述べている。
ハワイ州はこれまで全米一低い感染者数と死者数を誇っていたが、生活環境が過密である場合も多いオアフ島では特に、一旦広まると爆発的に拡大する可能性も捨てきれない。経済を元に戻すためには、太平洋諸島出身者に限らず、言語の問題を含め、多数派の住民と文化的な溝ができることも多い移民コミュニティの啓蒙活動や訪問者に対する検査プログラムの実施のほかにも、経済や社会活動を続けながら、人々が極端に規制疲れしないやり方でウイルスとうまく共存していける方法の開発も必要になってくるだろう。
https://wedge.ismedia.jp/articles/-/20529?page=2