麻の中の・・・

「麻の中の蓬」
「麻の中の蓬」この言葉は、中国古代荀子にあります。
「蓬麻中に生ずれば、扶けずしてなおし」とあるのがそれです。
　麻はまっすぐに伸びる草で、蓬は曲がりやすい草です。
　しかし、蓬も麻の畑の中に生えれば、自然とまっすぐに伸びていくという意味です。荀子の立場からすれば、人は放っておけば蓬のように曲がり、これを正す教化と環境がとても大事という考え方でしょう。
　しかし、広大な中国に育つ蓬は群生して、風が吹くと乱れに乱れて、からみあう草のようです。
　「蓬頭」（ほうとう）という言葉は、そのようなところからきています。
　日本語の辞書を引くと、「蓬」の意味は曲がる、群がる、乱れる、などが挙げられています。中国的な「蓬」のイメージからきていることは間違いないでしょう。
　人の本性は、さまざまに曲がりやすいものであり、麻の畑の存在が必要であると思います。そこに、正しい教えるによる自己変革があり、人間が人間としての自覚を持って自らの人生を生き抜いていくことが大切だと思います。
（昨日、私用の故に休みました）