感染症内科への道標

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麻疹暴露後免疫グロブリンの効果

2018-01-19 | 抗菌薬・関連薬剤
Effectiveness of Measles Vaccination and Immune Globulin Post-Exposure Prophylaxis in an Outbreak Setting—New York City, 2013
CID 2017

・麻疹は空気感染で空気中に2時間浮遊する。
・免疫のない90%の人が発症し潜伏期間は7-21日であり、発疹4日前、4日後で感染性を有する。
・下痢、中耳炎、肺炎(6%)、妊婦では早産、流産の原因となる。
・重症例では脳炎、死亡の危険がある。1000人発症あたり2-3名の死亡を認める。
また発症7-10年でSSPEの発症がある。
・米国では2000年に排除されたが、輸入例からのアウトブレイクがある。
・ACIPでは生後6ヶ月以上で暴露後72時間以内にMMRが推奨されている。また12ヶ月未満でMMRを受けていない場合には6日以内に免疫グロブリン投与が推奨されている。

アウトブレイク:
・2013年5月、ワクチン未接種の方で麻疹を発症しロンドン⇒ニューヨークに持ち込まれ58名が発症(6次伝播)。
・3409名のコンタクトがあり、58名が発症。18歳以下で、318名(9.3%)の非免疫接触者が抽出。121名で予防:44名でMMR、77名でグロブリン(グロブリン投与例は全て1歳未満)。189名では暴露後予防をうけず。(189名)もしくは適切な期間を過ぎて投与(31名)318名中、48名で発症。
⇒MMRの効果は83.4%, グロブリン投与例では発症者0名。
⇒免疫グロブリンの有効性を示唆。
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