感染症内科への道標

研究学園都市つくばより感染症診療・微生物検査・感染制御の最新情報を発信しております。

多剤耐性E.coliによる菌血症を伴う尿路感染症に対する経口ステップダウン治療: ホスホマイシン

2024-01-01 | 抗菌薬・関連薬剤

・経口ホスホマイシンの菌血症に対するステップダウン治療の有効性を評価
・多施設ランダム化試験(スペイン22施設)
・他剤と比較し明らかな劣性はなし

FOREST:スペイン22施設で2014-2018に実施された多剤耐性E.coli菌血症を伴う尿路感染症に対するホスホマイシン+セフトリアキソンor メロペネム の無作為非盲検臨床試験

経口基準:4日間の点滴+血行動態が安定、経口可能、感受性があり、ホスホマイシンに対しては経口ホスホマイシン(3g 48時間毎)、セフトリアキソン(もしくはメロペネム)に対してはAMPC/CVA, ST合剤, CPFX などに変更

143名が参加し、108名で経口薬へ変更。(60名がホスホマイシン系)。臨床的微生物学的治癒はホスホマイシン群において78.7%で達成(他経口薬では80.9%).再発率はホスホマイシン群で15.%、その他群で4.3%であった。(統計学的有意差はなし)

ホスホマイシン
・細胞壁合成阻害、腎排泄

*日本の経口ホスホマイシンはfosfomycin calciumであり、経口吸収率が低い
  (海外製品吸収率:30(食事)-37%
*日本と海外では点滴での承認量が大きく異なる(米国12-24g/day)

添付文書より引用
・2g 経静脈投与時血中濃度 98.3-157.3 半減期 1.5-1.8 
https://pins.japic.or.jp/pdf/newPINS/00052068.pdf

・1g 経口投与 血中濃度 5.36 半減期4.35 
https://pins.japic.or.jp/pdf/newPINS/00000233.pdf

ホスホマイシン経静脈投与、経口薬物動態解析(海外)
Pharmacol Res Perspect. 2018 Feb; 6(1): e00378.
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 【リポスト】ドローンによる... | トップ | オーストラリアの青少年の尿... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

抗菌薬・関連薬剤」カテゴリの最新記事