月水食堂のお弁当

地産地消と昭和の香りをコンセプトにした安くておいしいお弁当を届けます。

俳優生命

2012-02-07 06:02:47 | 日記
☆月曜弁当
焼肉と焼野菜
ごぼうのから揚げ
かぶのサラダ
パイナップル
味付け海苔

黒田勇樹という子役時代からの俳優がいた。

代表作はドラマ「人間失格」映画「学校Ⅲ」

人間失格では、いじめられっ子から転じていじめる側に回り、罪悪感から次第に精神を病み母親を刺殺する陰湿な役柄を見事なまでに演じ、「学校Ⅲ」では、母子家庭の自閉症の少年役をこれまた見事にこなした演技派俳優だった。

ところが彼は今俳優を辞め、フリーターをしているらしい。

年は30を少し回ったくらいでまだまだこれからなのに惜しいなと思う。

久しぶりに98年公開の「学校Ⅲ」のビデオを観た。

バブルがはじけた後の不況の荒波にのまれた人々の再起をかけ職業訓練校に通う中高年たち。

ボイラー技能を学ぶクラスでの友情と自閉症の息子を抱え奮闘する母親の生き様、クラスメートと芽生える愛。

生きづらさの背景は複雑に絡み合う。
リストラ、事業破綻、離婚、自殺、障害、ガン。

映画の最後は乳がんに冒された母役大竹しのぶが手術室に向かう前、集まったクラスメートに励まされ、恋人役小林棯侍の姿を確認し安心するまで。

中島みゆきの名曲がゆっくり流れ、エンドロール。雪が舞い散る窓の外を嬉しそうに見上げる息子役黒田勇樹が現れ、優しく見守る小林棯侍。

三人のこれからは決して語られず終わって行く。

希望なのか絶望なのか、
度重なる過酷な運命を受け入れながら人は生きているのだと思う。

改めて黒田勇樹の演技は素晴らしい。目線、声、指使い、歩き方、ため息が出る程の自閉症っぷりだ。
この映画で、日本アカデミー新人俳優賞を取っただけはあります。

それだけに俳優廃業は惜しまれます。