月水食堂のお弁当

地産地消と昭和の香りをコンセプトにした安くておいしいお弁当を届けます。

後ろ姿

2010-11-19 18:33:35 | 日記
Superfryというバンドの数年前のヒット曲「愛をこめて花束を」が好きだなあ。

♪何度も間違った道 選び続けて 正しくここに戻ってきた

このサビの部分は、胸にぐっときます。

アルコール依存症のダニエル。
個別支援計画書完成間近になり、
「こんなもんに縛られたくない。自由にやる」と。

他メンバーの言動にもうんざりするし、ここに自分を理解してくれる人はいないから作業所を辞める と。

もう何度も聞いた台詞。
でも、翌日には気が変わり、またやってきた。だからいつもなだめてきた。

ダニエル、支援計画書は
利用者の権利であり、義務でもあるんだよ。
所属するには、契約を取り交わす。あなたを縛っているのは世間ではなく、病だけでもなく、自分自身だよ。

結果、作成書は保留ということで閉じた。
虚しい。時にこのむきだしの感情をぶつけられる仕事にやりきれなさを感じ、逃げ出したくなる。

でも、メンバーたちが働いている後ろ姿を見ると、その後ろ姿に義兄ディーンを重ね、私はまた初心に帰る。

15年に及ぶ投薬と再発で、肩が下がり落ち、ディーンは次第に首も曲がっていった。

その曲がった首を裏庭の柿の木にロープで吊り上げ、38歳で命を絶った。

遺書は残さす、書きかけの履歴書を残して。
空欄に「家を出たい」と だけ記して。

ディーンの背中も、メンバーたちの背中も、言葉にならない声がある。

私は、これからも微力ながらその声を聴いていこう。