田舎に泊まろう

　私の両親は宮城県出身。それも同じ町内で、歩いて３分くらいのところ。
その町は農村地帯で、町を通る１本の県道の両脇に家が並び、その裏は田んぼが広がっていました。もちろん両親の実家はともに農家です。

　小学生の頃は毎年、この「田舎」に泊まりに行きました。だいたいお盆の時期を挟んで、２週間ほど「ホームステイ」していました(^o^)／　だから宮城の方言はけっこうわかります。２週間経って東京に帰って来ると、その訛りが移っていたりして‥‥。

　小学２年生の時、松戸の従兄のＳちゃんと２人だけで行ったのが、初めての親との別行動でした。ずいぶん心細かったのと同時に、父から腕時計を借りたり、財布には数千円の小遣いが入っていたり、ちょっと大人の気分。
　今なら新幹線で２時間の道中ですが、当時は特急でも４時間かかっていた頃です。しかもその時は急行で行ったので、６時間半もかかりました。朝６時に上野に着いて、自由席の列に並び、列車に乗るのが７時頃。眠かったなぁ～‥‥。なんでそんなに早い列車に乗るかというと、ちょうど昼ご飯を駅弁で済ませてから向こうに着くという計算からです。急行は特急とは違って窓が開きました。そこで窓から駅弁を買うなんてことも体験しましたヨ。
　小牛田という駅で石巻線に乗り換え、佳景山という駅で降ります。そこからは当時はバスが出ていました（今はありません）。ただし、このバスは昼間はほとんど走っていなかったので、電話でオジちゃんにクルマで迎えに来てもらいます。片道20分くらいかかるので、電話をかけてから暫し待つことに。駅前のお店で、発売されたばかりのポッカコーヒーを買って飲んだことを覚えています。これ、苦過ぎだと思いました。

　オジちゃんが軽トラックでやって来て、Ｓちゃんといっしょに乗り込みます。農作業に行く時に使っているクルマなので、シートには乾いた土が着いていたりしました(^o^)
　まずは父の実家に顔を出すのが慣わし。実は父の実家の従兄は歳が離れていて（当時高校生）、ほとんど家にいないし話が合わなくてつまんなかった‥‥。
バアちゃんがいろいろとお菓子やら飲み物やらを出してくれます。テーブルの上の菓子入れには、ホワイトロリータやゼリー菓子、さきいかや豆菓子なんかが定番で入っていました。飲み物はファンタ。バアちゃんは「フアンタ」と発音するのが可笑しかったぁ～。
それから、孫のためにつくったという寒天が登場。子どものころは赤や緑に着色された、ほのかに甘いコレが好きでした。それからトウモロコシ（宮城では「トミギ」。たぶん「トウキビ」が訛ったもの）。実家の畑で採れたというもので、最近のものよりは美味しくありませんでしたが、東京で食べるのよりはウマかったぁ～。しかも食べ放題！　こんなに食べたら夕飯は‥‥。

　静かな午後。時々近所の人がやって来て、何か持って来ます。その度に東京から来た孫だと紹介され、正座でご挨拶。みんな茶の間に通じる戸から入って来ますが、正式な玄関は別にあります。農家では茶の間が高くなっていて（小学校低学年の頃は、上がるのに一苦労(^^ゞ）、ちょっとした近所の人は履物を脱がずに腰掛けて話をしたら、すぐに帰って行きます。
　お客が帰ると、また静かな時間。Ｓちゃんと「レーダー作戦ゲーム」やトランプをして遊びます。暇だぁ～。

　日が暮れる頃、オジちゃん、オバちゃん、ジイちゃんが畑から帰って来ます。帰って来ると早速晩ご飯の準備。バアちゃんも手伝って、台所は大忙し。農家は台所も土間になっていて、お昼ご飯は畑仕事用の長靴を履いたまま食事の支度をし、そのまま台所にあるテーブルで食事をして、またすぐに出かけて行きます。
　オジちゃんはすぐにお風呂。私とＳちゃんはジイちゃんの相手をさせられますが、訛りが強くて、半分くらいは何を言ってるのかチンプンカンプン‥‥。２週間いれば大分慣れるんですが。Ｓちゃんはわかってるみたい。

　そうこうしていると、従兄たちも帰宅。Ｓちゃんは話が合うみたいだけれど、私はダメ‥‥。大人の世界はわからな～い┐(´-｀)┌

　夕食を食べ終わっても、ＴＶが見られない！　こっちではどこのチャンネルで何が放送されているのかサッパリ‥‥。オマケに映りが悪いし‥‥。新聞を見ても何チャンネルなのかわからなくて‥‥。つまり、ＵＨＦの存在がわかってなかったんですが(^^ゞ
あぁそうだった、夏休みの途中で『ジャイアントロボ』の再放送が見られなくなる時期があったことを思い出しました。だから、先日のレビューの「ＧＲ２」や「アイスラー」はあまり馴染みが無い怪獣なんです。

　お風呂に入ったら、既に布団が敷いてあります。ジイちゃん、バアちゃんと並んで寝るんですが、私の位置は仏壇の正面‥‥。ちょっと怖かった‥‥。
そうそう、あの頃はまだ蚊帳を釣って寝てました。これが何だか嬉しくて(^o^)


　では、おやすみなさい‥‥。つづきはまた明日‥‥。