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失われた時を求めて

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消された時間(ウルトラセブン第5話)

2007-08-14 22:04:04 | 特撮:ウルトラセブン
●「消された時間」昭和42年10月29日放映 ヴィラ星人登場
 制作第6話 放映第5話 脚本:菅野昭彦 監督:円谷一

 脚本の菅野昭彦さんは、円谷作品ではお見かけしない名前です。昭和35年前後の劇場映画の脚本で筆を振るわれていた方のようで、TV作品ではアニメ『悟空の大冒険』や森田健作さん主演『おれは男だ!』などにも参加されていたようです。

 山本耕一さんがユシマ博士としてご出演されています。当時32歳で29歳のユシマ博士を演じていらっしゃっているのですが、どう見てもずっと年配のような‥‥^^; 昔の大人って、老けて見えましたよネ。
 私は山本さんというと、『金八先生』(昭和54年シリーズ)の鶴見辰吾さんが演じる宮沢保のお父さん役が印象に残っています。

 初期の話数ではフルハシ隊員の活躍が目立ちます。やっぱり『ウルトラマン』から引き続いての隊員役なので、石井伊吉(現・毒蝮三太夫)さんへの信頼度が高いのでしょうか。

 ユシマ博士が乗る超音速ジェット機が光に包まれ、時間が止まる瞬間の音楽は、M-9EにM-26の冒頭がショック音として挿入されて編集されています。

 ジェット機の着陸シーンは、かなり『サンダーバード』を研究してつくられたもののように感じます。
「降下するジェット機の仰角ショット」
「着陸車輪が下りるアップ」
「手前に向かって降下してくるジェット機」
「ジェット機後方からのショット」
「接地する着陸車輪のアップ」
「ドリーしながらジェット機を追う左側からのショット」
「ブレーキ用パラシュートのアップ」
「滑走路に着陸し、手前に向かってくるジェット機」
と、細かいシーンがリズムよく編集され、大変手間のかかったシーンになっています。

 基地内の移動用列車のプラットフォームと車内は、当時の東京モノレールの羽田駅でのロケだったようですが、現在はこの駅はありません。編集によってミニチュアと組み合わされることによって、未来感溢れる乗り物になっています。いや、モノレール自体が未来的で、当時の絵本の「未来の世界」の絵には必ず「リニアモーターカー」や「電気自動車」とともに採り上げられていましたネ。

 博士が宿泊している「地球防衛軍極東基地内 迎賓宿泊施設」のロケ地は箱根のホテルだそうです。
 ヴィラ星人が姿を現す前の、駐車場、入り口付近で見回りをしている一般警備隊員のシーンに一瞬映るポインターには、「TDFPO-12 MP」のマーキングが付けられ、ルーフには赤色回転灯も見えます。つまり、通常ウルトラ警備隊が使用している「TDFPO-1」とは別車両ということなのですネ。細かいところにこだわられていますが、当時の私は気付きませんでした(^^ゞ

 ダンに命じて「ユシマ・ダイオード」を第3回路に取り付けさせるユシマ博士。たしかに取り付けたのはダンですが、一般隊員が至近距離で見つめている前ですり替えるなんてことはできないでしょうし、ユシマ博士がスイッチを入れた瞬間に回路がショートしたわけだし、ユシマ博士も充分に怪しいし、ダンは潔白を証明できたのでは‥‥と、子どもの頃から違和感がありました。M-13が非常事態を感じさせ緊迫感を高めます。

 レーダーの故障をウルトラ警備隊作戦司令室に連絡するのは、加藤茂雄さんです。

『ウルトラセブン』では、円谷一監督による同じ制作パックである第1話にも、クール星人に消されてしまうパトカーの警察官役で出演されています。

 「私の考えでは、残念なことに、この基地内には宇宙人のスパイが入り込んでいるようですなぁ。」と言うユシマ博士。そしてダンに向けて「私の手から受け取ったダイオードを、あの時何かとすり替えたのじゃないですか?」と、罠に陥れようとします。思わずいきり立って「あなたは私がスパイだとおっしゃるのですか?」というダンの言葉に、全く反論せずふてぶてしく無視する態度をとる山本さんの演技は絶品です(^o^)
 「お言葉ですが、博士。何の証拠があってそのようなことを‥‥。」と言うキリヤマ隊長。ん~、どこの馬の骨ともわからない風来坊ですからネェ、ダンは‥‥^^;
 「まぁ、私は敢えて『この中にスパイがいる』とは言いませんが‥‥。」って、アンタ、さっきそう言ったヨ!^^;

 機械室でのユシマ博士とヴィラ星人との会話を透視したダン。機械室から出て来たユシマ博士に、ダンは「見たゾっ!」と言って掴みかかりますが、事情を知らない周りの人の目には、ダンが錯乱しているようにしか見えないところがこの脚本の素晴らしさです。
 後期はダンとの信頼関係が感じられますが、まだ初期のこのエピソードでは、ソガ隊員が冷たいです‥‥。

 独房に監禁されてしまったダン‥‥。ヴィラ星人の円盤群襲来の警報が基地内に鳴り響く中、セブンへと変身し、何と独房の鉄格子を破壊して外へ‥‥。あとでどういう弁解ができるのでしょう^^;

 ヴィラ星人とセブンの対決は、連なる真っ赤な鳥居が印象的なミニチュア・セットです。「ヴィラ星人」と「赤い鳥居」がセットになって記憶に染み付いている方、多いんでしょうネ(^o^)
 上空では円盤群とホーク1号・3号の空中戦が展開され、立体感溢れる戦闘シーンになっています。空中戦とヴィラ星人に操演がフル稼動で、当時の操演技術の限界を試しているようです。
 ヴィラ星人の円盤は合体・分離ができ、素晴らしいデザインです。機体には明滅する豆球も仕込まれています。

 セブンの声にまだ違和感が感じられます。

 最後に気が付いたユシマ博士が「ボクはロケットに乗っていたのでは‥‥。」と言いますが、アンタが乗っていたのは「超音速ジェット機」であって、「ロケット」ではありません^^; ‥‥というか、もしかして、もっと以前から記憶が無かったのでしょうか???^^;


  ●ヴィラ星人

 現在では「ビラ星人」という表記が公式設定になりました。セリフをよく聴くと、ダンやアンヌはきちんと「ヴィ」と発音しているようです。
 ウチワエビがモチーフにされたそうですが、架空の宇宙生物として昇華されたデザインになっています。
 第1話に続き、この制作パックの円谷組にはどちらも操演による宇宙人が登場しますが、ヴィラ星人は大きなプロップです。セブンと組み合う時の重量感もあり、よく出来ています。うごめく脚や触手の機電も素晴らしい!
 最後に撃墜された円盤とともに炎上してしまったので、このプロップは現存していないのでしょうネェ‥‥。

 アイスラッガーで頭と胴を切断され、ホーク1号のレーザーで撃墜された円盤とともに炎上しました。

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2 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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Unknown (tirusonia)
2007-08-19 01:46:31
初期のセブン怪獣、クール星人・アイロス星人・チブル星人は従来の怪獣デザインにない斬新さがありました。このビラ星人も操演が凝ってて、赤い鳥居と共に印象に残る映像になってます。セブンが壊した鉄格子は後で分からないように直したのかも。w
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セブンの怪獣たち (get_better4uまたは自由人大佐)
2007-08-19 02:12:05
 最近は『ジャイアントロボ』の記事も書いていますが、同じ時期のこの2つの作品に登場する怪獣のデザインは大きく異なりますネ。
 『ウルトラマン』『マグマ大使』『キャプテンウルトラ』『赤影』などに登場した怪獣たちは、どこか地球上の生物との共通点が見られましたが、tirusoniaさんが挙げてくださった宇宙人たちは、得体の知れない形態の面白さがあります。これ以外ですと、エレキングの回転する角(?)なんて、あの部分を何と呼べばいいのかすら戸惑ってしまいます。
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