横浜地球物理学研究所

地震予知・地震予測の検証など

2014年9月16日 12時28分頃 茨城県南部を震源地とする地震

2014年09月16日 | 地震情報
9月16日(火) 12時28分頃、茨城県南部を震源地とする地震(速報値M5.6)が発生しました。
震源の深さは約50km、前橋市、佐野市、熊谷市などで震度5弱を観測しています。

東京では、比較的近い位置でかつやや深めの震源からの地震ということもあって、突然に大きめの縦揺れを感じ、引き続いて、あまり強さの変わらない横揺れを感じたように思います。

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この地震の震源は、北緯36.1度、東経139.9度で、坂東市~八千代町付近の、地下50km(セントロイド深さ56km)です。

発震機構(速報値)は、おおむね北西-南東に圧力軸を持つ逆断層型です。

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実はこのあたりは、深さ約70kmにおいて東から西へ沈み込む太平洋プレートの上で、深さ約50kmにおいてフィリピン海プレートが南東から北西の向きに沈み込んでいると考えられています。

従って、圧力軸の方向や深さから考えますと、フィリピン海プレートの沈み込み面での地震と考えても、矛盾しないと思われます。


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ちなみに、茨城県南部のこのあたりは、関東大震災を起こした大正関東地震の2年前(1921年)に、その前震と思われるM7.0の地震があったところとして知られています。大正関東地震は相模湾におけるフィリピン海プレート境界での地震ですので、茨城県南部の深さ50kmは、同プレートの沈み込み「先」になります。

沈み込み「先」でのプレート境界地震は、より手前における同プレートの大地震の前触れになることも少なくありません。今回の地震に関して特段の危機を煽るわけではありませんが、現象として認識しておくのも良いかと思います。




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