日々是好日日記

心にうつりゆくよしなしごとを<思う存分>書きつくればあやしうこそものぐるほしけれ

政治資金問題の一丁目一番地は公開の原則から

2024年06月14日 07時46分56秒 | 政治
 「政務三役、22年分政治資金報告 オンライン提出7.8% 『努力義務』大半が違反」と題して以下のような記事が新聞に載っていた。
「政務三役(大臣、副大臣、政務官)76人のうち自身が代表を務める『国会議員関係政治団体』の政治資金収支報告書を、オンラインシステムで2023年に提出したのは6人にとどまっていたことがわかった。残り70人は紙で提出した。オンライン提出は政治資金規正法に基づく『努力義務』だが、政府の一員である政務三役の大半が違反状態にある」(2024/06/09朝日新聞)
これが巨額の予算を投じて国民総背番号制度とマイナンバーカードを持たせようと血道を上げてきたニッポン政治中心地の現実である。政務三役においてこのザマであれば陣笠議員においてをや、であろう。何が「世界一のIT国家」だ!?
賞賛の気持ちを込めて記事中の6人のうちで政治資金報告書すべてをオンライン提出したのは4人で、松本剛明総務大臣を筆頭に、河野太郎デジタル大臣、高市早苗元総務大臣、柘植芳文外務大臣の4人だという。河野氏が入っていて面目を失わなかったのはよかったとして、総理大臣はじめ閣僚が上記4人を除いて全滅とはこれ如何に?! 一事が万事の不道徳・不見識・無責任。
政府発表の「デジタル競争力ランキング20」によれば、主要63か国・地域の中にあって、日本の順位は27位の低位にあるという。驚愕の税金をぶち込んで、世界最先端のIT国家を目指すと意気込んで、国民にはマイナンバーカードを持たせようとてご褒美金までつけて申請させておきながら、ご覧の通り率先垂範してオンライン登録・掲示をすべき「先生」たちにしてこのとおりの不真面目さ。しかも、彼らにとってのオンライン申請の開示期間もたった3年という制限付きで露出を嫌う仕組みになっているという。
上記新聞記事によれば、政治資金収支報告書のオンライン化は2005年に始まっているのだという。それから20年を経てなおこの状況だというからこれは裏に何かあるとかんぐらざるを得ないではないか! 記事によれば、総務省は議員たちにオンライン登録を推奨してきたそうだが、それでもこのざまであるとは、もはやリテラシーの問題ではなく見られて困る後ろめたさが有るからとしか言いようが無いのではないか?
国会は、参院でいま政治資金問題で論争中だが、どんな制度をつくろうとも陰に隠れて誤魔化ししているかぎり国民の信頼を得ることはできないと知るべきだ。
 


「日本のヨゼフ=フーシェは誰?」と訊かれたら・・

2024年06月13日 07時54分40秒 | 政治
・・・筆者は「それは、小池百合子さん」と答えるだろう! あの、フランス革命期の政治家ジヨセフ=フーシェ(1759~1820)である。時代が変わり、人が替わっていく中でフーシェその人はさまざまに色を変え、風を読んで、常に権力の中枢付近で生き、数多くのコンペチターを謀略によって死におとしめていったあの人物である。
「ジョセフ=フーシェは、フランス革命、第一帝政、フランス復古王政期の政治家である。ナポレオン体制では警察大臣を務め、ブルボン家の代理人タレーランと共にブルボン王朝体制の主要人物となった。特に百日天下崩壊後は臨時政府の首班を務めてナポレオン戦争の戦後交渉を行った。革命から戦争へ、めまぐるしく変わる激動の時代、フランス国家だけではない近隣諸国を巻き込んで、次から次と時代を動かす主役が移り変わっていく中でヌエのように時代の荒波を乗り越えていった遊泳術を披歴した。世界史の中で彼以上のポピュリストは二人とは居ないのではなかったか」(シュテファン。ツワイク著, 高橋 禎二・秋山 英夫(訳)「ジョゼフ・フーシェ―ある政治的人間の肖像」 (岩波文庫)から
この歴史上の「偉人?」ジョセフ・フーシェーによく似た日本人を上げよ、と言われたら筆者は即座に「小池百合子」氏を上げるであろう。その激しい毀誉褒貶(きよほうへん)と、日本の多くの政治家が判で押したように政治家を父祖に持ち、そのチバンカンバンカバンをしっかり握りしめてノホホンと権力の階段をエスカレータに乗って上昇していく中にあって、当人が言うほどには門地も遺産も立派な父祖も居そうにないにもかかわらずたった一人、この国にあっては決して優位ではない女性の身の、逆風吹きすさぶ政界の中を這い上がってきた ヒト。「参議院議員(1期)、衆議院議員(8期)、総務政務次官、経済企画総括政務次官、環境大臣、内閣府特命担当大臣(沖縄及び北方対策担当)、防衛大臣、自由民主党広報本部長、自由民主党総務会長、自由民主党国際人材議員連盟会長、都民ファーストの会代表、希望の党代表を歴任した」(Wikipedia)ヒト。
このニッポンのオンナジョセフ・フーシェにもたとえられた小池百合子さん。学歴詐称という大きな「負債」を抱えながら3回目の東京都知事選挙に挑戦するという。今度はどう書く「学歴欄」?
 


小異を捨てて大道につけない政治家の小ささ

2024年06月12日 07時34分14秒 | 政治
 東京都知事選(20日告示、7月7日投開票)に立候補を表明している立憲民主党の蓮舫参院議員の支援を共産党が呼びかけていることをめぐり、国民民主党の榛葉賀津也幹事長は7日の記者会見で、「ご一緒できない」と述べた。榛葉氏は会見で、共産が作成した蓮舫氏への支援を呼びかけるビラに言及したうえで、「共産党さんとガッツリやっておいて、(国民民主も)ご一緒に、と言ったってご一緒できない。これでは本当に『立憲共産党』だ」と発言。現状では蓮舫氏への支援は困難との認識を示した。(2024/06/07朝日新聞)
「政治屋」と呼ばれる人士の扱いはなかなか難しい。ご挨拶の順序が誰々の後だったか、先だったか、その順序が違ったりすると、「覆水は盆に返らず!」というわけらしいのだ。こういう状況を表す言葉に甲州弁や駿河弁では「おちんぶりを掻く」という。「おちんぶり」とは「拗ねる」というぐらいの意味。こんなことで「拗ねて」みても世の中はよくならないのだが、拗ねてみたくなるのが「人情」というものなのかもしれない。しかし、コトは「政治」だ、「おちんぶり」など「掻いて」いないで、どうすることが地域住民にとって「最善」でなくても「善」であるか?、という観点で考えてもらいたいものだ。
上記記事のつづきは「これに対し、直後に会見した共産の山添拓政策委員長は、『都政をどうするかが問われているときに、共産党の<きょ>の字が出るともう拒絶反応というあり方をそろそろ終わりにすべきではないか』と反論した」とあったが、こっちの方が大人の判断というものであろう。
上記記事の発言者(榛葉某)の心底には、政治を己の気分にとって良いか悪いかという「おちんぶりの内側」で行っている日常が有るのであろう。そしてこの小ささがトータルとしてこの国の政治の小ささの因となっているのではないか? 「小異を捨てて大道につけない」貧困さ! 小選挙区という制度を基本にしたシステムでは、「小異と大道」とを常に念頭に置いて判断しないとカオスに陥るだけだ。小選挙区制度を導入してからこの国の政治が手の付けられない品質低下に陥った最大の原因は、上の榛葉氏のような小異にこだわって大道を歩けない小人政治家の存在のためである。
他方、与党に結集する人士は、「カネと権勢のためなら<小異>に拘らない」という太っ腹ばかり。これが政治をどんどん悪化させる。これに一段と力をつけるのは、つまるところ「小異」に拘泥する野党が有るからだ。
 


「ブルータス、お前もか?」 とカエサルは言った!

2024年06月11日 07時34分28秒 | 政治
 紀元前44年、古代ローマの大政治家ジュリアス=シーザー(カエサル)は、彼の命を狙う暗殺者の群の中に友人ブルータスの存在に気づき「ブルータスよ、お前もか?」と言ったという。歴史的に嘘か本当かは分からないがシェークスピアの名作「ジュリアス=シーザー  The Tragedy of Julius Caesa」(1589年)の名場面だ。
それまで、心底信じていた友人・知己を自分の暗殺者の中に見つけた複雑な心境が凝縮しているセリフ。この一作、この一行のセリフで永遠の名作になるような「One Phrase」である。こういうフレーズを、全くあてはまらないシチュエーションで使うと一気に抱腹絶倒の笑い話に替わるからそれもまた面白い。
「認証不正問題を起こした子会社のダイハツ工業の立て直しに取り組んでいたトヨタ自動車で、類似した不正が発覚した。6月3日に会見した豊田章男会長は自社の過ちについて<ブルータス、お前もかという感じ>と述べる一方、認証プロセスのあり方に疑問を呈する場面もあった」(2024/06/04毎日新聞)。
「親会社と言えば親も同然、子会社と言えば子も同然」とその筋ではよく言うが、ここに言う「親子」とは慈愛溢れる親と子というのではない。苛斂誅求徹底的な合理的利潤追求の関係においてピンと緊張した関係の親と子の間柄である。おそらく、先にダイハツや日野自動車などトヨタが傘下に収めてきた子会社群が検査不正を国から指摘された時、親会社トヨタはそのメンツにかけて苛斂誅求の責任追及を行ったにちがいない。
その時にトヨタグループの総帥豊田章男会長はよもや「ダイハツよ、お前もか!」とは言わなかったであろう。最悪の評価点を点けて経営陣を「処分」したのではなかったか? しかし今度は自らの足下で不祥事が暴発した。これこそ自身か自身の身内が犯した「犯罪」であって、これはブルータスではない。
上記新聞報道を読んで、これが世界一の自動車メーカーの最高責任者の認識かとあきれるやら驚愕するやら! 加えて、トヨタ自動車以外にもマツダ、ヤマハ発動機、ホンダ、スズキ各社からも不正があったという。遠からず日本は、世界ベスト百社の中に1社も持たない国になるのではないかと不安になってきた。
 


植木屋さんやーい!

2024年06月10日 07時19分03秒 | 政治
 その作品例を見て感動したので、庭の設計から施工・植栽までやってもらった植木屋さんに、爾来、その手入れも兄弟二人にお願いしてきた。その出来栄えもまた大いに満足し、なに不都合なく半世紀の時間が過ぎてきたのであった。
ところが、昨秋になってそろそろ秋の手入れの時期だが・・・と催促の電話をすると、今入院中だという。なんでも「猿も木から落ちる」というように60余年やってきた仕事で初めて脚立から落下して、いま病院に入院中だという。いささか狼狽はしたものの少しばかり放っておいても問題はあるまいから、回復したら連絡してもらうという約束で、以後そのまま年を越えた。
冬が去り日増しに暖かくなってくると庭木の春芽が目立ってくる。先方から何も言ってこないので業を煮やして連絡を取ってみると、怪我で入院中に身体検査をしてもらうとなんと癌が見つかったので、年齢も年齢であってみれば廃業したいという。
さてこうなったら新たに職人を頼まなくてはならない。誰か後継してくれる人を指名してほしいというと、職人気質のこの世界、互いに技を誇っていて、相互に繋がりは無いらしく、一向に後継者の推薦もしてくれない。半世紀にわたって面倒見てきた作品へのこだわりがあるのだろうと判じて、されば自分で後継先を探すしかない。
こう判断して人選に入った。友人・知己が依頼している植木屋さんに片っ端から打診してもらうと誰一人として「引き受けた」と言ってくれる人が出てこない。「いやいや向こう一年仕事が詰まっているので新しくお客さまを増やせない」というのが決まり文句であった。とかくするうちに「緑の週間」ゴールデンウィークの大型連休も過ぎると松のミドリははつらつとしてニョキニョキと伸びてくる。なにしろ一年余にわたって手が入っていないから大木3本とも元気溌剌だ。ユズリハは自信をもって世代を譲ろうとてか?元気溌剌古い葉っぱを所狭しと落としてきれいな緑の葉を広げてくれる。このままジャングルに埋もれてしまうのではないか?と、毎夜毎夜、悪夢にうなされるようになってきた。
知人・知友の電話をかけまくっていくつか紹介や問い合わせをしてくれるなどの親切もあった中で、たまたま寝具の配達に来た親しい布団屋さんに商売違いながら苦衷を語ると、うちの職人さんにきいてみましょう、小グループでやっていて機械化もしているようだから巨木の伐採もできるでしょう、と地獄でホトケ。
そのホトケさんと連絡が取れて訊けば、計画が詰まっているので直ぐにはできないが、今年の梅雨明けぐらいに取り急ぎ分だけは手を入れましょうと、どこやらへ行き掛けに下見に来てくれての「お言葉」。かくてジャングルからの脱出の可能性が見つかったという話。ことほど左様、専門技能者の深刻な不足は待った無しの緊迫状況に陥っている。政府のきめ細かい人材養成計画が必要だが、東京の超高層ビル群に埋もれてコンピュータ上で政策を考えている厚労省では、はかばかしいソリューションが見いだされるとも思えない。いま、この国は、足元で深刻な人手不足の危機にあるということを今更に身に染みて学んだ一件であった。