日々是好日日記

心にうつりゆくよしなしごとを<思う存分>書きつくればあやしうこそものぐるほしけれ

「国際卓越研究大学」~「ジャ」と出るか?、「ヘビ」と出るか?

2024年06月20日 07時43分32秒 | 政治
「文部科学省は1日、世界トップレベルの研究力をめざす『国際卓越研究大学』の初めての認定候補に東北大を選んだと発表した。大学変革に向けた計画と戦略が明確で、その理念が全学に浸透していることが高く評価された。東京大や京都大など他の9大学の選定は見送られた。東北大は来年度中に正式認定された後、政府がつくった10兆円規模の大学ファンドから支援を受ける見通しだ。この制度は、政府が巨額の資金を投じて国際競争力のある大学づくりを後押しし、低迷が続く日本の研究力を底上げしようというもの。今年3月までに国立と私立の計10大学が応募。国内外の大学や企業の関係者10人でつくる文科省の有識者会議が4月から審査してきた」(2024/06/15 朝日新聞)。
大学に期待する成果は、世界中で過去に誰も気がつかなかった「未知の世界で起こっていた事象」の「発見と認識」である。そんな「大事件」との遭遇はそもそも何か企んでできるといったものではない。困ったことに、お金(研究費)が沢山あればその発見・発明の機会が増える訳でもない。ただただ、幸運との遭遇を期待しながら歩きかつ探して必死に生き続けるしかない、というものである。それゆえに研究者は夢の世界に居て、孤独に何かを探し続けるしかない、盆も正月も無くただただ孤独に探す、というもので。
上記記事から分かるように、文部科学省が企図した「国際卓越大学」というのは、そういう学術の原点に立ち返って企図したものということでは無いらしい。世界の一流大学が持っているような設備や施設を持つ潤沢な予算をもつ大学を何校かつくろうということに過ぎない。それを「卓越」とは言わないはずだが、そう呼ぶことにしたということでもあるらしい。
言いたくないがこの企画は必ず失敗するだろう。筆者は、「掛金」はゼロとしておくが、それでいて本気で「成果ゼロ」に賭けておこうと思う。こうして「卓越大学」を何校かノミネートした結果として歴史的に間違いであったと気が付いた時には、日本中の他のすべての大学や研究機関や研究者たちは必須の予算が減額されて見るも無残なレベルに陥っていることであろう。「一将功成りて万骨枯る」というわけである。
この東北大学ノミネートの行政判断について心から残念であると地団駄踏んで遺憾に思っている。東北大学の栄光の歴史は、あえて「国際卓越研究大学」と言われなくても世界に卓越した歴史を発揮してきた。偉大な発見や発明は金によって買えるものでは無かったからである。しかし、この「指定」によって、ウソでもヒットを打たなくてはならなくなった時、「学へのあこがれ」は委縮し、思いたくないが盗作や成果捏造等々瀕死の状況を呈することがあるかもしれない。
 


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