日々是好日日記

心にうつりゆくよしなしごとを<思う存分>書きつくればあやしうこそものぐるほしけれ

富士山に登山鉄道という山梨県知事の蛮勇

2023年11月30日 07時52分03秒 | 政治
 「宝永山噴火」は、1707(宝永4)年12月に起きた富士山歴史上直近の大事件であった。爾来316年、富士山噴火は統計的に300年間隔程度で起きているから、すでにいつ何時これが破裂し噴煙を巻き上げ始めてもおかしくはない。季節にもよるが富士山周辺の気象は年間を通じて西風がほとんどであるから、一朝お山が火を噴き出したら、まず間違いなく大空を埋め尽くした膨大は粉じんはお山の東側一帯、相模の国から武蔵の国大江戸へと降り注ぎ、噴火の規模が宝永山噴火規模の中小型噴火であれば江戸の町々は2~3センチ程度積もる火山灰で埋め尽くされる。東京の都市機能は甚大な被害を被って無能化し、1400万人の民は生活基盤を失って難民と化すことでござろう。
幸い筆者の住いは富士の西側20Km、まず被害はなく、それより陋屋から夜な夜な燃え上がる火炎を眺めながら「玉屋!」とか「鍵屋!」とか叫んで、大自然の火祭りを堪能することになりそうだ。それを見てからあの世へ行こうと最近心に決めたので、噴火は早く来ても遅く来ても結構だ。
そんな富士山に、山梨県知事長崎幸太郎氏はLRT(次世代型路面電車)を敷設して「富士」を愛する「世界」の人々に乗っていただこうと言い出し、過日11月24日には地元富士吉田市で、同市民を相手にその構想を披歴する集会を開催し、会場を埋めた満員の人々は賛否入り乱れて大いに盛り上がったという。
当然のこととして会衆から噴火に関する質問が出たのだが、「長崎知事は噴火時の避難対策を尋ねられると、5合目の駐車場などを埋め戻し、その下に造る施設をシェルターにすると説明。『安全確保は、いろんなケースを想定しながら考えていきたい』と答えた」(2023/11/25朝日新聞)という。なかなか「自力潔斎」志向の強い人らしく、勇猛果敢に噴火と一戦交える覚悟と見たが、大自然をなめているようにしか筆者には見えないのが怖い。
大自然の力に対しては謙虚になって、この「構想」はお山に近々起こるであろう噴火が終息してからにして頂きたいものである。その時、お山の美貌が衰えなければの話だが・・・?
 


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