日々是好日日記

心にうつりゆくよしなしごとを<思う存分>書きつくればあやしうこそものぐるほしけれ

大相撲の年六場所が「暴力」の淵源では?

2024年03月11日 07時38分08秒 | 政治
 「大相撲、幕内の北青鵬が弟弟子に暴力行為を行ったなどとして、日本相撲協会のコンプライアンス委員会が、北青鵬については引退勧告、師匠で元横綱・白鵬の宮城野親方については現在の委員から最下位の年寄へ2階級降格と報酬減額の処分案をまとめたことが関係者への取材で分かりました」(2024/02/22 NHK)。
「春を呼ぶ」の常套的接頭語の付く「三月場所(春場所・大阪場所とも)」が昨日10日から始まった。一月・二月は暖冬陽気で過ごし易く、今年は春が早いぞと喜んでいたのだが、三月の声を聞くや春が日本列島から遠ざかっていくかのように寒い日が続く。こんな陽気と連れ立つように、大相撲も正月・初場所は久しぶりに出場の「照ノ富士」関が横綱に相応しい強さを見せつけて順当に優勝し、関脇琴の若の進境著しい活躍もあって一年の始まりは快調だったものだが、ここへきて一転して急落。上の如き一向に止まない暴力事件を内容とする不祥事が続発して出鼻をくじかれた。「春は名のみの風の寒さよ」と「早春賦」の歌が聞こえる。
実は、大相撲内部での暴力事件はこれに限らず常住枚挙にいとまが無い。日常的に起こっているというのが本当らしい。そして、無理もない。年6場所と巡業興行は、相撲さんたちにとってあまりにも過酷に過ぎないか? しかも常に星取表が激動する不安感。
落語「花筏(はないかだ)」の時代のように「青天十日」とせよとまでは言わないが、年3本場所に巡業というくらいがお相撲さんの健康、特に心の健康に宜しいのではないだろうか? それでは経営が賄えないというのであれば江戸時代と同じように一場所を「晴雨10日」の興行に短縮するとか・・・。
ひとたび怪我をすると、その故障が回復を果たせないままに次の場所が始まってしまい、一層障害が進行して選手生命を短縮してしまう。その精神的圧迫が、力士たちの精神を圧迫し、暴力を刺激して相撲道からはみ出してしまう。この悪循環が、止まない暴力連鎖へと繋がっていないか? 
幼少年期からこの相撲道以外の道は無いとまで人生を定めてしまった、あるいはそのように故郷の人々から過剰な期待を受けた若者にとって、人生初期における失敗はその後の生き方に苦難が待っている。冒頭の例における北青鵬にとって、人生設計のやり直しをいかに図っていけるのだろうかと、道幅の決して広くはない相撲「道」を踏み外したり、転んだり、怪我をしたりした人たちのことが心配でならない。
世論を喚起したい。