日々是好日日記

心にうつりゆくよしなしごとを<思う存分>書きつくればあやしうこそものぐるほしけれ

「でっち上げ 捜査猛々しい 控訴」

2024年01月17日 07時47分43秒 | 政治
 「表題」は、1月13日朝刊「朝日川柳」掲載の一句だ。言わずと知れた「軍事転用可能な機械を不正輸出したとして逮捕・起訴され、後に起訴が取り消された機械製造会社大川原化工機(横浜市)の大川原正明社長(74)らが国家賠償を求めた訴訟で、国と東京都は10日、計約1億6000万円の支払いを命じた2023年12月の東京地裁判決を不服として、東京高裁に控訴した。同社側も控訴した(2024/01/10東京新聞)」という一連の控訴合戦の片方「国と東京都」を揶揄した川柳一句である。(https://blog.goo.ne.jp/genyoanki/e/4bda3ee02f8007d9de9fd17b64b5131f 参照)
「でっち上げ捜査、猛々しい控訴」とは、庶民が抱える不満のはけ口として、どうにも勝てない強者相手の空しい反抗としての「川柳」には大いにふさわしい題材である。ここで川柳子が揶揄の相手は、霞が関でも名うての権力官庁=経済産業省、加えて現代の「岡っ引き」官庁たる警視庁公安警察を組織内に持つ東京都が、その丸つぶれの「面子」に多少の色彩を盛り付けようというが為の「言い訳」訴訟であろう。さりながら川柳子にとっては、「堕ちた犬は打たねばならぬ」の精神によって一筆を言上げしたものに違いない。
上の新聞記事は、「大川原社長側も控訴『冤罪の真相を明らかにして』と題して、上訴された方の大川原化工機㈱側の反応を載せていて、「訴訟では、警視庁公安部の捜査員が証人尋問で『(事件は)捏造(ねつぞう)』と証言したが、地裁判決では言及がなかった。同社側の代理人弁護士は取材に、控訴の理由を『警視庁と検察から謝罪がない。冤罪の真相を明らかにすべく、立証を尽くしたい』と話した」(上掲)とある。
獄舎で見つかった癌の治療も許されないまま獄死した同社顧問の相嶋静夫さんの鎮魂のためにも裁判所はしっかり裁いてもらいたい。東芝機械事件等々先例にも拘らず、いたずらに得点をあげつらうことで、その存続を謀ろうとする公安警察への「一罰百戒」のためにも高裁は地裁判決をなぞるだけではない「厳格な審理」を尽くすよう望みたい。