現代文化の快楽

60年代に東大の文系・理系の大学院生がコラボして、他大学にも声を掛けて、横断的に作っていた現代文化研究会へのオマージュ

棺に釘(三)   ハマスの二百発のロケットとガザ地区百ヶ所*の爆撃      

2014年07月11日 | 随想録

* 朝日(7/11)によれば、ロケットはエルサレムに着弾したものや核開発地区を狙った(ハマス声明有り。)ものを含めて100発、空爆は4日目の10日までで550か所とされる。

 

安倍総理大臣閣下の祖父の岸と東条) 

 

中国の日本に対する現段階での挑発行為は勿論、南アジアでの侵略行為より流石に本格的ですが、アメリカの力が衰えた上にリベラル派のオバマ大統領では、ネタニヤフ氏を止め切ることは出来ないようです。オバマ氏はイランとの妥協を図り始めたばかりだから、タイミングが悪いが、ハマスもそこは計算に入れて攻勢を強めている。

元を正せば、日中問題同様に、イギリスが、己の身に直接被害が及ばなければ、アングロサクソン以外はどうなっても良いということで、碌でもない戦後体制を作ったことの後遺症でございます。

イスラエルとハマスとは、文化レベルが高いユダヤ人国家と、捨て身のアラブ人武装集団とだから、正規戦争ならば力の差は明らかだけれども、それに踏み切るのは容易ではないし、オバマ氏にしてみれば、今親アメリカ諸国が新たに戦端を開いたり戦線拡大することは、止めて欲しいでせうね。

国家の性格を見れば、アメリカが最後まで信用できるのはあの界隈ではイスラエルだけだから、ネタニヤフ氏が地上軍進攻に踏み切ったときに、いくら肌が合わないオバマ氏でも、間接的には支持せざるを得ないでせう。

さて日本国民から見たらどうか?安倍氏はどこに海軍を、次いで地上軍を派遣する構想を温めて居るのでせう。東条と違って、現段階では人的資源が無尽蔵というわけではないから、良~く考えなはれや。(蛇足参照)

 

(蛇足) 集団的自衛権は、取りあえず「外務官僚」に、金に次いで交渉の武器を与えたもの。国益よりは、念願だった大いなる「省益」なのだけれども、おめでたい安倍さんにはそんなことは分からず、すっかり有頂天になっているのみでございます。

蛇足の蛇足 今回の実質改憲(一種のクーデター)に比べたら、徴兵制は、遥かに簡単に閣議決定できる。 「兵役」は憲法18条の「苦役」に該当しない。見方によっては、憲法論争の盲点に入って居た。原発の大事故と同じ。

其のマタ蛇足  戦争は、アレキサンダー大王でもジンギスカンでもナポレオンでも、少なくとも兵員を食わせなければ成り立たない。東条は徴兵徴用した軍人軍属の戦没者210万人(230万人という統計も有る。)の内2/3(或は60%強)の内実に140万人を外地で餓死させている。これは、人類史上最悪最凶の軍事指導者だったのではないか?

更なる蛇足 写真の下の見出しは、「西郷派大東流」と名乗る或る合気道団体のサイトの記事へのリンクになっています。そこでは、詳しい内容は読んで居りませぬが、一見して、敗戦に至るプロセスについて、天皇や文民と東条の役割について、或る程度20年代初頭に日本国民が受け取った常識的な見方を述べて居るようです。愚としては、ここでは、上の極めて象徴的な写真(他にも数葉掲載されている。)の借用元として敬意を表するに留めまする。


棺に釘(二)    ベネッセと個人情報

2014年07月11日 | 随想録

 (禁酒法で廃棄されるアルコール 1929 アメリカ)

 

通信教育業者(変な商売だ。)だというベネッセから、小学生一人分は15円ということだが、ジャストシステムというこれも教育業者†に4千万人にも及ぶという個人情報が常套的な「ロンダリング」処理を経て「盗品故買」された。

単純に社会現象の力学として考えれば、個人情報もやたらと隠したがるから、その反動として「実態として」、金銭化された「大規模流通」の対象になった。「禁酒法」と同じように見えまする。‡

個人情報管理に、病的に神経質な(振りをして?)苦情を言って来るのは、精神を病んでいる人でない限りは、左翼系の人が思想か政治的思惑かでそうすることが主だったので、時期の遅さに些か不審が有るが、保護法案を推進したのは共産党辺りかと思って居たら、実際には、政府が法案を出した時は、巧妙に目的がすり替わって居たのですね。

ネット記事も共産党の言い分(当時の参議院での討論)も、100%信じるべきでは有りませぬが、(嘘は吐いて居なくても意図的にか能力の限界でか触れないことが多々有る。若山「教授」の例も真新しい。いやこの人の場合間違ったことを会見で派手に宣伝しまくった後、流石にネイチャーには白状したものの、仲間にも社会にも、まるで組んでいたようにさえ見える毎日の女記者―但し彼女の場合真相を聞いた上で純朴無類な(?)若山氏に口止めして居たことも有り得なくはない。―等にも口を噤んでいたのだから、もう少したちが悪いかも知れませぬ。)当時気付かなかったことやすっかり忘れてしまって居ることも多いものだと思いまする。

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† 四国のコンピュータソフトの会社だが、「一太郎」という一頃大繁盛したワープロソフトの本拠だったという。それならば慶応の管理工学研究所なる物をやって居た関根智明氏と協力関係に有ったはずだと思ってネットで当たってみたが、ライバルだったと言う情報しか出てこない。学会発表も有ったと思うので或る時期開発や院生の小遣い稼ぎ等の何らかの委託を受けた提携をしていたのでないか?今回知ったことだが、日本のソフトウェア業の草分けの一人と言える、つまりは「世俗系」代表だった関根氏は、2010年没だった。享年83歳 合掌

‡ 粗雑な論理で恐縮なれど、愚が大学で十代の終わりに真面目に若手の一流研究者達から習ったマルクス主義も経済学も、いくら哲学や論理学や数学で見栄えを飾っても、本質はこの程度だったような。

 

※ (蛇足) ベネッセは単に「だらしなかった」だけかも知れませぬが、ジャストシステムの側は本来コンピューター・ソフト業界の老舗で、プロ中のプロも擁しているだろうし、自社情報の漏洩防止も万全だった筈だ(昔のこの業界など産業スパイが最も横行していた場所)。それ故この個人情報の「素性」が、分かって居なかったなどということは金輪際有り得ませぬ。

蛇足の蛇足 その道何十年の有名骨董屋が、国宝級の品物を買って、「合法的に入手されたと思って居た。」と嘯くのと同じ。 けえさつがあほでも日頃の付け届けがよっぽど多額でない限り、見逃しませぬ。