現代文化の快楽

60年代に東大の文系・理系の大学院生がコラボして、他大学にも声を掛けて、横断的に作っていた現代文化研究会へのオマージュ

中国(四)   マタマタ尖閣周辺が領海だと主張

2014年11月27日 | 随想録

 書棚を見ると、数学書や科学書だけでなく文系の書物も相当に混じっている。
(写真は暫定版。しかしこのままになるかも知れませぬ。)

 

10月23日(「帰国しました」)に書いたウ博士(写真)は、古い計算機科学者以外はもう知る人は無いでせう。しかし愚が知り合ったアメリカ人では、最も知的に優れて居た人の中でもトップクラスです。

(我々はチューリング賞受賞者のマッカーシー、ミルナー等と日常的に学問以外の様々な事についてもよく議論していた。無論そう言った受賞者の専門分野での功績・業績・知力は第一級だけれども、総合的な知性、博識、洞察力というのは、また別ですから。)

一つのポイントは、この人は理系学者の中では、むしろ珍しい「ヤンキー」であることです。

          _____________

その彼の見方。

「オバマは、尖閣問題を含む中国政策でもイスラム国対策でも、自分では何も決断できない。

「しかしアメリカは、結局は、イスラム国に勝つだろう。」

今回、地上軍派遣を主張するグループを代表して居ると見られる国防長官の更迭は、ヤンキーにとってはいかにも煮え切らぬ(そのくせ健康保険を筆頭に国内問題では突っ走る。)オバマらしい苦々しい遣り口でせう。

           _____________

さて、世界史レベルで見ればイスラム国の方が深刻かもしれませぬが、我々にとっては、やはり尖閣のほうが気に掛かりまする。一昨25日漁船でなく3隻の公船(水上警察、海上保安庁、農水省の船と同格でせう。)を尖閣の日本領海内に侵入させた上に、日本外務省の抗議を、「中国の主権行使に基づく活動を妨害するとは怪しからん。」と一蹴した。

「怪しからん」と言いたいのはこっちだけれども、自衛艦派遣を「匂わす」ことも、今回は牽制になる(数十年前に先例有り。)よりは、むしろ中国海軍を呼び込むのが怖くて、直ぐには踏み切れないのだという。

しかし、計画的にこちらの隙を探り、上陸、占領(見掛け上は漁民による実質支配)を狙っていることは見え見えです。

翁長氏の当選も、中国の覇権拡大・侵略準備行動を助長したことは明らか。尖閣どころか沖縄の属領化を本気で計画して居ることも、我々が天安門の中に居る立場だったら、国家に対する義務だとさえ思うかも知れぬほどに、無理からぬところでございます。

           _____________

流石に、ここまで来ると、一時は将棋系ネットでも、筆力のせいも有ってむしろ優勢だった親中・平和論者は、静まり返って居られる。しかし、無論、ことは将棋系掲示板の小競り合いの次元では有りませぬ。

日本の外務省、或は政府そのものは、ここまで露骨に挑発されて侵略の気配が濃厚になっても、中国の出方よりは、オバマ、或は米国の意向や動向を窺うことに必死でございます。

ま、それは、もう暫く様子を見るとして…

           _____________

安倍総理についてでございます。折しもこの人の私的思惑による選挙になるところですが、

この人は、「時局柄」、日本のリーダーとして、功罪相半ばするやもしれませぬ。

  1. 野蛮で強引で無礼な外敵に対抗するためには、インテリではだめで、頭が少しか大分か悪い人間の方が丁度良い。
  2. そもそも日本の選挙民は、真のインテリを指導者に選びたがらない。
  3. 財界、官界は言うにや及ぶ。
  4. それにしても安倍総理は、日本語の発話に重大な欠陥が有る。恐らく典型的な女子短大卒業レベルの学力なのだろう。こういう人が総理大臣だということは子供の教育上は好ましくない。
  5. その一方で、学業や美しい日本語の話し方などは二の次にして、粗雑な学力で済むか、むしろその方が「弾」同様使いやすい兵隊さんを育てるためには、向いているかもしれぬ。
いずれにせよ、我々日本国民は、安倍氏かそれと似た程度の人を総理として戴き続ける運命でせう。それらの人は、政財官界の主流がなべてそうであるように、別に我々ほど日本そのものを愛しているわけでもない。

が、それは仕方有りませぬ。
          _____________

しかしながら、それでもなお、特に安倍氏が、そうすることで日本の国際戦略上、大分違う筈だと思うことがございます。

それは、少なくとも総理大臣の間は、靖国参拝をしない事。

というのは、中国政府や朴大統領府による宣伝は明らかにためにするものであることはともかく、他の大東亜共栄圏諸国でも、西欧の旧交戦国でも、靖国参拝とその都度記者団に対して為される本人の粗雑極まりない主張ないし意見表明は、決して理解されず好感を持たれないだろうから。

つまり、彼は、そのことによって、日本国の国家としての友を失なわせ、政策の理解者を離れさせている。

彼は、今の日本が、対中朴包囲網を作らねばならぬ大事な時に、仲間になって欲しい諸国にまで、精神の在り様を疑わせている。その損失は深甚です。
          _____________

象徴的に見れば、慰安婦だって東条の責任になるのだから。


いや、全てを東条のせいにして、現代と将来の日本人は、責任と負担を免れるのが賢い。


それは西ドイツが取って大成功している、「あざとい」とさえ言える戦略だから。

   

 


中国(三)  赤珊瑚 

2014年11月20日 | 随想録

 宝石珊瑚専門店のショーウィンドウ (ベッキオ橋 フィレンツェ)


この店のショーウィンドウ、人生で何度も見たけれども、買ったことは有りませぬ。

しかし、絶滅の惧れも有りそうなのに、中国密漁船が乱獲しているというから、金と暇がある人は、赤珊瑚が無くならぬうちにフィレンツェはともかく香港位に行って、小笠原産の密漁物を手に入れて置くべきかも知れませぬ。(日本に取り戻す クロマグロと違って遺るだけ良い。)

珊瑚と言うと、母の遺品というイメージが有り、何となく時代遅れのようにも思って居たけれども、もしかしたら、今度の一件を切っ掛けにして急に流行り出すような、本来は良いことの筈だけれども、なにか不吉な予感もしまする。

          _____________

専門家によると、珊瑚産業は、乱獲、地域で絶滅、新地域発見、乱獲、その地域で絶滅の繰り返しの歴史なのだそうでございます。

密漁中国船は怪しからんし、追い出すなり拿捕なりすべきだけれども、乱獲と言う点では、元々日本人も実は碌な事をして来ては居ないということなのですね。

クロマグロも同じ。

 


中国(二)  習氏の非礼

2014年11月16日 | 随想録

 

 (朝貢外交以下の無様で情けない光景)

 

習氏が安倍総理の差し伸べた手を拒み、再度求められて初めてソッポを向きながら握手に応じたのは、歴史に残すに値する非礼な映像になるでせう。

世界の人がどう見るかはともかく、日本人は未来永劫この映像を繰り返し観るべきでございます。

       ______________

しかし次の二つのことも、日本人として、同時に銘記すべきでせう。

1. 先ず、こういう時にいつも流される、「相手側は、国内向けにアーユー態度を示さなければならなかったのだ。」という説明の嘘。

これは外交上の失態や失敗、屈辱を糊塗するための、日本独特の、外務省や外交評論屋の常套的な虚偽説明でございます。

習氏自身に日本の総理への一片の敬意が有れば、あの態度は有り得ない。彼は独裁者ではないが、独裁政権の長なのだから、国民の目でなくて、見て居るならば世界の目でございます。

一見訳知りっぽい「物分かりが良い」だけの国内向け説明をいくら続けても、外交は出来ませぬ。

2. 習氏から見て、安倍氏と握手するのは、ナチス本流の末裔で、しかもヒトラー等を「これ見よがしに」祀っている施設の最も熱烈な尊崇者と握手するようなものだということ。

これは、ホンネとしても無いこととは言えますまい。 昭和天皇は、仮に東郷神社や乃木神社に東条等が合祀されたときにどう遊ばされたかは分からぬが、少なくとも靖国合祀は靖国を汚したものと思われたことは間違いありませぬ。

(これについて侍従某の記録が公開されたとき、櫻井よしこ[本名良子 奇しくも美智子皇后を苛め抜かれた先代皇后と字は同じ。]と皇室評論屋の神田某が動顚していたことは未だに鮮明に蘇りまする。)


中国(一)   スケート事故に思う

2014年11月16日 | 随想録

衝突事故で負傷した後の羽生の演技を、中国人男女アナウンサーが感動的な賞賛をしたニュースは、気持ちが良うございました。

しかし、ついでに気になったのが、「演技の間アナウンサーは黙って居たが云々」という日本人アナウンサーの口上。

「音楽付の演技の間は、喋るべきではない。」というのは、愚の信条でございますが、今回のことで図らずもそれが中国の(そして恐らくフィギュア伝統国の)習慣であることが確認できたのではありませぬか。

中国のアナウンサーは、羽生だったから黙って居たわけではないと思いまする。恐らくそれが当然の常識かマナーになって居る。

そうだとすれば、日本の方が格段にレベルが低いことになりまする。

          _____________

仲畑萬流に

〇 ジャンプの名だけ叫んでる解説者 (失名氏)

という作品が有りましたが、フィギュアスケートが音楽と一体で完成している物である以上、演技中は静かに楽しむべきもので、そうしない放送は、未開、野蛮、無教養、解説者或は広く体育関係者の精神の貧困を表しているものだと思いまする。※

日本では副音声の放送が出来るのだから、「ジャンプの名を叫ぶ」のはそれに委ね、、主音声は、演技中沈黙を保つべきでございます。

それが正しい態度であることの何よりの証拠は、オリンピックの記録映画では、演技中にこの種の「雑音」を入れるような監督は居ないことです。

 

※ 選手に対するリスペクトを欠き、視聴者を馬鹿にしている。