現代文化の快楽

60年代に東大の文系・理系の大学院生がコラボして、他大学にも声を掛けて、横断的に作っていた現代文化研究会へのオマージュ

或るソプラノ歌手への手紙(1)  ‥コロナ禍とつくば市の文化芸術行政

2021年08月21日 | 開陳

【加筆】 加筆して、読みやすくするために字体を分けたり節を入れ替えたりしました。(8/21 朝)《小雨》、及び(8/22 月朝)《曇り》

ファイル:The Sirens - Edward Burne-Jones (1875).jpg

The Sirens - Edward Burne-Jones (1875)

 

トピック(シリーズ)への序文

X嬢へ

    ・・・そして音楽愛好家を含む文化芸術関係者と一般読者へ

 

本記事の核心は、学術・文化(およびその執筆準備・予告)に特化した私の別ブログの『一調一歎 ‥筑波倭楽園にて』(2021に刊行した拙著『グレーターつくばのファウスト(第一部)』の準備のため2016開設し、間もなく一旦休止。)に書く予定でしたが、現在―――――みずほ銀行でしばしば起こって居るようなシステム不調で―――――更新不可能になっているため、暫時、本ブログ(2012開設。2017更新休止。)を再開して掲載し、前者の回復を待ち、状況を見た上で、各位から寄せられたコメントも併せて全面転載して移行する予定です。

したがって、これからの記述は、前者の性格として従来からそうだったように、当然将来の拙著草稿・学会発表・関係機関への通知や報告や提言等の心覚えにもなりますが、それ以前に本ブログに掲載すること自体が、英語でないから読者の範囲がたかが知れて居るとは言え、全世界で、少なくとも日本人には読めるわけなので、団体や個人の名前が関係者以外には直ちには明らかにならないように工夫し、亦そのために内容も婉曲に述べることが多くなることは予めお断りしておきます。

それとも絡み、皆様からのコメント投稿は、従前通り自由とし、大いに歓迎しますが、意図しないところで、最近ネット記事については、不心得な投稿家の悪用に対処すべく―――――全く迷惑な話ですが―――――最高裁判例に基づき拡大されつつある名誉毀損罪の適用対象にされぬよう、各自でお気を付けください。

一方で、旧東大現代文化研究会に因む本ブログの本来の性格に即した偶感や異説を挟むこともあると思うので、それらについても以前の様に闊達で、ときとして辛辣な、コメントを歓迎します。

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少しだけでも本論に入って置きましょう。

「コロナ以後」という言葉は、現段階では虚しいものが有り、仮に数か月後に或る程度終息したとしても、従来とは文化芸術活動の在り様は大幅に変わるやも知れません。つまり将来構想を今建てるのは困難になって居ます。

その一方で、コロナ禍で会議や集会が開けないことを好都合と捉えているとまでは思いたくありませぬが、市民(住民)不在で、様々なことを推進しようとする動きが、つくば市を中心とするコミュニティでの文化芸術行政の中で漸く顕在化しつつあるかに見えることは、文化関係者として大いに危惧せざるを得ない状況となりました。

私は、この事態を――――清貧に安んじ地位を望まなかった学者としては稀な瑞宝中綬賞という高い叙勲を受けたことの幾分かの要素にもなっている――――自分の半世紀近い当コミュニティでの努力が否定されるだけに止まらず、それが水泡に帰し兼ねぬ危機と感じ、止むを得ず本来の専門のAIと、第二の専門のコミュニティ振興学――――この程つくば市の或る会議の席上で明らかにしました。――――の立場から、やはりコロナの猖獗で行動には多大な制約が有りますが、グレーターつくば に関わる文化芸術行政等の調査に着手しました。

申すまでもなく、コミュニティの文化を支える者は、多年に亙って血の滲むような努力と地を這うような苦心を続けて活動して来ている文化的に優秀有能で勤勉な市民(コミュニティ住民)であり、政治家(自治体首長・幹部・地方議員およびグレーターつくば を選挙区とする国会議員 )やお役人達はそれに関心を持ち、尊重し、奨励・支援すべきです。

しかしながら、調査に着手したばかりとは言え、これまでのところ、当コミュニティのこれらの職業の人達の中に「コミュニティの文化的発展を指導するビジョンを持つ」者はおろか、「市民と文化意識を共有する」者さえ、見いだせなかったのが実情です。無論私達「学者」の側にも、筑波大学に専門の教員が居る体育と美術以外の分野には、どの程度の人材が居るか心許ないのが、1976年の学園都市移住以来この件に邁進して来た私の寒々しい実感であることも否めないのですが。

(蛇足)偶々二人の茨城県知事候補者の公約を朝刊で読んだところ、京大卒の新人には、文化の香りが皆無とまでは言えぬが、両者とも「文化」に言及無し。(soured 文化は票にならないからか。)

【表記について】 文化行政に関わる話は上の様にゴシック体で記し、以下のような音楽関係のやや詳しい話は、明朝体で記します。(但し例えばiPADで読む場合がそうですが、ブラウザーに依っては別の字体に変わることが有ります。) 前者のみへの概略的な関心を持つに止まる読者は、後者を読み飛ばされても構いませぬ。但し、文化活動の実態については、その部分に浮き彫りされているものもありますから、背景・概観を知る上でもざっと目を通されても無駄にはならないでしょう。

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† 呆れたことの一つであるが、調査を始めたばかりなのに、つくば市議会議員や国会議員の地元秘書で、グレーターつくばを知らない者に多数出会った。

 例外的な先覚者は、1976発足し、筑波大学の主催イベントとして校費(国費)を使い大学の事務組織を動員して大学会館で1992迄の50回に亙って開催された学園都市音楽会の創設者達-――――中心は東京教育大から移って来た助教授・講師層だった――――である。

【付記】 私の近著『グレーターつくばのファウスト』(表紙と挿絵は池田由紀子さんにお願いした。なお総合サイト『グレーターつくばのエスプリ』にも関連記事が有る。)で一言だけ言及した1993設立・創設のつくば音楽団体交流協議会(※)とムジカフェスタ(※)はこの学園都市音楽会を発展的に継承したものであったが、私を含む創設者達の構想を果たしたとは言い難い。残念なことにむしろ次第にソロ奏者や器楽奏者が出演しにくくなり、事実上〝合唱祭〟になって――――依然として県南・県西の40余団体が加盟し、7、8百人が出演する全国にも誇れる大音楽会ではあるが。――――当初目的から見ても、演奏ジャンルからも大幅に矮小化してしまっていることは否めない。

(※)ご注意 これらのサイトは何故か最近ウィルス対策ソフトとして定評ある〝ノートン〟で危険サイトとして一回遮断されるようになりましたが、担当者によると原因不明で、障害・被害例も無いとのことです。私は担当者を信頼して、構わずアクセスして居りますが、皆様には事態をお知らせし、ご説明しておきます。

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X嬢へ

前言 (私宛てのメールについては、他の方も同様にご理解願い度。)

数日前にコロナ禍で大いに悩んで居られると見られるメールを携帯電話に頂きましたが、その痕跡に気が付いたのは、例によって大分後になってからでした。

当方は、今春から、時勢柄止むを得ずiPhoneに変えましたが、機能・操作の設計センスが全く合わず、メールも返信、保存、転送操作時にほとんど消えてしまいます。

携帯電話のメールの着信には日頃あまり気付かない生活スタイルなので、以前から皆様にお願いして来た通り、私宛のメールはPCアドレスの homer×××に願います。携帯アドレスの kindai××××は当方と予め外で会見予定が有る日や、エラー対策等のため、あくまでも補助的にCC先として添えるに止めて下さいますように。

このことは以前から度々申し上げていただけでなく、先日も一度お伝えしたつもりでいたものの、その後再送信もないまま過ぎておりますので、正確な対応は出来かねますが、これを機に、お話しして置いた方が良いと思うことも大いにありますので、時間を見ながら、少しずつ書くことにいたします。

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些か唐突で不躾に感じられるかもしれませぬが、ここで貴嬢 に対する私の評価を端的に述べることをお許し下さい。

  1.  貴嬢の茨城県西に於ける芸術音楽の演奏普及教育活動実績は卓越して居ます。
  2.  特に独唱・独奏の領域に於いては多くの優秀な或いは有望な住民を掘り起こし、演奏発表の機会を提供して来られました。
  3.  つくば市中央部に於ける私の主催イベントにも、自ら出演されただけでなく、県西から一部県南部の多くの人を紹介されました。
  4.  私自身を含めてつくば市や土浦市・阿見町等のグレーターつくば在住の演奏者を県西・県南のさまざまなイベントに招いてくださいました。
  5.  得難い経験だったのは、高齢者施設の慰問演奏や大規模なカラオケ・コンサートへの出演で、流石に私は後者にも生の伴奏ピアニストを連れて行きましたが、私自身の研究(音楽情報学・AI演奏・AI伴奏)の参考にもなりました。
  6.  私が主宰している近代詩曲の会として、笠間の日動美術館でのコンサートを複数回行って、満席と併せ音楽芸術上の成功を収めました。これは県央部であることでも有意義でした。

    こうやって見ると、レベルの高い音楽演奏者の広域交流の発展という観点からでは、貴嬢に並ぶ推進者は、このコミュニティにはなかなか見当たりません。

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