どうも役に立たぬようでございます。地下水遮断のための凍土壁の費用320億円。
「アルプス」という実しやかな名前の三重水素―トリチウム―除去装置に至っては、現段階で次から次へと隠しきれずに伝えられる不具合から見ると、もっと成功の見込み薄だが、建設費10兆円、運転経費総額で8兆円とされる。例によって東電は金額を秘密にしている。そのままで現行法上電力料金に上乗せ出来る筈はないが、ここに安倍・官界・財界とポチの公明党が協力すれば何でも有りになるでせう。
なお、くだらない参考でございますが、「アルプス」のミニチュアは7億円で福井県の普賢(その後廃炉)で一か月2000万円程度の費用(人件費別)で一応働いていたらしい。
これと比較して見ると理研の800億予算も、100年分でやっと8兆円になるのだから、それが果たして大きいか小さいかにも、様々な見方が出まする。如何に原発の焼け太り利権に、日本国内でなく国際的にも巨大な旨みが有るかも良く分かりまする。念のためなれど、この巨額は廃炉の総費用には全然及ばない。そのままでも問題無いと言う学者†も居る三重水素の処理だけで18兆円も掛かるのでございます。
恐らく理研で、結果として人類の物質的福祉に有用な研究成果と、知的精神的に有意義なそれとを合わせても、全体の産物の百分の一と無いだろう。ただ知的研究の歩留まりは元々そう高いものではないから、そのことだけで理研を非難するわけには参りませぬが。
(蛇足) 学者や研究者の場合でも、世界と付き合っていれば、日本人―にかぎらないがそれは扨て措き―の個人の能力など会ってみれば殆ど一目で見抜ける。しかし今回多くの日本人が、敗退が決まってから急に悪く言い始めた(反省しはじめた)サッカーの日本人トップクラスの選手達のように、何らかの金や思惑や盲目的な期待で作られた虚像に騙されて、それが客観的に見えて居ないことが随所に有る。
蛇足の蛇足 理研の問題も、若山氏には小保方嬢か、笹井-小保方ラインに対するコンプレックスが有ったらしいことが、同氏が疑念を持った後も小保方ノートをチェックどころか一度も見る事が無かったことの言い訳(何と厚かましい責任逃れだろう)にさえも使われている。
其のマタ蛇足 理研問題も、サッカーも、更には大東亜戦争時代に大日本帝国の指導者(東条と岸信介ら)と臣民(「臣 吉田茂」らから愚らの家族レベルの民草まで)がやった(やらされた)さまざまなことも、優れて日本(人)的なものかも知れませぬ。
更なる蛇足 以前にも書いたことが有るかと思いまするが、東電には関東軍と似ている面が有りまする。特権的な武力の代わりに金力を使って、中央政府や国民の目の届かない所で好き放題やって来た。あの勝俣は、東条(「支那事変」時に関東軍参謀長だった。)を想起させた。
お終いの蛇足 理研もマタ関東軍に似るか。
† そう言っている学者は信用できそうだが、愚の同級生で東大の物理工学科―言いたくないが学生も教授も原子力工学科の連中より秀才性が一二段階上―の教授をして居た男は、全体について基本的には何にもしないのが最上の策だと言っていた。