現代文化の快楽

60年代に東大の文系・理系の大学院生がコラボして、他大学にも声を掛けて、横断的に作っていた現代文化研究会へのオマージュ

佚楽園(21)    ‥ [原発]凍土壁、「アルプス」の愚または欺瞞

2014年06月29日 | 随想録

どうも役に立たぬようでございます。地下水遮断のための凍土壁の費用320億円。

「アルプス」という実しやかな名前の三重水素―トリチウム―除去装置に至っては、現段階で次から次へと隠しきれずに伝えられる不具合から見ると、もっと成功の見込み薄だが、建設費10兆円、運転経費総額で8兆円とされる。例によって東電は金額を秘密にしている。そのままで現行法上電力料金に上乗せ出来る筈はないが、ここに安倍・官界・財界とポチの公明党が協力すれば何でも有りになるでせう。

なお、くだらない参考でございますが、「アルプス」のミニチュアは7億円で福井県の普賢(その後廃炉)で一か月2000万円程度の費用(人件費別)で一応働いていたらしい。

これと比較して見ると理研の800億予算も、100年分でやっと8兆円になるのだから、それが果たして大きいか小さいかにも、様々な見方が出まする。如何に原発の焼け太り利権に、日本国内でなく国際的にも巨大な旨みが有るかも良く分かりまする。念のためなれど、この巨額は廃炉の総費用には全然及ばない。そのままでも問題無いと言う学者†も居る三重水素の処理だけで18兆円も掛かるのでございます。

恐らく理研で、結果として人類の物質的福祉に有用な研究成果と、知的精神的に有意義なそれとを合わせても、全体の産物の百分の一と無いだろう。ただ知的研究の歩留まりは元々そう高いものではないから、そのことだけで理研を非難するわけには参りませぬが。

(蛇足) 学者や研究者の場合でも、世界と付き合っていれば、日本人―にかぎらないがそれは扨て措き―の個人の能力など会ってみれば殆ど一目で見抜ける。しかし今回多くの日本人が、敗退が決まってから急に悪く言い始めた(反省しはじめた)サッカーの日本人トップクラスの選手達のように、何らかの金や思惑や盲目的な期待で作られた虚像に騙されて、それが客観的に見えて居ないことが随所に有る。

蛇足の蛇足 理研の問題も、若山氏には小保方嬢か、笹井-小保方ラインに対するコンプレックスが有ったらしいことが、同氏が疑念を持った後も小保方ノートをチェックどころか一度も見る事が無かったことの言い訳(何と厚かましい責任逃れだろう)にさえも使われている。

其のマタ蛇足 理研問題も、サッカーも、更には大東亜戦争時代に大日本帝国の指導者(東条と岸信介ら)と臣民(「臣 吉田茂」らから愚らの家族レベルの民草まで)がやった(やらされた)さまざまなことも、優れて日本(人)的なものかも知れませぬ。

更なる蛇足 以前にも書いたことが有るかと思いまするが、東電には関東軍と似ている面が有りまする。特権的な武力の代わりに金力を使って、中央政府や国民の目の届かない所で好き放題やって来た。あの勝俣は、東条(「支那事変」時に関東軍参謀長だった。)を想起させた。

お終いの蛇足 理研もマタ関東軍に似るか。

 

† そう言っている学者は信用できそうだが、愚の同級生で東大の物理工学科―言いたくないが学生も教授も原子力工学科の連中より秀才性が一二段階上―の教授をして居た男は、全体について基本的には何にもしないのが最上の策だと言っていた。


佚楽園(21)   ‥[戦争]山川歴史教科書が隠したこと

2014年06月28日 | 随想録

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 (↑クリックすると妖しい引用サイトへ)

 

帰宅途中に放送大学のスイッチを入れたら、高橋和夫と孫崎亨(敬称略 他も)が国際関係論なる科目で対談を始めるところでした。

孫崎のツイッターには5万なんぼのフォロワーが居るというから、この対談の中身も、そういう人は承知しているのであろうが、愚には驚くべき内容でございました。

  1. ソ連の参戦は、アメリカの要請に基づく。その理由は、米軍兵士の更なる損耗を避けるために、関東軍をソ連に任せたかったこと。
  2. 山川教科書には、ヤルタ協定等の日本領土分割が全然書かれていない。
  3. 北方領土が南千島に属することは吉田が認めて居た。(それで千島放棄に反対したのだが交渉に負けた。)
  4. 国際法上は北方領土を日本の物と主張することは困難だ。
  5. 1956北海道の一部としての歯舞・色丹返還が確実に纏まる筈だったのに、ダレスが日本国民を誑かして「4島返還」論にすり替えた。
  6. ダレスの目的は、日ソ友好特に鳩山を警戒し、楔を打ち込むことに有った。
  7. この結果日本国民は北方領土の帰属について、誤ったイメージを抱き続けるようになった。
やはり日本人は「オ・メ・デ・タ・イ」のでせうか?
 
韓国や中国の嘘教育や、政府が国民を騙していることを批判したり笑ったりできるかのか?少なくとも政府から自治体まで、東電に劣らず、国民を騙す図々しさや悪知恵については、我が国の官界は、これらの国のそれに勝るとも劣らない。
 
今の日本のメディアは、真実を報道しても、共産党政権や、東条閣下の時代(好ましくない者を裁判に依らず徴兵・徴用して危険区域に送るか船上等で殺害したとされる。)と違って、記者が殺されるわけではない。それなら真相を捻じ曲げた報道を行い国民をミスリードすることに加担しているのは、彼の国よりも愧ずべきことではないか?
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孫崎と佐藤優の立ち位置の相違、元祖ポチの小泉と、彼に依る宗男、真紀子さんのセット追放、検察による利米的な小沢失脚謀略などについて、もう一度見直す必要が有りますが、それにしても我々はつくづく物を知らない、或は知らされて居なかったことを痛切に感じまする。
 
 
(蛇足) 愚自身は、ヤルタ協定やポツダム宣言の全文は中学生のときには知っていました。
 
蛇足の蛇足 西山事件で毎日新聞は正体を見せたが、秘密保護法が出来れば、サラリーマン記者は気楽な稼業になるから、益々日本のジャーナリズムは劣化することだろう。

佚楽園(20)  ‥[理研]細胞の真実は

2014年06月27日 | 随想録

 この的を射た質問の背後には東大系の日本のコンピューターの知性が付いていた。

野依氏*を筆頭とする京大系の理研が無知な国民を誑かして予算を通した。

 

本ブログは愚の専門性の違いから、STAP細胞自体の真実について、技術的な推定をすることはしませんでした。

もう一つ理由が有って、愚には、もともと余りこういう研究に積極的に賛成する気持ちが有りませぬ。人類に対する福音を齎すよりは、害を為す度合いの方が遥かに大きいだろうと感じているからでございます。それはiPS細胞についても、本質的に変わりませぬ。

ましてや、費用対効果を考えれば、少なくとも今21世紀前半では、馬鹿金を浪費するだけでせう。これに比べれば、愚は決して好意的に見ては居りませぬが、勝てる見込みの皆無なスポーツ種目の選手の育成とオリンピック派遣に馬鹿金を掛ける方が、未だマシなように思いまする。たまに勝てても200g(紅茶1杯強)不足で失格してへらへら笑って帰国する原田のような人間は厳罰に処すべきでしたが、そうしなかったことも日本の余裕かも知れませぬ。

(そんな原田を許した以上、小保方嬢に研究費を返せなどと要求することはとんでもない。)

無論、研究競争には、数学同様「国威の発揚」という意義が有り、これは軍備増強や近頃話題の交戦権の範囲拡大に劣らず、国際紛争や侵略の抑止力になる面が有ります。従って、ノーベル賞学者は、いくら、心と眼を澄まして真実を観れば、役に立たない物についてであっても、国家として一定の尊重には値するでせう。

その意味では、仕訳で話題になり、野依氏を筆頭に、一流の情報学者の意見に逆らって巻き返した理研のコンピューター、1111億円†使った結果の本質は、元々が

「一位であること以外、何の意味も無いくだらないコンピューター」

だったわけだから、世界4位に転落したという今、いくら尤もらしい理屈をつけてもガラクタ同然でございませう。

このコンピューターは最早国威発揚にはならないけれども、せめて安倍総理のお好きな限定的戦争―この言い方がお気に召さなければ自衛―に役立つか?と言えばノーでございます。大切なのは、ソフトウェアのシステムであり、それを開発したり駆使したり出来る人材なのだから。なお駆使とはいうまでもなく実戦だから、現役兵士(わが国では自衛官)を含みまする。

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さてSTAP細胞。若山氏は、(小保方嬢が)上着のポケットに入れて若山研に別のマウスを持ち込むことが可能だったと匂わせたと言う。しかし別種のマウスを持ち込む理由が今一つ分かりませぬ。どうせ中でインチキ実験をやるのであれば、成功可能性に多少の差は有るにしても、若山マウスで試みても良かった筈だから。

この愚の疑問について、科学評論家の竹内薫氏は、今週発売の週刊新潮に、小保方嬢は(マウスを持ち込んだのではなく、)ES細胞を持ち込んで若山氏に渡したのだろうと書いている。

成程簡単明瞭で、それならば謎は解けまするが、竹内氏、その後が支離滅裂なのでございます。

1.STAP細胞の正体はES細胞(とTS細胞を混ぜたもの) 

99.9%と断りが入っているが、カッコ内も大問題らしい。

愚の疑問:この混合は、現在の技術では非常に困難で、少なくとも小保方嬢には絶対にできないと断定されている。このことについては、しばらく再現実験を担当していた丹羽氏の証言も有る。無論ただ単に掻き混ぜれば良いわけでなく、均質に混ぜた上で両種の細胞の能力が自然な姿で発現するようにすると言う物でなければならぬ。

2.それでもなお笹井氏が、進行中の緑色発光を観察しているのは、説明できない。

愚には正確な理屈(作用機序)は分かりませぬが、初めから混ぜて有れば進行する現象では無いから、そこに何かの未知か新奇の現象が有るということらしい。

愚の疑問:死に行く細胞も緑色に発光するからという説明も聞くけれども、苟も笹井氏程の人がそれを誤認するものだろうか?

竹内氏は東大教養学科の後物理学科を出た人だから、愚とは全く世代が違うが、頭脳には信頼できるでせう。物理系の訓練を受けて居れば、氏の疑問には論理的に共鳴できる。(見方によっては、帰謬法で議論している。或は弁証法的に議論して、敢えて止揚せずに留めている。もしかしたら止揚出来ないのかも知れませぬが。)

つまり、絶対絶命の小保方嬢と言われているにしては、インチキが、状況証拠としてさえも、科学的に矛盾なく立証されることとは未だ未だ程遠いのでございます。

 

† 度々書いているように東大の年間総予算と理研のそれは800億円台。京大はその下。

* 京大工学部を経て名古屋大教授。


佚楽園(19)  ‥[日本人]韓国の米軍慰安婦

2014年06月26日 | 随想録

(2013.5月の映像 一年後の昨日ついに朴槿恵大統領のお父上が大統領直轄*で慰安所をやっていたことが訴訟になった。)

 

夕刊フジや産経ニュースで、韓国の米軍慰安婦122人が韓国政府相手に一人約百万円ずつの慰謝料か補償金を要求した裁判を起こしたと報じている。

夕刊フジでは、朴大統領の父親の故大統領が、これを「直接管理」して居たのだから、日本軍慰安婦問題を最大限に利用して世界中に触れ回って居たこの娘さんの面目丸つぶれだという趣旨のことを書いている。

ついでに、ことが米軍慰安所だから、オバマ大統領が、何と言うか楽しみだという態度でございます。

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全く同感ですが、愚が思うこと。

朝鮮戦争は帝国陸軍解体から5~8年後に行われたことだから、生き証人である慰安婦も、それだけ若い。管理資料・文書も豊富に残っているから、南京虐殺や東京都議会の「出産野次」のように、完全捏造か誇張か真実かの誤魔化しが利かぬ。(後書き参照)

TBS(6ch)でも昨夜報じられたものか、今朝早朝にはTBSサイトの記事になったものがネットで様々に引用・転載されているが、原サイトでは既に異例の早さで削除されてしまった。情けない。

日本人は、反論や逆宣伝能力が弱い。これは外交戦上不利になることが多いが、日本人の多くに有る「ハシタナイ」という感覚は、或る程度誇り有る国民の嗜みとしては、もしかしたら戦争放棄よりも、国際的信用や尊敬や友人を得るために大切であるやも知れぬ。

それで、ここは一つ、「正しいことが言える」橋下氏と新党に、是非こういうところを、我々一般国民はともかく、職業的外交官や政治家やジャーナリスト達も慎み深すぎるというよりは怠慢で、宣伝戦に負けて困っている日本人全体に代わって、大いに指摘して欲しいものだ。(それならば部分的には評価を改めまする。)

安倍総理も、どうせここまでゴリゴリと戦後体制の見直しを進めているのだから、「慰安婦像」を止める位の事は出来なければしょうがない。

ついでながら、安倍氏は国民もアメリカも、必ずしも拉致家族さえも望まぬ形で、拉致問題を政治利用して、北朝鮮を助けようとしている。それなら、いっそ毒皿で、韓国の米軍慰安婦問題について、北朝鮮にアメリカ及びアメリカ軍の道徳性を貶めるプロパガンダを促す位に接近するが良い。「遠交近攻策」†と言う言葉も有るのだから。

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今テレビで、金正恩暗殺を題材にしたアメリカのコメディー映画予告編に北朝鮮が怒って「最も無慈悲な措置で応じる。」と言っていると伝えられた。そうだ。北朝鮮や、日本の教科書を作る会は、米軍慰安婦の映画を作ると良い。日本が誇れるアニメ作家は、自虐物だけでなく、こういうことも題材にせよ。

事実は既にマンガなのだ!日本軍の従軍慰安婦だったという者の証言‡によると:

「ジープで慰安所に連れて行かれた。」

「クリスマスは特に忙しかった。」

日本軍に、ジープとかクリスマスが有ったら、戦争に勝って居たワイ。(真面目な話、元々戦争を回避できたか、どこかの段階で休戦できたろう。)

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* 原文「直接管理」

† 韓国のオナゴさん大統領がそうしているのは明らかだが、本家の中国もそれに応じ始めたという見方も出ている。

‡ 上述夕刊フジ1面。

 

(後書き) 

年代に疑問が有り、念のためネト繰ったところ、父朴正煕大統領の在位は、1963-1979で朝鮮戦争よりも十年も後でした。つまり平時の米軍基地のためだったのですね。韓国議会では大分以前から問題にした議員も居たが、何故か今まで余り盛り上がらなかったと言う。アメリカなら許せるのかもしれない朴二世大統領の性根は察せられなくもないけれども、オバマ大統領が実態を認識して居ないとは思えませぬ。

しかし、無論米国を巻き込み、慰安婦像推進派の米政治屋の動きを止めさせる好機では有るけれども、オバマ氏や米軍や世間一般の男への非難に問題をすり替えさせてはなりませぬ。

本質は、天に唾したオナゴさん大統領に、己の浅はかさを大いに思い知ってもらい、アジアの尊厳を取り戻すことでございます。


佚楽園(18)   ‥[日本人]サッカー(一)

2014年06月26日 | 随想録

 

 (謹転載 毎日新聞 W杯サポーターグラフィティ37葉中の11番目 メキシコ)

 

サッカーのWカップの対コロンビア戦、折よく目を覚ました時間が合って、久しぶりにスポーツ番組を完全に堪能しました。

Jリーグ創設期のフィーバーに巻き込まれ、「完全に」人生が狂ってしまった愚かで哀れな息子を持っているので、サッカー番組を「正視」することは好まないのですが、テニス妻が真に絶望的な誤留婦に成長したことも含めて、男の人生の運命は仕方有りませぬ。無論ゴルフ番組を「正視」することは、金輪際有りませぬ。「人生の苦さ」を思い切り味わいつつ、「遺伝子」に思いを致すのでございます。

愚かな母子の生ゴルフを観るのは、猿山のナマ猿どもを観るのと同様、別に嫌いでもないけれども、昔は傷害保険料程度を払えば見物できたコースも有ったけれども、今はシロートの場合には、そういう仕組みが無いようです。

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さてWカップは敗退が確定して、選手自身を含め、様々な「言葉」が伝えられ始めました。対コロンビア戦以前の、スポーツ・ヒョーロクダマども、いや評論家様方(選手上がり、記者上がり、教師上がりと居るのであろう。)の聞くに堪えない愚かな発言については、思わず「と金倶楽部」掲示板で、所感を述べました(『桃源郷の備忘録』)。

今後日本では、小保方嬢以上に議論されるであろう日本サッカーなので、愚は、ちょっと引っ掛かった所から記しまする。(昨夜5CHだったか?)

選手A(失名)「やはり一人か二人得点力が有る者が居て、それを皆で支えて行くようにしないと、世界では勝てない。」

ゴン中山「将来日本でも、小学生から発掘して、そういう者が出てくることは有り得ないわけではないにしても、当てにはならない。そういう者の出現を待つのではなく、一人で出来ないことを二人でやる工夫などで日本のサッカーを作り上げて行かねばならない。」(Aの発言に対する反論要旨。なおゴンは同時の応対でなく、現地のAのビデオを観ての物。)