現代文化の快楽

60年代に東大の文系・理系の大学院生がコラボして、他大学にも声を掛けて、横断的に作っていた現代文化研究会へのオマージュ

佚楽園(24)   ‥[理研]遂に夢幻の境地に

2014年07月09日 | 随想録

(桃源郷之図)


(お断り)本稿は深更に掲載しましたが、元の新聞記事へのリンクを付けたことに伴い、一部に字句を加えます。(9日朝著者)

 

喝采様にご教示頂いた若山証言の謎は、朝日の7/5のスクープ、「STAP細胞、若山研究室由来の可能性も 解析に誤りか」でございました。毎日は案の定ここだけがやっているシリーズ記事でも独立記事でも触れず、他のメディアの動向が注目される状況でした。

ところが、昨8日には産経が、「撤回理由書、共著者の合意なく書き換え 細胞の由来説明を大幅変更、水掛け論に」という更なる怪奇な事件を報道するに至りました。要するに共著者が全員、恐らく6月半ば頃までに、合意して提出した撤回文書とネイチャーが今回公表したものとの間で、最も重要な点が異なる。そして、そのことは、発表前には共著者の誰一人心当たりが無かった

但し、はっきりして居ることが一つだけ有る。それは若山「教授」が、捏造の決定的証拠として「語って」居た15番云々という遺伝子番号の確認に誤りか不備が有った(上記朝日スクープ)ことについて、ネイチャーに訂正メールを送っていたこと。そしてそのメールの内容については、他の共著者の了承を得ていなかったどころか、コピーすら送っていなかったことでございます。いやこのようなメールを送ったことも、それ以前に自分の主張の根拠に相当に不確かなものが見出されたことも、誰にも明かさなかったと見られる。

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さて、関係者が誰も、このことについて嘘を言って居ないとしませう。すると(国際誌編集者である愚の見方では)書き換えたのは他でもないネイチャーの編集者。若山「教授」氏は、自分がメールで申し入れた訂正よりも大幅に書き変わって居ると言い立てているけれども、元のメールの英文を読んで比較すれば更にはっきりするでせうが、編集者は、若山氏からの訂正メールを元に真相について判断を下して、若山氏の訂正よりも一歩踏み込んだものに書き換えたのでせう。†

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顧みれば、本件の当初から、小保方嬢は、未熟か、非常識か、科学界を甘く見て居たことが有るかもしれませぬ。

しかしながら、ここまで問題が大きくなって、一点一画揺るがせたら、それこそ信用丸つぶれになる段階になって、6/16に滔々と会見で話したことの中に、根本的な間違いが有ったことは、本来は既にして致命的だけれども、よしんばそれは未だ許すとしても、その事実を共著者が全員の責任で撤回文書をまとめてネーチャー側に提出するまでは、全く明かさず、別途編集者に直接メールを出して混乱を拡大し、著者グループの信用、延いては日本の科学者や大学教授や日本人全体の信用と尊厳を更に貶めたことは、研究者としても人間としても有り得ないことでございます。

少なくとも、国立大学の「教授」の振る舞いとしては、想像を絶すること。

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ここまで来た以上、言わずもがなと思って居たことを、一つ付け加えませう。小保方嬢が再実験に成功しようと失敗しようと―失敗した場合こそ特に―若山氏が如何にして緑色に光る胎盤を作り得たか、再現し検証する必要が生じていまする。

 

† 若山氏は、自分が出した訂正メールよりも、自分にとって「不利」に書き換えられたとして、狼狽している。ネイチャーに問い合わせるなどと言う恥の上塗りをしないように願いたきもの。

(蛇足) 桃源郷、或は「桃」原狂、或はマタ「桃」元凶か。