現代文化の快楽

60年代に東大の文系・理系の大学院生がコラボして、他大学にも声を掛けて、横断的に作っていた現代文化研究会へのオマージュ

都知事選(六)  都民の本音

2014年02月25日 | 随想録

都知事選に、「反原発」、或いは何処がどう違うか分りづらいのですが「脱原発」の民意の結集を期待していた向きが少なからず有ったようですが、それは結果的には効果は無かったようです。

それ以前に、無駄な努力だったのでしょう。

選挙結果を見て、「反原発」の二人を合わせれば、自公路線の桝添氏に拮抗するという主張が、今でも行われていますが、どうも議論のための議論、単なる宣伝合戦の域を出ないように見えます。

というのは、果たしてこの二人に投票した人は、「反原発」だからそうしたのか?疑問に思うからです。

まず弁護士さんに投票した人。基本的には反政府的~反体制的~民主主義的な人々でしょう。決して「反原発」だから、この人に入れたのではなく、共産党が推薦したリベラル派だから支持したので、この人が桝添氏同様の「嘘が見え透いた」脱原発を表明して居たとしても、大差無かったのではないか?

元首相に投票した人。桝添氏も信用しないし、共産党色の人も信用しない、自公政権も信用しない一種の中庸層。「反原発」の空疎なスローガンに釣られてこの人を支持した人が、そんなに多いとは思えません。

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翻って桝添氏に投票した人。本来的な自公民支持者。原発は、福島や新潟に押しつけて置けば良い。自分たちの生活が良くなればそれで良いし、一部には「都民様」の税金で地方を養ってやっているのだから有りがたく思えという都民「選民」意識丸出しの論調さえも有ったような。

反原発の世論の対決で、日本の政治を二分しようとするのは、不毛で非現実的だと思いますが、少なくとも東京都民は、そういうことと無関係に、ホンネ丸出しで、自分の「居心地が良い」方を選んだだけのことです。選挙というものはそういうものでしょう。

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桝添氏が、尊敬と人間的信頼に値する人物であるとは、考えにくい。この人を或る外国人が「チート・マン」だと評したのは、一つの至言に思います。「この人は顔は笑っているけれども、心は笑っていない。」というその人の指摘は、日本人にとっては当たり前のことのようで、人間の根本に拘わる恐ろしいものに触れている。

より正しく言うと「この人は、顔は温厚さと善意を装って笑っているけれども、心では選挙民を嘲り、してやったりと高笑いしている」というべきでしょう。

本質は、今居場所が分らなくなっている某国大統領が似ている。その視点ではモスコーと自公も似て来る。


学問についてのニュースを観て(2)   酸風呂の疑惑

2014年02月21日 | 随想録

割烹着研究者のリケジョの小保方晴子さんの大発見が急に疑惑に晒され始めました。ネイチャー誌は生物学界では、殿堂のように崇敬されている雑誌で、今回の疑惑をネットで公表したので、丁度風邪であまり生産的なことが出来ないこともあって、ざっと読んでみました。

http://www.nature.com/news/acid-bath-stem-cell-study-under-investigation-1.14738

「アシッド・バス」つまり酸ヶ湯に分化済みの細胞を二十五分入浴させたら、万能(幹)細胞が出来たということなんですね。その写真が使い回しだの、コピーだの、切り貼りだのという指摘が出て来た。共同研究者の山梨大W教授は、写真は百枚とか二百枚とか自分が送った。取り違えた可能性は有ると言っている。

リケジョさんの早稲田に出した学位論文も、ハーバード大の仲間のV教授の論文も、写真の間違いまでは認めた事件が以前有ったらしい。但しこの研究とは別件とも言う。

このV教授は、自分で雑誌を出しているという。それなりに尊敬すべき。

こういう学術雑誌の編集者や顧問をやっていると、論文審査、いわゆる査読は厳しすぎても新しい研究の芽を摘むし、寛容にすると、ときに事件になるので、難しいものです。写真の取り違えも、どうも今回のは重症の方らしいけれども、ま、理研も外部調査委員会を設けたのだから、いずれ分かるでしょう。

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気になるのは、リケジョさんはネイチャーからの問い合わせにも、外部にも一切コメントしていないこと。所の方針かもしれませんが、ちょっと心配です。

生物の世界は知りませんが、研究成果として気になるのは、W教授が理研ではリケジョさんに教わって始めて上手くいったが、山梨大に戻ってからは一度も成功していない。無論世界八カ所で追試したが、これまで成功例が無いということ。

これについては色々な見方が有るようですが、弁護側も批判側も、常識的な指摘の範囲です。

そこで、私がとんでもない可能性を一つ・・・

一流の研究所で、「割烹着」というのは、管理上おかしいのではないかという指摘を、ネットで一回だけ見かけました。確かにこういう基礎研究で細胞を扱っているところでは、帽子、マスク、手袋等で重防護していても良さげな気がしまする。

もしかしたら、大らかなリケジョさん、ピペットや自分の衣服、手指、毛髪などに付いた幹細胞を、シャーレとかの中に落としたとかいうことは無いでしょうか?

(蛇足) いうも烏滸がましいけれども、一流の人物でも、無意識的詐欺を働くことも絶無では有りません。