現代文化の快楽

60年代に東大の文系・理系の大学院生がコラボして、他大学にも声を掛けて、横断的に作っていた現代文化研究会へのオマージュ

或るソプラノ歌手への手紙(3)  ‥新市長も何にもしてくれない30年来の欠陥文化施設

2021年08月25日 | 開陳

Golden Mermaid

駐車場を失ったアルスホール

X嬢へ

      ・・・そしてグレーターつくばの文化芸術に関心がある人へ

     そして又、つくば市政に携わる人達に

 

前稿の終わりに、次は三代目市長の藤沢 順一氏以降の文化行政について書くと記しましたが、その前に、何故私が、他にも忙しいのに、こう言ったシリーズを書き始めたのか、知って頂くための事例をご紹介します。

アルスに駐車場が無いのは、30余年前の創立以来からの頭が痛い問題だと、管理の最高責任者である図書館長が認めている。

アルスに駐車場が有ると誤認している市民も多い人が、正確に事実を記すと、20台程度かの駐車場はアルスの東南側に有り、当初は一般利用者の使用に供されていたが、今は専ら図書館職員(アルスホール担当者も含む。)だけが使用している。

それでいつも、アルスホール利用者は楽器の搬入で困り、図書館利用者で、子供の読み聞かせ等のために複数人で数十冊纏めて借り出すボランティアは、本の運搬に困り、展覧会を行う者は作品の搬入で困っている。

図書館側は、年間ごく少数回しか開催されない特別なイベントの場合のみ、建物への横付け搬入の便宜を図って能事終われりとしている。一般市民利用者はその恩恵に浴すことは無い。

しかしながらそこに千載一遇の好機が訪れた。アルス正面玄関の道路を挟んで向かい側(東北)の筑波大学敷地に有った宿舎群が取り壊されて、アリーナが建設されるという。アリーナと言うとカピオ建設時のほろ苦い思い出が蘇るが―――――人に依っては「運動公園」に更に苦い思いを致すやも知れぬ。―――――それは扨措き、大学の大イベントが開催されるとき以外は、アリーナの駐車場の一部をアルス利用者に開放することを強く望みたいのである。

私(五十嵐 滋)は当時の筑波大学筆頭副学長に会ってこれについて懇請した。苟も

  1. 筑波大学たるもの、市民の文化活動に一定の便宜を図ることは社会的責務の一端ではないかと。
  2. 希少なスペース―――――土地―――――の有効にして合理的な活用も、大学人として当然為すべき配慮だとも。

    (協力しなければ、長い目で見ると

  3. 筑波大学に対するコミュニティ住民の支持や敬意を損う恐れもある。

    とは、口には出さなかったが、無論この情報学類でリスクマネージメント論を担当された若手の―――――私から見れば――――俊才にもそれは伝わった筈だった。)

しかし、驚いたことに、筑波大学は、つくば市とは既に何回か都市計画上の協議をしているが、アルスの駐車場問題など一度も話題に出たことは無い。自分にとっては「晴天の霹靂」である。そういう話になるなら、つくば市を相手にするのが適切だと言われた。

それは真に尤もな言葉だから、つくば市の要路の人の助言を得て、

  • さる文化に関わる市の外郭団体からの要望書提出の合意を取り付けた。
  • それは正式会合に於いてであった。しかし会長(当時。十年以上会長職を続けていた。)と事務局長が翻意して提出できなかった。(公的機関を評価する目で見ると、ガバナンスが失われていた。)
  • 時間が切迫していると知って、やむなく私名義で市長公室に提出した。
  • 因みにそのときの公室長は最近副市長になったが、前任者は若い大蔵官僚という出自から止むを得ないが、文化行政についての知見は勿論、理解も熱意も窺えなかった。

さて、この要望書がその後どう扱われたかは、次回にしましょう。いくつか要点を予告しますが、もしかしたら当分それ以上立ち入らないことになるやも知れませぬ。

  1. 問題が全く解決も進展もしていないのは、歴然たる事実。
  2. しかし官僚的作文としては十分国政レベルの―――――御多分に漏れず内容は空疎だが見掛けは立派に出来ている。‡ ―――――返書が送られて来た。
  3. それ以前に或る市議団に相談したが、完全に無視された。

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ところで、この件についての私の見方や取り組み方について、参考のためにお話ししておいた方が良いかと思うことの一つを記します。

私は数年間某県の「科学技術顧問」を務めました。その折専門のロボット開発も指導しましたが、その県の技術関係諸機関の「外部評価」も指揮しました。それには当然行政的側面も含まれていました。

因みに当時、県顧問がもう一人居られて、職名は「文化行政顧問」。その方のお名前は「舛添 要一」さんと仰いました。

(上の似顔絵の著作権は実践IT研究会に有ります。)

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京大(工)院博士課程修了。

私も理系ながら東大で官僚的業務を兼任した職歴あり、学術行政の範囲では有るが、ノウハウは熟知している。


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