月刊パントマイムファン編集部電子支局

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アーティストリレー日記(140)ALISA WATANABEさん

2023-02-25 08:14:44 | アーティストリレー日記

今回は、昨年のマイムリンクの公演にも出演し、オリジナルティにあふれた表現活動を行っているパントマイミスト、ALISA WATANABEさんの日記をお届けします。

はじめまして。ダンサー出身のパントマイミスト、ALISA WATANABEと申します。
現在はフリーで活動しており、【ダンスとパントマイムと絵】を融合した表現作品を展開しています。
この活動を始めるまでに、3つのターニングポイントがありました。

1つ目は、「水族館イルカショーの出演」。
プロのダンサーとして活動していた時のことです。
バックダンサーや、足長(スティルト)を装着したのっぽのピエロ役。様々なお仕事をさせて頂いておりましたが、経験を重ねて行くうちに代わりの効く“駒”ではなく、「自分でパフォーマンスを企画し、いつかソロ公演をしたい!」という気持ちが芽生えてきました。

特にイルカショーの出演では、良いヒントがたくさん有りました。
動物を相手にパフォーマンスをするので、台本通りにはいかないエマージェンシーや天候の変化、そして客層もバラバラ。
これまで決まった振り付けや台本の中で、ダンスやお芝居の勉強をしてきた私にとっては、凄く刺激的で新鮮な環境でした。
この経験を通して、ダンスに限らないで「言葉に頼らず、誰もが楽しめるパフォーマンス」をしたい!という想いがより強くなりました。

2つ目は「パントマイムとの出会い」。
何故ダンスからパントマイムに振り切ったのか。きっかけは、約12年前に受けたNHK「おかあさんといっしょ」のオーディションでした!

残念ながら最終審査で落ちてしまったのですが、当時の審査員だったカンジヤマ・マイムに声を掛けて頂き、カンジヤマAの下に弟子入りさせて頂く事になりました。

何者にでもなれたり、無いものが有るように見える。
そして、物に感情を持たせる事ができる。

パントマイムには無限の可能性がある!
パントマイムは宇宙だ!!
なーんて思っていたのも束の間…。
のびのびと踊れる慣れ親しんだダンスと違い、パントマイムには細かな動きに神経を注ぐ必要があるのでとても苦戦しました。

例えば、“演じるキャラクターの動きが速くなる”、
“作品に音楽を使用すると、曲の起伏に感情が引っ張られ過ぎて、観客を置いてきぼりにしてしまう”など、ダンスをしていたが故の足枷でした。

音先行で“動”のダンス。演技先行で“止”のパントマイム。
まるで、私の中でダンスとパントマイムが喧嘩をしているかのようでした。
10年間試行錯誤を重ねながら研鑽を積ませて頂いた今は、私の中でダンスとパントマイムが手を繋ぎ、オリジナルの表現へと辿り着きました。
でも、この「ダンスとパントマイムが融合したパフォーマンス」には、何かが足りないような気がしました。

3つ目は自身で企画している
「ALISA in Wonderland」という表現の場を創ったこと。
ダンサー時代の夢だった、自主企画です!
毎回、ジャンルの異なる表現者さんとコラボするライブパフォーマンス。
・相手の魅力を引き出して、相乗効果を出す事。
・やりたい表現に挑戦し、作品をたくさん創る事。
これらを課題にして取り組んできました。
有難いことに、これまで12名の方とコラボさせて頂きました。

私にとっての「ALISA in Wonderland」は、作品創りの訓練の場であり、自由に表現できる場です。
もちろん、楽しいことばかりではありませんでしたが、学んだことや得たものも多く、いまの活動に繋がる貴重な経験でした。

中でも自分がこれから先、続けていきたいのが「即興パントマイム」。
師匠のカバン持ちとして落語寄席の楽屋に入り、袖から噺家さんや色物芸人さん(落語と落語の合間に芸をする方)を勉強させて頂いていた時のこと。
演者がお客様からお題を頂き、見事に芸にする姿を見て、「即興パントマイム」を思いつきました。
私が行う「即興パントマイム」では、お客様から頂いたお題を絵で描き共有、そのお題を使ってパントマイムで『物語』を創ります。
絵を描くことは子供の頃から凄く好きで、いつでもどこでもノートとペンを持って絵を描いてました。
頭の中のイメージ、アイディア、作品ネタ、ダンスの振付けは絵にする事がしばしば。
絵には、絶妙なニュアンスも、言葉にしづらい事も、自分では気づかない自分が現れることもあります。

絵がもっとも私を自由にしてくれます。
周りの人が、私が描いた絵を見て面白がってくれたり、笑顔になってくれたり。
口語言語以上にイメージを共有しやすいので、お気に入りのアイテムです。
「パフォーマンスにもっともっと絵を取り入れたい!」
そう!物足りなかったのは絵だったのです。

ちょうど1年前の2022年2月には「ALISA in Wonderland」として自主企画でソロ公演を行いました。内容は、1部「即興パントマイム」。2部「絵を活用した長編のパントマイム作品」に挑戦しました。
https://www.watanabealisa.com/2022/03/blog-post_4.html

その後、2022年10月に、更なるパントマイムの鍛錬のために山本光洋さんの下で、勉強した成果を試させて頂けるとのことで、劇場スタジオエヴァにて行われた『パントマイムギャラリー』にて「モノを使う演目」と、「絵の具で絵を描きながら展開する演目」に挑戦しました。
特設サイト https://pantomimegallery2022.jimdofree.com/

現在は耳の聞こえないクラウンと組み、8080(ハレバレ)と言うコンビ名で、サイレントコメディーパフォーマンスを行っています。大きな布に絵を描き、身体の部位を使って完成させる演目などに挑戦中です。
Instagram → 8080_harebare

以上の3つのターニングポイントを経て、それぞれバラバラだった点と点が繋がり、今の私がいます。
絵もダンスもパントマイムも大好きな私。
好きをいっぱい詰め込んだ自由な表現をみなさまにお届けするのがALISA WATANABEの活動です!

ALISA WATANABE
Instagram → ALISART.W

 


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