月刊パントマイムファン編集部電子支局

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アーティストリレー日記(18)新堂雅之さん

2012-07-15 07:58:12 | アーティストリレー日記
今号では、一糸堂として高橋素子さんとのコンビ、またソロでも活躍している新堂雅之さんの日記をお届けします♪

“芝居と太鼓のたまっ子座”さんに声をかけていただいて、6月初めに私と高橋素子で台湾公演に行ってきました。出演したのは、たまっ子座 末永克行氏 作・演出「龍の赤い珠」という作品です。
出演者14人によるお芝居、ダイナミックな太鼓や様々な楽器、パントマイム、ジャグリングの組み合わせによって3月から稽古し、創りあげた作品、7つの都市で10ステージ公演でした。たくさんの子ども達が観に来てくれ、喜んでくれました。
私は黒鬼役で、龍神の赤い珠を奪い、それを取り返しに来た主人公の龍神の子にラストでへそを取られ、珠も取られてしまうのですが、カーテンコールで私が、客席の子ども達に中国語で「わしのへそ知らないかい?へそ返して!」と叫ぶと、子ども達は笑い、大きな声で「ないよ!あっちだよ!」などと応えてくれました。
どこへ行っても子ども達の笑顔は素晴らしい。もう30年近く子ども達と触れあう旅を続けていられるのも、子ども達の歓声や笑顔があってこそです。

そして、たまっ子座さんの稽古と並行して、マイムマルシェDプロ 座・パリキャベ!あがりえ弘虫氏 作・演出「三人の王子と三人の花嫁」の稽古に取り組みました。あがりえさんからは昨年に引き続き声をかけていただき、今回はみぎわさん、グランバルーンの細川さん、阿部さん、平さんが参加、あがりえ節炸裂、出演者パワー全開で楽しい舞台になりました。

いつも高橋素子とふたり、またはひとりで作品を創ることが多く、今回はたくさんの方と創っていく楽しさを堪能させていただきました。物語を創っていく過程、そして登場人物の関係などで、たまっ子座さんのこだわり、あがりえさんのこだわりなどが稽古中に見えてきて、そこから演者は工夫をして役を膨らましていかねばならないのですが、なかなか・・・。

「マイムマルシェ」でたくさんの作品を拝見させていただき、至福の時を過ごしました。私は作品に登場する人物の描き方にとても興味をひかれます。(マイムの場合人物に限らず、動物であったり虫であったりもするのですが)
自分と共通点があったり、価値観が似ていたり、しかし微妙に自分と違っていき、想像もしないドラマが生まれて驚いたり、自分の中に受け入れられない人物が登場した時やドラマが起きた時に、どうしてそのように演じるのか、そのように演じざるをえないのか、と考えるのが楽しいです。今回もとても刺激になりました。

7月には、「マイムマルシェ」の最後のプログラム、Gプロの舞台監督をやらせていただきました。
総見の時ヨネヤマママコさん、清水きよしさんが松田充博さんに要求を出し、松田さんはそれを膨らませて音とあかりを創る、劇場の空間に立つ演者、動き、間、そこに音とあかりが入ってくる。ここでのプレイヤーとスタッフのやりとりもおもしろい!
そしてGプロ本番、とても素晴らしかった。舞台の袖で出演者の気、お客さんの気、舞台の気を感じて、なんとも言いようのない心持ちでした。

何年か前、細川紘未さんに声をかけていただき、さくパンやマイムウィークに参加し、たくさんの方と知り合うことができました。
いろいろな方と出会って新しいものを創り、またそこから広がっていく。細川さん、他の出演者、スタッフ、お客様、MAKOTOシアターに感謝です。これからもこのご縁を大切にしていきたいです。

電力不足の懸念ということで9日大飯原発、再稼動のニュース。
なに言ってやんでぇべらぼうめ、何もかも曖昧なまま原発を動かすなんて。
首相官邸前では、小さな子どもを連れた若いおかあさん、おとうさんも声をあげていました。私もどんどん脱原発の声を上げていこう。
子ども達、その次の世代のためにも今できることをやっていかなければと思います。
人として、舞台人として、どう立っていくか。
これからが正念場です。

7月11日(あれから1年4ヶ月)
 新堂雅之

はまっているもの、人?
柳家小三治、ポールサイモン、カフカ、柳田國男、しりあがり寿、その他
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