月刊パントマイムファン編集部電子支局

パントマイムのファンのためのメルマガ「月刊パントマイムファン」編集部の電子支局です。メルマガと連動した記事を掲載します。

アーティストリレー日記(113)荒山昌子さん

2020-08-25 20:36:46 | アーティストリレー日記

今号では、パントマイミストではなく、役者兼「a・la・ALA・Live」主催として活躍する荒山昌子さんの日記をお届けします。

皆様、こんにちは!
アラリン、こと、荒山昌子と申します。
私は、パントマイマーではなくて、役者です。
そして、自作自演の作品を発表する、脚本家でもあり、演出家でもあり、
「a・la・ALA・Live」という様々な種類のパフォーマーが一同に会する、
云わば「アラカルト寄席」の主催、制作もやっております。
色々やってて(やりすぎだよね)いつも一杯一杯でお恥ずかしいです。
沢山の方々のお力をお借りし、公演が打てる事、とてつもなく感謝しております。
今回は佐々木君から依頼を受け、
私とパントマイム、及び、パントマイム業界?!のお話しをさせて頂きたいと思います。

え~と、二十歳で東京に出てきて、超アングラ劇団「転位・21」に入り、
殴られたり、24時間稽古したり、「殺してくれ」と演出家に迫りながらも、二年間はいたのですが、
ある日、心がポッキリ折れて、失語症みたいになってしまい、劇団を辞めました。
一年間、朝から晩までアルバイトを二つ掛け持ちし、失意の日々を送っていましたが、
そんな時、パントマイムの公演を知り、行ってみる事にしました。
何で公演情報を知ったのか、今となっては全く思い出せないのですが…。
その当時、駅前劇場で満席だった「大人計画」
(松尾スズキさん、温水洋一さんは出演してたが、阿部サダヲやクドカンはまだいなかった)
の公演を、劇団時代に同期だった友人に誘われて観に行き、余りのくだらなさと客席の受けの良さに
「こんなくだらない物の為に私は演劇やってたんじゃない!」と激しい怒りを覚え、
演劇に絶望してた時に…。

本多劇場でやっていた「イメージ・シネ・サーカス」を観ました。
もう~、本当に、目から鱗!?
パントマイムを初めて観たんですが、「や、こんな表現が世の中にあったのか?」と。
状況劇場の「少女仮面」から始まり、夢の遊眠社の「小指の思い出」、第三舞台「朝日のような夕日を連れて」
と、東京の小劇場界の洗礼を思いっきり受けていた私だったのですが、
パントマイム…、全く興味もなかったし、知らなかったんですよね~。

元々、映画が大好きなので、観に行ったのではないかと思われますが。
一番好きで、確か泣いたのが「E.T.」の自転車で空飛ぶシーン。
美しかった~。そして、とっても素敵でした。
劇団を辞めてカチンコチンに固まっていた心が、その時、また再び動き出しました。
「喋らなくても表現出来る方法、あるじゃん!」
なんせ、ほぼ失語症で、喋る事に対する恐怖心だけ、てんこ盛り状態でしたから。ハハハ…

で、パンフレットを見たら、「東京マイム研究所」出身の方が多い、というか、
その当時、中野坂上にスタジオがありまして、私は中野に住んでたので、「これなら自転車で通えるぞ!」と。
電話で連絡してみたら、「スタジオで丸さん(こと、丸岡達志さん)のソロ公演がある」というので、
それを観に行き、その流れでまんまと研究生になりました。

パントマイム、やってみたら、難しくて。っていうか、いつも筋肉痛だった気が。
そして、「ササマイム」に匹敵する「荒マイム」で、どうにもこうにも…
(ああ、これ以上は自分に言わせないで)
でも、頭でっかちで、中々身体を動かせなかった自分としては、色々発見もあり、
今では本当にやっておいて良かったな、と思います。
何か、自分の「信じる力」試されてる?って、よく感じました。
所詮一人だし、所詮空間、空気で、何もない訳だし。
まあ、未だにそれは感じたりしますが。

「試演会」でコンスタントに作品創って、卒業公演もして、青春だったなぁ~。
あ、合宿にも行ったし。確か、千葉の海に皆で行きましたねぇ。
パントマイムなのに、私の作品は台詞があり、口パクになってしまう事が多かったので、
観に来た方々に「本当は喋りたいんでしょ」とよく言われ、
自分自身、段々劇団でのトラウマからも解放されていって、
20代後半位から再び喋る表現の方に戻っていきました。
ひろみさん(細川紘未)、阿部ちゃん(阿部邦子)と「マジカル☆フラッパー」というユニット組んで、コント作品創ったりもしました。
松田さん(松田充博)に演出や何やかんや面倒見て頂き、一杯お世話になりました。

私は、「パントマイムを究めよう!」とは、もう途中から、すっかり思わなくなりましたが、
自分の作品創りの血となり骨となってる気がします。土台とでもいうか。
一人芝居が出来る、そして創れるのも、パントマイムのお蔭ですし。
これからも、パントマイムと上手く付き合っていきたいです。

最後になりますが、「a・la・ALA・Live」公演を始めるきっかけ、後押しをしてくれたのが、
ひろみさんで、それから、パントマイマーの方々にも沢山御参加頂いて、現在も活動を続けております。
やっていく内に、色々な方々に関わって頂けるようになってきて、本当に感謝しております。

で、9/12土・13日に第68回「a・la・ALA・Live」~アラライ秋祭り~公演を、開催します。
各回限定15名様!!!プレミアム公演ですよ~。
現在、皆様、色々な考えや、御立場がある事と思います。
私自身、悩んだり、考えましたが、私は、やはり人が集える空間、小劇場という物を愛してます。
今後どんなに科学が進歩しようと、やはり、人と人の心が触れ合える場所は確保したいです。
なくしたくないし、人生に必要だって思います。
寿司職人が寿司を握らないと、技が廃れてく…のではないかと思うんですが、
我々、演者も同じで、何かしらの方策がまだあるのなら、人前でやりたい。
人前でやって、共有して、初めて成立するんじゃないかと。
最大限のコロナ対策をして臨む所存です。
あ!とはいえ、動画配信もする予定ですよん。

◎「a・la・ALA・Live」ブログ

https://ameblo.jp/alaalalive-ararin/

◎「a・la・ALA・Live」Facebookイベント

https://www.facebook.com/events/308483226988030/

本当は、余り変わるのが好きじゃない自分なんですが、
今年は、色々変わる事を余儀なくされてるみたいで…、ま、そんな時もありますよね。
コロナのお蔭で、大分刺激的な人生になってきました~。
「神様は、乗り越えられない試練は与えない」と云いますし、チャレンジ、チャレンジ!!!

以上、長々と失礼しました。

「a・la・ALA・Live」主催 荒山 昌子

 

 

 

 

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