今月は、今年活動25周年を迎えるシルヴプレの堀江のぞみさんの日記をお届けします。3回目のリレー日記ご登場です。
こんにちは、堀江のぞみです。
今度の6月6日7日の金土、私達シルヴプレは、あさくさ劇亭で『ちいサッシェ』という公演を行うのですが、その稽古のために、現在、香川県にあるKUMA LABOという、瀬戸内サーカスファクトリーさんの施設で滞在制作をしています。
昨年できたばかりのこの施設は、山一木材さんという大きな材木店の奥にあって、木の匂いが気持ちよく、また、森と池に囲まれて、鳥やカエルの鳴き声に癒されます。
ここで、最近薄々気づいていた事を改めて実感することがありました。
このKUMA LABOは、壁の一部が、昔からある木材倉庫にくっついて建てられていて、真新しい明るい木の色と、白い壁ばかりの空間の中で、その辺りだけ黒く沈んでいます。
自分たちが稽古の道具を置いたり練習するのに腰を据えたのは、隅っこのこの壁の前でした。
ピカピカの新しい空間よりも、ここの場所が落ち着いたのでした。
これは、私にとっては、新品の化繊の服より古着の綿や麻の服の方が面白くてしっくりくる事とか、器も年季の入っても丈夫で美しいモノの方が使いたいと感じるのとほぼ同じ気持ちです。昔から古き良きモノが好きです。
車は、走行距離20万Kmを超えたラシーンが愛車で、お弁当箱はブリキや籠です。19歳の時に着物に憧れて着付け教室に通いました。
相方はレコード好きが昂じて円盤家たけしというソロショーまでやっていますが、私もレコードの音が好きです。
そして、シルヴプレのショーも、どんどん新しいアーティストが出てくるこの業界において、古き良きものになれたらいいなとより強く感じるようになりました。活動始めたばかりの頃からそうは思っていたのですが、今年活動25周年を迎えて、実際に歳を重ねて、より明確にそう思います。
古き良き、大事にしたいと感じさせるアーティストになれたらと思います。
でもそれは、ずっと同じ作品だけをやり続ける、ことではないとも思っていて、常に何か作品を作り続けることも、より古き良きものになれるような気がしています。
これは、人それぞれ考え方があると思いますが…
この辺は、まだうまく言葉にできません。
私が、ただ創作が好きなだけかもしれません。
KUMA LABOの黒ずんだ壁を前に創作をしながら、そんな事を考えています。
今度の公演も、皆様のご来場、心よりお待ちしています。
シルヴプレ 堀江のぞみ