月刊パントマイムファン編集部電子支局

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アーティストリレー日記(98)清水きよしさん

2019-03-23 14:05:19 | アーティストリレー日記
今回は、今年代表作「幻の蝶」が40周年を迎えた「空間の詩人」清水きよしさんの日記をお届けします。リレー日記3回目のご登場です。

締切日3 月15日、確定申告とこの原稿。
となればまずは確定申告を優先せざるを得ない。時間との勝負だが思うように進まず、届け出の制限時間が迫ってくる。時計とにらめっこをしながら申告用紙に書き込んでいく…しかも今日は教え子の舞台を観に出かけなければいけないのだ。
と、確定申告は毎年同じようなことを繰り返しているのだから我ながら嫌になる。

さて、といきなり話が変わり、一昨年が「マイム生活50周年」、今年が「幻の蝶40周年」、そして三年後には「KAMEN」も40 周年目を迎える。
長く続けていれば、長く生きていればいつかはやってくるのだから特別なことではない、と思いながら、でもなあ一つの作品、いやソロで二つの作品を数十年に亘り再演を重ねていくというのはそう例がないことじゃあないかなあと、ちょいと誇らしくもある。

当然ながらマイム生活は山あり谷あり。ただでさえそれ一本で糊口をしのぐことが困難なマイム役者としての暮らし。一昨年の50 周年を多くの人に迷惑を掛けながらなんとか乗り切ったのだけれど、昨年はその反動でにっちもさっちもいかなくなり「KAMEN」の公演を中止、また思いがけないトラブルで、ひと月前になって「幻の蝶」の公演を取り止めざるを得なくなってしまうという、マイム人生最大の厳しく辛い一年となってしまった。

そして迎えた今年、昨年念願の制作を任せることが出来る相棒と出会えたことで一気に状況が変わった。今月初めに「幻の蝶40 周年記念公演」を40数年前に「ふとしたお話し」という作品を上演した懐かしいプーク人形劇場でやらせていただいた。そして5 月22 日にはいつもの座・高円寺2で二年ぶりの「KAMEN」が待っている。

今年はこれから各地で「幻の蝶」を上演する予定で、特に大阪と京都では東京でできなくなってしまった能楽堂での上演がつい先日決まり心躍る思いでいる。
それにしてもマイムに出会えたお陰で、私の人生はどれほど豊かになったことか。
72歳、「人生これからだ」の意気込みで楽しんでいこうと思う。

5年前から患っている糖尿病ともおそらく一生のお付き合いになるのでしょうから、まあ無理をせず体をいたわりながら、生涯現役でありたいものだ。

さてさて話が戻り、今3月16日午前7時前。
この日記の締め切りが7 時間過ぎてしまったがお許しを戴こう。
確定申告の提出も無事に終えて、スッキリした気分で明日から大阪、九州、そして南東北へ、舞台とワークショップの10日間の旅に出る。いつもながらどのような出会いが待っているか、ワクワクしながら今日はこれから旅の準備に取り掛かる。

3月16日 清水きよし




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