探索・採集・飼育みたいな雑記的記録

北海道の自然探索と生物の飼育観察・採集記みたいなものを漫然と、かつ自己中心的に紹介するとかしないとか。

【ゼフ卵探索】真冬日に徘徊する変人探索者

2021年02月28日 | 自然探索記~採集記(道北)


今回のサムネ
旭川周辺でのゼフィルス卵探索。旭川って寒いし雪も多いし、除雪も追いつかないし・・・


この日は午前10時でも-10℃以下となかなか気温が上がらず気軽に探索できる状況ではなかった。
それは常人のことであって、わたしのような変人探索者には当てはまらない。
だから、気軽に探索してみたよ。


この気温では、さすがにクロカワゲラの一種は雪上にいないと思ったが、この子だけ歩いていた。
かなりの猛者か、それとも体にダニが付着しているので痒くてじっとしていられなかったか?

さてゼフ卵探索の続きをしましょう。
今回はミズナラを中心に探してみた。ミズナラに産卵するゼフィルスは多いので何種類かは見つかるでしょう。
・・・寒い。

冬芽の付け根に産み付けられた皆さんお馴染みジョウザンミドリシジミの卵
ゼフ卵の中でも陳腐にして特徴のないウニ型の基本的形状。
ゼフ卵探索を始めるならこれを基準に探すのがお薦め。


ん?これはジョウザンミドリシジミじゃなくウラミスジシジミの卵だね。
同じウニ型で産卵場所が同じであるジョウザンミドリシジミ卵とどこが異なるかというと、卵の毛(突起)が長いので汚れやすいのが特徴。
とはいえジョウザンミドリシジミ卵を見慣れないと違和感に気付かないレベル。
老眼のわたしも直視では判別が曖昧になっているので、カメラで拡大して確認するしかない。
これが老化だよ・・・悲しいね。


エゾミドリシジミかオオミドリシジミの卵
低い位置にある太い枝の股の間に産み付けられていたが、産卵場所が微妙なので種の特定ができない。
卵はどちらもウニ型なので特定するには孵化させるしかない。
個人的にはエゾミドリシジミじゃないかと思ってます。
昔、採卵して飼育観察したなぁ・・・。いやそれより寒い。


ミズイロオナガシジミの卵
卵の形状は特徴的で、楕円形の金平糖型。他種にこの形はいないので区別しやすい。
普通、卵の形を生かして枝の凹みや股に収まるように産み付けるが、この卵はほとんど凹んでない場所に露出産卵されていた。
おかげで見つけやすかったが。

以下はおまけ

ハルニレと思われる枝に産み付けられていたカラスシジミの卵
カラスシジミはシジミチョウの仲間だが、ゼフィルス(ミドリシジミ族)ではなくカラスシジミ族。


これもカラスシジミの卵
ゼフィルス卵と比べて透明感がありガラス細工のような造り。
産卵直後は緑色らしい。

あ~寒い!もう帰る!
このままじゃコロナ禍でなくても普通に風邪ひくわ。


【ゼフ卵観察】老眼と戦う

2021年02月22日 | 自然探索記~採集記(道北)


今回のサムネ
旭川は札幌近郊と比べてゼフ卵を探すには少々困難な地域です。

前回の探索の続き

積雪が多いとその重みで枝が折れる。今年は大雪傾向なのでこのような光景をしばしば見かける。
乱雑だがこれは自然の剪定なのかもしれない。


エゾヒメギフチョウが発生する山の斜面
昨年は多くの幼虫を確認したが、この雪の下にたくさんの蛹が眠っているのだろうか。
春が楽しみだ。
無事に蛹化していたらの話だが・・・。

ゼフ卵探してみよう。

オニグルミにてオナガシジミの卵
老眼が進んだわたしには見つけるのはキツイ。ピントが合わないのだよ・・・カメラじゃなくて。


ハンノキにてミドリシジミの卵
ゼフ卵の中でも小さな卵だが、数が多いので比較的探しやすい。
この辺りの林はオニグルミとハンノキが多いので、以上の2種は比較的簡単に見つけられる。


カメラを持っていたら誰もが撮影したくなるとても鮮明な飛行機雲
冬の澄み切った青空に走る飛行機雲はわたしの心のように美しい。(なにか?)


2021年探索開始

2021年02月15日 | 自然探索記~採集記(道北)


今回のサムネ


2月14日 世間ではバレンタインデーとかいう日らしい。
久々に気温がプラスのぽかぽか陽気に恵まれ、探索日和となった。
探索といってもこの時期、興味心をくすぐられるものはあまりないが、長期間家に引きこもっていたら鬱になりかねない。
折角の好天気なので、今年の初探索としましょうか。

そろそろ発生し始めているクロカワゲラでも見に行きましょう。

クロカワゲラの一種が歩いている。全て有翅種。
石狩低地帯以東で無翅種のクロカワゲラを探しているが未だ見つかっていない。これが個人的には納得がいかない。
石狩低地帯が無翅種の分布拡大の障害になっているのは確かだが、その原因が分からない。
低地ではあるが生息できそうな川は流れているし、かつては森や林で繋がっていた環境なので、無翅種でも普通に移動できると考えているが・・・
なので今年も石狩低地帯以東で無翅種のクロカワゲラを探してみる予定。(モチベーション次第だけど)


長翅種
ここではこの種が一番多い。


短翅種♀
一見長翅種の短翅型と見えるが、雄の肛上板の形状が異なるので別種。
極小翅種もここで見られるが、今回確認できなかった。発生はもう少し後かもしれない。


ちょっかいをかけると雪に潜り込んだ。


観察していると、ほとんどのカワゲラが左側にある発生源の沢から山の斜面に向かって歩いている。
上流に向かって移動するなら分かるが、結局産卵で沢に戻らなくてはいけないので、沢からあえて離れる利点が分からない。
山の斜面を登っている個体もおり、今後どのような行動をとるのか興味深い。
太陽と反対方向に移動しているので、太陽の位置が関係しているのかもしれない。


【無翅ハエ】今できる精一杯の観察

2021年02月13日 | 未同定種


今回のサムネ
時間があるからサムネ作成継続中。いつまで続くやら。

前回は前翅が短いフンコバエの一種(未記載種)で撮影練習してみたが、今回はメインディッシュである無翅種を撮影し観察。
前翅は完全に退化しているのか?平均棍は確認できるのか?新たな発見はあるのか?
そもそもしっかりと撮影できなければ話にならない。

体長は約2mm
全身が黒色なので、全体が暗くて凹凸が分かりづらく、撮影泣かせの被写体だが、サンプルは十分にある。納得いくまで観察しよう。


疎らな長い剛毛・刺毛、密生する黄褐色の微毛があることが分かる。
腹部の微毛は指紋のような「しわ状」に生えている。


触覚第3節から出ている触覚端刺は長く、写真では分かりづらいが柔毛で覆われている。
単眼は矢印の位置にあるはずだが、画像では不明瞭で存在を証明できなかった。


頭部正面


側面
前翅は完全に失われている。
平均棍はこの画像では確認できない。(怪しい箇所はあるが)


矢印部の白い部分が平均棍だろうか?場所は合っていると思うのだが・・・
とても小さいのか、それとも途中から欠損してしまったか?
胸部に付着する糸くずは気にしないで頂きたい。


矢印が指す場所にも平均棍と思われる白い突起らしきものが確認できる。
平均棍にしては小さすぎないか?
ゴミかもしれない。

自己満足だがこの無翅ハエ、以前に比べてかなりいい感じに撮影できたのではないだろうか。
今回それなりに観察できたが、ハエについての知識は乏しいので、これ以上鮮明に撮影できても新たな発見など期待はできない。
これが今の技量の限界だね。


【無翅ハエ】その前に前菜

2021年02月08日 | 未同定種


今回のサムネ
顕微鏡も欲しいけど、望遠鏡も欲しいね。


3年前、道東の山地の渓流脇で見つけたフンコバエの一種。
無翅種ではないが、前翅の長さが短い種。これもおそらく未記載種だろう。
翅の長さから飛翔することはできず、無翅種と同じく冷涼多湿な環境の地面で活動すると思われる。
体長は無翅種(約2mm)よりもほんの少しだけ大型であるが、それでも3mmに達しない極小サイズ。
この個体は、腹部が膨らんでいるので産卵前の雌だろう。(上の画像は採集時に撮影)


念のためにアルコール標本にしておいたので、今回外見を詳しく観察してみることにした。
なぜ3年も経ってからなのか・・・それは標本にしていたことを忘れていたから。


裏面
付着していた砂などのゴミを除去せず標本にしたため、結果サンプルの状態が悪くなってしまい観察の障害になってしまった。
今から除去して標本がバラバラになっては終わるので、下手にいじれない。
というか、採集時、右複眼が潰れていたのに標本にしたら回復していた。アルコール含んで膨張した?


この〇で囲んだ部分に平均棍があるはずなんだけど・・・。
小さすぎるし、ゴミ付着しているし、黒一色だし、もうよくわからん。


矢印の部分に、なんとか平均棍らしきものを確認できた。

今回の観察練習で、無翅種の観察も円滑に行われると思ったが、これは前途多難だね。
顕微鏡あれば楽なんだけど、あれは高価だから購入するほど今後の観察に多用するのか疑問だ。