忘憂之物

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             渋沢栄一

小沢氏、新党党首に…大地の連携、宗男氏に一任(読売新聞) >2012.7.3

2012年07月03日 | 過去記事

    




小沢氏、新党党首に…大地の連携、宗男氏に一任(読売新聞) - goo ニュース

< 野田首相は3日午前の閣僚懇談会で、民主党の小沢一郎元代表らが離党届を提出したことについて、「新しく民主党をまた立て直すという気持ちで自分は取り組んでいきたい」と述べ、党再建に取り組む決意を示した。小沢氏ら離党届を提出した50人(衆院38人、参院12人)の除籍(除名)を前提にしたものとみられ、首相はその後、首相官邸で輿石幹事長と会談し、処分について協議した。

 一方、小沢氏は3日午前、離党届を提出した議員らと国会内で協議し、近く結成する新党の党首に自らが就くことを確認した。党名や綱領については小沢氏に一任とする方向だ。

 首相は閣僚懇で、「昨日、野田内閣はちょうど10か月を迎えた。引き続き緊張感を持って協力をお願いしたい」と述べ、分裂後の党再建に向け、結束を求めた。

 首相は輿石氏との会談で、処分について輿石氏に対応を一任した。同党は3日午後に開く常任幹事会で処分について協議する。離党届を提出した小沢氏らは除籍とし、社会保障・税一体改革関連法案の衆院採決で反対や棄権・欠席したが、離党はしない議員は党員資格停止やさらに軽い処分・措置とする方向で調整している。

 一方、新党大地・真民主は同日午前、国会内に幹部が集まり、「小沢新党」との連携について鈴木宗男代表に一任することを決めた>








11世紀のコベントリー。領主はマーシア伯レオフリク。彼はノルマン人に征服されたイングランドの残り少ないアングロサクソン人の領主だったが、これがまた毛唐の権化、強欲な男で地元民に植民地のような重税を課していた。奥さんはゴダイバ。髪が長く美しい女性だった、とされる。また、現在のコベントリーにはレオフリクではなく、ゴダイバ夫人の銅像が立つ。ゴダイバ夫人は美しいだけではなく、心優しく、重税に苦しむ民を案じたからだったが、その手段、理由が面白い。

ゴダイバはレオフリクに税を安くしてあげて、と頼む。当然、レオフリクは聞き入れない。しかしある日、レオフリクは「そこまで言うなら」とある提案をする。





「そこまで言うなら、お前が裸になって馬に乗り、街中を走りまわれば税を安くしよう」








ゴダイバは本当にやる。








街の人はゴダイバの行動に恩義を感じ、みんな窓を閉めて家に閉じこもった。ゴダイバの裸体を見ないがためだ。しかし、仕立て屋のトムという男だけがうっひょ~!と見た。トムは目が潰れて失明した、と伝説にある。いまでも「ピーピング・トム」とは「覗き見」の意味とされる所以だ。これらはどちらも人気で「ゴダイバ」は小惑星の名前になったり、ノースロップ・グラマンF-14トムキャット偵察機は「ピーピング・トム」という愛称だった。


実に立派な夫人だが、近い将来、どこぞの小惑星に「和子」と名付けられる可能性も出てきた。「週刊文春・2012年6月21日号」はアマゾンで9700円以上の値がついているとか。私も買ったから売ろうかと悩んでいるところだが、何が書いてあるかというと<この度の大震災ではさぞ御苦労があったと思います。ご家族ご親類はご無事でいらっしゃったでしょうか>で始まる「小澤和子さん」の直筆の手紙だ。あちこちで紹介されているから中身はご存知かと思う。御存じでないという人は検索すれば出てくるから、中身については割愛するが、まあ、なんとも生々しく、この不動産屋の正体が赤裸々に綴られている。


ヨーロッパ人は「スパ」などで入浴する際は水着で入る。つまり、日本人のように見知らぬ相手と裸同士で温泉に入るのに抵抗がある。ゴダイバは女性で貴族、それも馬に乗って街中を回る。どれくらい恥ずかしかったかと想像するに、それはやっぱり「銅像にされるくらい」恥ずかしかったに違いない。「小澤和子さん」は手紙に<こんな人間を後援会の皆さんにお願いしていたかと思うと申し訳なく恥ずかしく思っています>と書く。この程度の男を「岩手や日本のためになる」と思っていたことが恥ずかしいと。これも想像だが、相当に恥ずかしいことだろうと察するが、世の中には上には上がいて、もっと恥ずかしい連中というのがいる。

民選からなる国会議員。選挙区の代弁者として当選したはずだが、こんな重要法案に棄権したり、欠席したり、離党届は預けたけど離党するとは言ってない、とか意味不明を言ったり、長年、連れ添った嫁さんから<国のためになるどころか害になる>とまで言われる程度の男を担いでわっしょいわっしょいやる連中のことだ。



ゴダイバが裸で馬に乗ってから800年ほどが過ぎると、コベントリーはナチスドイツの秘密兵器「V2ロケット」で狙われる。「コベントリーの悲劇」だ。ナチスに潜入していたイギリス人スパイが情報部に報告、長官は真夜中、チャーチルを叩き起こして指示を仰いだ。

真珠湾攻撃を知って、これでアメリカが参戦すると安心し、ようやく眠れるようになったチャーチルがその2日後、マレー沖海戦でベトナムのフコク諸島から出撃した日本海軍航空隊に不沈艦・プリンス・オブ・ウェールズを沈められ、おまけにレパルスまで海の藻屑とされ、英国議会でチャーチルは泣き、シンガポールの英国軍将校はショックで気絶したと言われるが、チャーチルはこのとき、本当に眠れぬほど悩むことになった。

コベントリー住民を避難させれば、ナチスにスパイがいることがバレる。避難させないでいればスパイは続けられるが、コベントリー住民は何人死ぬかわからない。イギリスは追い込まれていた。日本には敵わないし、ドイツも理解不能な(V2ロケットの飛行原理、テクノロジー、概念は10年進んでいたと言われる。当時、連合軍からすればロケットは意味不明。大砲の延長くらいに考えていた)兵器を1359発もロンドンに撃ち込んでいた。これがコベントリーに飛んで来る――――さて、どうしたものか。

チェンバレンならわからなかったが、次の首相になったチャーチルは決断する。コベントリーを犠牲にする。その結果、3000名以上が死んだ。このチャーチルの「政治的決断」があってスパイは生き残り、後のノルマンディー上陸作戦も成功する。ドイツの軍事ラインは内陸部に押しやられ、せっかくの「V2ロケット」もロンドンに届かなくなる。

もちろん、ナチスの機甲部隊がイギリス本土に上陸すればそんなものでは済まなかった。人類史上、初の大陸弾道ミサイル「V2ロケット」の「V」は勝利のビクトリーなどという生易しい意味ではなく「Vergeltungswaffe(報復兵器)」の「V」だった。相手は狂気のナチス、独裁者ヒトラー。なにをされるかわからない。大英帝国は滅びるかもしれない。まさに国の運命を左右する「政治的決断」だった。

ココで想像してみる。あるいは思い出してみる。民主党の売りは「政治判断」とか「政治主導」だった。鳩山由紀夫の言う「政治主導」とはなんだったか。菅直人の言う「政治判断」とはどうだったか。野田圭彦の言ったチャーチルの真似「ネバーネバーネバー」の安っぽさはどうなのか。「心から心から心から」はなんなのか。小沢一郎の「今度こそ」とか「もう一度」とは、いったい、舐めてるのか。ともあれ、いま、この連中が日本の命運を握る。背筋が寒くならないか。




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