浮気 7

2022-06-24 10:15:07 | 日記
「先輩、大丈夫ですか?昨日、先に帰ってしまったので、心配しました。」

「大丈夫よ。先に帰っちゃってごめんね。」

「田辺さん、心配していましたよ。」

「え?」

…意外だった。

目の前の年上女性が退散したことで、変な気を使わずに済むし、新しい他の女の子と会話をするチャンスが増えたはずなのに。。。

「LINE ID送っておきますね。」

「え?ID…って、誰の?

「田辺さんです。急に帰っちゃったから、連絡先ぐらい交換したかった…って。もちろん、アクセスするかどうかは、先輩に任せるそうです。」

「……。」

…本気なんだろうか?

「感じよかったですよね、田辺さん!先輩が帰ったあと。寂しそうでしたよ。」

自分が帰ったあと、別の女性と盛り上がって楽しんで帰ったんじゃないかと思っていたから、意外だった。

…どうしよう…。

元々恋愛下手で、こういう事が苦手な自分は、田辺くんの連絡先をどうしたらいいのか…途方に暮れる。




浮気 6

2022-06-23 08:46:59 | 日記
「ホント、賢いですよね!」

柴犬の話しで盛り上がった。

…この人だったら、会話も続くし…、いいなぁ…。

「ところで、田辺さん、何歳?」

「25です。」

「若いんですね私は、30代前半なの」

田辺くんは、私の年齢を気にしているかも知れない。だけど、聞けないだろうから、あえて自分から振ってみた。

「年齢なんて関係ないですよ」

私の年齢を察して言ってくれたのかも知れないが、こんな余計な気を使わせるのも嫌な気分になった。

「合コンに参加したっていうことは、彼女いないの?」

「うん、ずっといない。」

「…そうなんだ…。私もずっとお一人様」

「ひとりの方が気が楽だよね」

「…そうね」

また、気をつかわせた気がする。

とりあえず今日は、楽しく柴犬の話しが出来たから、いい日としてカウントしておこう。


年齢の話しをしたとたん、変な空気になった。

こんな時は、自分から上手いこと退散しよう。

さりげなくトイレに立つと、『酔って気分が悪くなかったから、先に帰るね』と、幹事の後輩にLINEを送って、そっと店を出た。

自分としては、まぁまぁの敢闘賞!と、笑みを浮かべながら、帰宅を急いだ。


浮気 5

2022-06-22 08:14:07 | 日記
おしゃれな若い男性たち。

とりあえずビールの私とは違う…と、笑子さんのテンションはさらにダウンした。

…余計なことを話してひかれてもいやだ…、できるだけ黙っていよう…。

そして、様子を見て早めに退散しよう…。

「山下さん…下の名前は聞いてもいいですか?あ、自分は、田辺勇一です」

「笑子です。笑う子と書きます」

「いい名前ですね」

「なんか、古くさい名前ですよね」

「自分も、勇一ですから、そうです。」

…この人は、少し話せそうだ。

だけど、きっと、若い子のほうがいいに決まっている。

「クリニックにお勤めなんですよね。」

「田辺さんは?」

「営業です。毎日足を棒にして歩き回ってます」

「大変ですね」

「昔から散歩が好きなので、いい運動です。…しかも、歩き回っていると、いろんな家の犬と会えて楽しいんですよ」

…犬…。柴犬好きな人って、この人かな?

「柴犬…実家で飼ってるんです。」

「ボクも、実家で柴犬飼ってます!」

…この人だ!




浮気 4

2022-06-21 11:38:00 | 日記
男性たちが現れた。

やはり、男性たちも、若い。

そして、今風だ。

なんとなく来た順番に奥から座っていく。

笑子さんの前に座るのは。。。

若い男性だった。

皆、若いが、髪型やファッションを見ると、かなり若い。

…参ったな💦💦

とりあえず目の前付近の人たちと話をするべきなんだろうけど…、話しが合うだろうか…。

「こんばんわ!田辺です」

目の前に座った男性は、爽やかに頭を下げた。

「山下です。」

笑子さんも、あわてて挨拶をしたが、不意打ちだったので、顔がひきつってないかどうか…と、焦った。

目の前の男性も、その横の男性も、かなり若い。

『ハズレだ…なんて、思われていないだろうか…』

「何を飲みますか?」

「あ、ビールで」

「ボクは、○○ワインで。」

ワイン?いきなり?

「○○ワインは、炭酸入りで、ビールみたいに飲みやすいんですよ。」

心の声が聞こえたんだろうか…と、焦った。


浮気 3

2022-06-20 09:45:13 | 日記
合コン会場の居酒屋へ来た。

気が乗らないなりにも、一応のおしゃれはした。

しかし、あまり張り切っている雰囲気が見えると後輩が影でなんて噂をするか…と思うと、あんまりなおしゃれもできない。

いつもは深い緑や紺色など、ダーク系のファッションだが、今日は白系にベージュ。

女性たちはもう、集まっていた。

…あ~💧やっぱり来るべきでは無かった。

笑子さん以外の女性陣は、モスグリーンのブラウスやサーモンピンクのスカート。

『The合コン』という感じの華のある女性ばかりだ。

気後れしながらも、そっと端っこに座った。

「遅れてすみません!」

男性たちが現れた。