「ガンガンガンガン」
お天気が良くて、傘の無い日は、棒っきれを拾って、屏やガードレールを擦って歩く。
ある日、近所のおじさんが、ソレを見て注意してきた。
「けん、屏を叩くの止めろ!うるさいんだ」
無視…です。
「おい、けん、返事しろ」
無視…。
『返事くらいしたらいいのに…』
周りの私たちの方がハラハラ…。
結局、一言も言葉を発することなく、無視したまま逃げ切った…。
…この子は、いったい何なんだろう…。
肝がすわってるというのか…、良くない意味での大物なのか…。
こんな様子だから、みんなはなんとなくけんちゃんを怖がっていた。