スケートにせよ野球にせよ景気の悪い話題ばかりなので,今日はお気に入りの一曲を紹介してお茶を濁します・・・。
ニコライ=リムスキー・コルサコフ作曲,歌劇「サルタン皇帝の物語」組曲~3つの奇跡。
1900年に初演されたプーシキン原作によるお伽話をモチーフにしたオペラから,要所を抜き出した組曲の終曲です。
姉の讒言によって皇帝に疎まれた王妃と生まれたばかりの王子が樽で漂流。
やがて魔法の島に流されて,王子はそこで成人。
熊蜂の襲来(有名な「熊蜂の飛行」はこの曲に含まれます)から白鳥を守ったことで,王子は3つの魔法の力を与えられ,それによってサルタン皇帝の誤解を解き,やがて白鳥が美しい王女に姿を変えて結ばれてめでたしめでたし・・・という内容です。
冒頭のファンファーレから千変万化するオーケストレーションの妙。
各楽器が,雄弁に存在感を示し,色彩感溢れる音楽を紡ぎます。
近代管弦楽法は,ベルリオーズが唱え,リムスキー・コルサコフが発展させ,弟子のレスピーギとストラヴィンスキーによって開花する・・・という経緯を辿ったと思われますが,中間部の嫋々たるメロディの美しさや終盤のトランペット3本の掛け合いと続く16分音符の細かなアルペジオの連続を聴くとぞくぞくします。
オーケストラを聴く醍醐味を味わうことの出来る希有の楽曲と言えましょう。
しかも,それほど有名でもないあたりが,天の邪鬼私の琴線に触れたりして・・・。
・・・ということで,ぜひご一聴を・・・。
Rimsky-Korsakov :Suite from the Opera "The Tale of Tsar Sultan"
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