koshiのお部屋2

万年三歳児koshiの駄文のコーナーです。

目出度くもなき日に・・・

2015年03月01日 21時11分13秒 | 音楽

今年もまた,この日が巡ってきた。
もはやこの年になると目出度くも何ともない日ではあるのだが,SNSに多くの方々からお祝いの言葉をいただき,唯々感謝の気持ちが湧く。
そうした意味でも,やはり幾つになっても大切にして特別な日なのだろう・・・。
SNSを始めて10年になるが,この日は各年毎にお気に入りの楽曲を紹介してきた。
ブログに動画や音声を貼り付けられるようになってからは,完全に恒例の行事となっている・・・。


かつての選曲を眺めてみると様々である。
その年の境遇とか心理・精神状態とかに大きく左右されているというのもあるし,自虐的な選曲だったり,必死に精神を鼓舞するような選曲だったり,自分でも呆れるくらい脈略も節奏も無い・・・。
ま,私のやることだから当然なのだが・・・。


05年 バレエ「アパラチアの春」(コープランド)
07年 嬉遊曲(イベール)
08年 ジークフリードの牧歌(ワーグナー)
10年 交響曲第1番ホ短調(シベリウス)
11年 小組曲(ドビュッシー~ビュッセル編)
12年 ピアノ四重奏曲第1番ト短調(ブラームス~シェーンベルク編)
13年 歌劇「ローエングリン」~第3幕への序奏(ワーグナー)
14年 「坂の上の雲」サウンドトラック~少年の国(久石譲)


最初の3年は,まともというか晴れやかにして穏やかな曲と,喜悦に満ちた曲になっているが,2010年のシベリウスの第1交響曲や12年のブラームスのピアノ四重奏(シェーンベルクによるオケ版)など,完全に自虐以外の何者でもないし,その次のワーグナーなんてのは波乱の予感そのものである。
そうした中,昨年は希望と推進力に満ちた明朗な楽曲を選んだつもりだったのだが,肝心の動画が削除された・・・(泣)。
そうした中での今年の選曲である。


序曲「謝肉祭」作品92(ドヴォルザーク)。
有名な新世界交響曲を作曲する少し前,敬愛するブラームスの協力もあって,作曲家としての名声を高めていたドヴォルザークが,ニューヨークのナショナル音楽院の院長に招かれて渡米する直前に作曲された演奏会用序曲三部作の中の一曲である。
その三曲は「自然と人生と愛」という名称でくくられ,それぞれ「自然の中で(かつては自然の王国でという和訳だった)」,「謝肉祭」,「オセロ」という題名が付く。
「自然の中で」は文字通りチェコの豊かな自然の賛美であり,「オセロ」はシェイクスピアの悲劇から題名が採られた。
そしてこの「謝肉祭」は,その喜悦に湧く曲想から,間違い無く人生の喜びを具現したものであろう。
冒頭の沸き立つような喜悦は,ワーグナーの歌劇「タンホイザー」序曲中間の「ヴェヌスブルグの音楽」からの影響が見られるともいわれる・・・。


10代の頃から親しんで大いに気に入っていた曲なのだが,残念ながら今まで演奏する機会には恵まれなかった(上記「自然の中で」は,オケでの演奏の機会があった)。
幾多の演奏をCDで聴いてきたが,やはり颯爽と駆け抜けるようなスピード感のある演奏が好みであり,9分台以上時間のかかる演奏は気に入らない。
そうした意味では,最高のドヴォルザーク振りであった同郷チェコ出身のラファエル・クーベリック(1914-96)がミュンヘンのバイエルン放送局のオケを指揮した演奏を愛聴してきたのだが,今は何と言ってもテオドレ・クチャル指揮ヤナーチェクフィルハーモニーの演奏が全てだ。
嵐のように激しく駆け抜ける演奏で,オケの機能も優秀である。
名前から察するにウクライナ人のようだが(私と同年らしい),ドヴォルザークの序曲・交響詩集,ショスタコーヴィチの管弦楽曲集を聴いて以来,すっかり填ってしまった・・・。
でもって貼る動画は,何と洗足学園大学の学生オケによる演奏である。

指揮は,名匠秋山和慶。
ビギナーズオーケストラチャレンジとか銘打ってあるので,新入生による講座の発表なのかもしれないが,颯爽とした演奏聴かせる。
最後でTbが音を外したのが惜しいが,細かい音型をシングルストロークで打つタンブリンの妙技は見物である。
音大のオケの中でも,近年の洗足の演奏は勢いが感じられる。
ついでに音声だけだが,上記クチャルの演奏も貼っておく。

比べてみるのも一興だし,9分以上かかる他の演奏が生温く感じられると思う・・・。


・・・ということで,今年はわりとまともな選曲だったと思う・・・(本当か??)。
人生の喜びを大いに味わう1年にしたいものだ・・・。


 


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