koshiのお部屋2

万年三歳児koshiの駄文のコーナーです。

「花燃ゆ」-第1回:人むすぶ妹

2015年01月05日 22時16分37秒 | TV&エンターティメント

昨日,18時からBSプレミアムを録画したのは良いのですが,ようやく先程見終えました。
幕末維新ものは,一昨年の「八重の桜」以来。
長州藩が舞台となると,1977(昭和52)年の「花神」以来ではないでしょうか・・・。
「毛利元就」(07)や「義経」(05),はたまた「龍馬伝」(10)あたりでも,山口市や下関市が舞台となることは有ったでしょうけど・・・。


それにしても,「八重の桜」もそうでしたが,随分と地味な人物を採り上げた・・・という感は否めません。
私の知識は,そういえば松陰の妹は確かに久坂玄瑞の奥さんだったな・・・という程度でして,不覚にも小田村伊之助って誰・・・と思っていたら,何と維新政府の官僚楫取素彦(かとりもとひこ)のことだったのですね。
根多ばれですけど,文の再嫁した相手です・・・。


萩を訪れたのは,かれこれ20年以上昔の独身の頃でしたが,海に突き出た指月城や今も建物が現存する松下村塾跡,確か明倫小学校となっていた萩明倫館跡(我が仙台藩の藩校は正式名称明倫養賢堂で,通常は養賢堂と呼ばれますが,明倫館とも呼ばれたそうです),そして桂や高杉といった維新回天の中核を担った武士たちの屋敷跡等を足早に回って,その日のうちに山口へ向かったことを記憶しています(山口には,何と毛利敬親の銅像がありました)。
特に,当時の様子を色濃く残した武家屋敷群(知覧や金沢も有名ですが)に惹かれるものがありました。
こうした街にて,松陰の門下生たちは短い青春を過ごしたのか・・・という感慨が自然に湧き上がりました・・・。


但し,庄内藩領に生まれ,仙台藩領に育った私としては,世良修蔵が仙台でやらかした一件や,会津戦争後の西軍(会津藩領で,迂闊にも官軍と言ったら,ここでは西軍と呼ぶのですと,穏やかに窘められました-確かにその通りです)が会津藩に対して行った仕打ちもあって,明治期の薩長の業績を素直に認めたくない頑迷さを有していますので,以下の文章は,もしかすると西日本在住の方には,甚だ不愉快なものとなるかもしれないことを,予めお断りしておきます。
そういう意味でも,東北人(というか私同様蝦夷と言うべきでしょうか)の血が流れているのに長州系という現首相って・・・と思ったりするのですが・・・(安倍晋三首相は,前九年の役の後に伊予に配流された-後に筑紫に移ったらしい-安倍宗任-首謀者の貞任弟-の子孫を称しているそうなので・・・)。


ま,第一回目なので,これだけで出来を云々するのはどうかと思うのですが,う~ん・・・評価が難しい。
冒頭の砲術訓練の場など,果たしてあれだけ大掛かりな大筒を連発できるのか・・・という疑問がありましたし,寅次郎が遊学した長崎の風物もあそこまでエキゾチックだったでしょうか・・・(開国以前に,西洋人が大手振って歩いたのは,出島の中だけでは・・・?)あとはグラバー邸(正しくはグラバー園か)が写ってしまっては,完全に考証不足・・・となってしまいます。
あとは,あの禁書だったという「海防臆測」ですが,寅次郎と伊之助が持っていたという事実はどうなのでしょう。
「海防臆測」は,寡聞にも江戸末期の幕府の儒学者であり昌平坂学問所(東大の前身)の教授だった古賀侗庵の著ということ以外知りませんが,「甲陽軍鑑」(甲州武田家の信玄流軍学書)の字でカモフラージュしてあったあたり,思わず笑ってしまいました・・・。
勿論,寅次郎は,年は若くても当代随一の軍学者だったでしょうから,持っていたり目を通していたりした可能性は有るとは思いますが・・・。


中心となる役者さんたちは,皆達者だったと思います。
寅次郎役の伊勢谷さんも,伊之助役の大沢さんも髷が似合っていたし,存在感もあったと思います。
77年の「花神」のイメージが未だに残っている私としては,寅次郎-篠田三郎,高杉-中村雅俊というのが離れないのですが,伊勢谷さんの寅次郎は文弱な感じがしなくて,逆に良かったような気がします。
また,子役二人も上手でしたね。
文役の山田萌々香さんも,その弟役の物言わぬ演技だった山田瑛留くんも良かったと思います。
唯,わりとお転婆系のヒロインが多い大河にあって,寡黙な性格をどこまで描き出せるかが鍵となりそうです。
その辺りは,来週ご登場の井上真央嬢に託すことになるでしょうが・・・。
一瞬出てきた義助(玄瑞)役の東出くん,何かと話題の人ですが,う~ん・・・どうでしょう・・・。
激烈な尊攘思想の持ち主にして長州の火薬庫,そして松陰門下一の秀才で切れ者,しかもイケメンというイメージですが(尤も,禁門の政変の軍事暴発には反対であったと言われているようです),どうかな・・合うかな・・・といったところです・・・。
吉田稔麿(としまろ)とか入江九一,寺島忠三郎・・・といった松陰門下の俊才たちが,キャラが立たないで埋もれていくことのないような脚本と演出を期待したいと思います。
そうそう,殿様役の北大路さんはさすがの貫禄と存在感でした。
でも「そうせいそうせい」を連発して(今日も一回言いました)「そうせい候」と揶揄された毛利敬親は名君だったのでしょうか・・・。
薩摩の島津久光と共に,家来に担ぎ上げられたまま維新にゴール・・・という感じだと思うのですが・・・。


最後に,何とナレーターは,私が尊敬し奉る池田秀一さんでした。
「ナルニア国物語」のライオン役では,すっかりシャアの声そのものでしたが(笑),抑揚の効いた美声で,シャアの面影は微塵もありませんでした。
「冗談ではない!」
とか,
「認めたくないものだな・・・」
などと言うはずもなく(当たり前だ),唯々感服でした。
川井憲次さんの音楽に関しては,次回述べられれば・・・と思います。
個人的には,サウンドトラックのCDを買ってしまった劇場版「機動警察パトレイバー2」のOPなんか,最高に格好良い音楽の1つ・・・と,思ってきました・・・。


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