おかあさんは、ついに、あきこちゃんを、算数合宿に送ることに決めました。どんな算数が苦手な子でも、「三日でわかるようになる!」という宣伝文句です。
さあ、出発の朝になりました。
あきこは、いつになく、しんみりとしています。
おかあさん 「だいじょうぶ。心配ないよ。勉強するだけだから。」
あきこ 「うん。」
おかあさん 「きっと、先生、優しいよ。怒ったりしないって。」
あきこ 「違うの。おかあさんと会えないから。」
おかあさん 「三日したら、帰ってくるんでしょ。」
あきこ 「うん。でも、長いよ。」
おかあさん 「じゃあ、朝とお昼と夜と、電話してきなさい。宿舎に、赤い電話あるはずよ。」
あきこ 「うん!」
あきこは、おかあさんに駅まで送られて、がんばって、一人で、算数合宿に出かけて行きました。でも、ほんとうは、あきこがいなくなって、さびしかったのは、おかあさんのほうでした。
(つづく)
さあ、出発の朝になりました。
あきこは、いつになく、しんみりとしています。
おかあさん 「だいじょうぶ。心配ないよ。勉強するだけだから。」
あきこ 「うん。」
おかあさん 「きっと、先生、優しいよ。怒ったりしないって。」
あきこ 「違うの。おかあさんと会えないから。」
おかあさん 「三日したら、帰ってくるんでしょ。」
あきこ 「うん。でも、長いよ。」
おかあさん 「じゃあ、朝とお昼と夜と、電話してきなさい。宿舎に、赤い電話あるはずよ。」
あきこ 「うん!」
あきこは、おかあさんに駅まで送られて、がんばって、一人で、算数合宿に出かけて行きました。でも、ほんとうは、あきこがいなくなって、さびしかったのは、おかあさんのほうでした。
(つづく)