越路から門前へ出て、山門をくぐって長い階段を上り大年寺へ。
頂上は、花木と鳥が集まる穏やかな場所で、奥に伊達家墓所もある。
墓所は、あの日の地震によって、整然と並んでいた石灯籠が、みな崩れ落ちていた。
悲しみや不安と、安堵や奮闘の入り混じる町の空気。
眼下に町を望む丘陵で、温かい眼差しを向けるかのように梅が咲いていた。
再び門前へ下りれば、街路樹のハナノキが枝を赤く彩っている。
赤い小花が、枝の先に寄り集まって咲く姿は、大勢が精一杯に励ましの拍手をしているみたいだった。
門前から愛宕橋を渡って五橋方面へ出る。
荒町小学校の敷地には工事車両や自衛隊車両が待機していた。
NTTビル前では、ビルの下が囲われて通行止めになっている。
仙台駅は、すっぽりとシートで覆われ、修復工事の最中。
駅前のクリスロード商店街には、頭上に「私たちは負けない」という言葉が掲げられていた。