気仙沼で被災し、家を流された連れ合いの知人。
もとの場所は無理だが、気仙沼市内に再び家を建てたいと願った。
念願叶い、ついに新しい家が完成。
昨年11月のこと、祝いの餅を土産に貰った。
紅白の大福であったが、その大きさにびっくり。
気仙沼市の南町にあった若生餅店の品である。
(↓2011年12月の南町:かつて若生餅店のあった界隈。今は空き地になっている。)
南町は気仙沼港に程近く、並んでいた家や商店は津波で浸水し、残っていたのは1階が酷く破壊された建物ばかりだった。
(↓2011年12月の南町に残っていた鮨店と菓子店。今では空き地になっている。)
南町にあった若生餅店は、さらに西へと移動して気仙沼線の不動の沢駅から近い所で再開している。
大きな餅の中には、隠し味の塩がきいた程よい甘さの餡がたっぷり入っていた。
餅は柔らかく、適度な粘りと歯切れ良さ。
普通の大福の3個分はあろうかという大きさながら、美味しくて平らげてしまった。
津波で家を失ったが、元の場所が駄目でも、気仙沼に残りたかった思い。
気仙沼に根ざして、新たな家での暮らしに胸を躍らせ、生きることを噛み締めながら、切に願う復興。