石巻の東、渡波から女川へと通る道に沿って、湖のように穏やかな内海が広がる。
これが、万石浦である。
渡波港から、川のように狭まって海が繋がっていて、奥で広くなっているのだ。
その万石浦に沿って、線路が見える。
石巻線だ。
震災による津波で壊れたが、万石浦駅の東隣に沢田駅があり、さらに東へ進んで女川に入ると浦宿駅となっていた。
万石浦沿いの線路は、震災後も残っていたが、護岸を強化しながら修復せねば使えない。
線路の復旧は、町の復興計画とも連動し、被害によっては線路の移動も考えられる。
万石浦沿いの復旧は、直ぐには実行できなかった。
ようやく今年(2012年)の3月に復旧計画が出され、渡波から浦宿まで、現状の路線で敷き直しする方針となった。
そして今、線路の修復工事が進められている。
折立踏切のところで、途切れた線路が見えた。
途切れた線路の先で、土を均して復旧作業に励む様子が見える。
線路はまるで、
「さあ、これからこれから」と、気合の声をかけているみたいだ。