![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/01/56/a3ed1b95ac1976a9a0a53137e47c27e2.jpg)
<お出かけ先>三越劇場・新派120年記念 初春新派公演(午後の部)
<着物>黒地の総絞り
<帯>黒地に松竹梅の塩瀬
<帯揚げ>ピンクに赤の飛び絞り
<帯締め>ピンクの冠組
<根付>鼈甲製のねずみ
三越劇場で行われている新派120年記念公演へ行ってきました(観劇日記も下にまとめています)。
寒かったので、着物は昨日と同じ総絞りです(コーディネートを考えるのが面倒だったというのもあり……
)。
今回の演目の一つ、新派の女優さんや女形さんが芸者姿で踊り新年の挨拶を述べる「新玉の寿」にちなんで、また、新派120年を祝う気持ちで、松竹梅の塩瀬帯にしました。
先日、サントリー美術館「和モード」展を見に行った帰りに買った「菱屋カレンブロッソ」の博多織バッグを、さっそくおろしました!
![博多織バッグ](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/13/19/938b1b0f4ee14964fdd0d65383daf8c8.jpg)
限定商品というのも嬉しいですが(笑)、収納性が何より嬉しいです。
歌舞伎座の筋書(B5判)はもちろん、新橋演舞場などのA4判の筋書もラクラク入ります!
今回の新派公演のパンフレット(冒頭写真参照)もA4判でしたが、すっぽり入りました
。
◆◇◆◇◆
今回の公演の演目は、上で述べた「新玉の寿」ともう一つ、「女将」。
「新玉の寿」は、芸者さん姿の女優さんや女形さんがたくさん出てくるので、お正月らしく華やいだ気分を楽しめます。
が、歌舞伎舞踊を見慣れてしまった身には、ちょっと物足りない感じがしてしまったのも事実。
さすがに波乃久里子さんは踊りが上手いし、水谷八重子さんや英太郎さんも貫禄があるのですが、若い女優さんたちは、踊りの素養がある人とそうでない人の差が出てしまっていたような……。
役者さんが芸者の拵えをして踊る時って、意外とアラが目立ちやすいような気がします。普段からきっちり踊り込んでいる人じゃないと難しいんじゃないかなあ……と思いました。
でも、水谷八重子さんと波乃久里子さんが黒の「出の衣装」の拵えで一緒に踊っておられるところは圧巻でしたし、踊りの後の口上も、新派120年にかけるみなさんの意気込みが伝わってくるもので、とても印象的でした。
「女将」は、戦後の昭和を舞台に、シベリアからやっと戻ってきた夫を支えながら料亭を切り盛りしてきた女将が、戦後育ちの娘との価値観の違いに驚き悩みながらも立派に娘を嫁に出すまでを描いたお芝居。
「戦後」の混沌とした時代が終わり、人々の価値観が大きく変わっていこうとする時代のなかで、親に反発しながらも心の中で親を敬愛している娘と、娘の幸せを何よりも考えている両親、それを取り巻く人々の生活や心情がきめ細やかに描かれている作品です。
いい作品だと思いますし、水谷八重子さん、安井昌二さん、波乃久里子さん、英太郎さんをはじめ新派の主要メンバーが勢ぞろいしてそれぞれ素晴らしい演技をされています。
それなのに、観終わった後に今ひとつスッキリした感じがしなかったんですよね、なぜか……。
これから新しい時代が始まろうとするなかで、娘を嫁に出し夫婦で第二の人生を新たに歩んでいこうという物語なのに、芝居全体を通じてどこかけだるい雰囲気というか斜陽感が漂っていた気がしてしまって……。
そういう作品なのか、新派の芝居がそういうものなのか(でも、以前新橋演舞場で「京舞」を観た時にはそんな感じが全然しなかったんですが……)、それともほかのところに起因しているのか……うーん、よくわかりません……。
歌舞伎なんて、心中の話でも切腹の話でも親が子を殺す話でも、舞台からどこかしら「正のエネルギー」を感じるものなんですが……(だから、歌舞伎を観終わった後って一種の高揚感があるんじゃないかな……と思います)。
新派の芝居を観た後でこんな感想を書くのも何ですが……、歌舞伎ってやっぱり演劇としてもエンターテインメントとしてもすぐれているのだと、あらためて思いました。
とはいえ私は、歌舞伎の良さを再認識するために新派のお芝居を観に行ったわけではありませんし、新派のお芝居は素晴らしいと思います。
だからこそ、観終わった後でもっと充実感(新橋演舞場で「京舞」を観た時みたいな)を味わいたかったなあ……と思いました。
そもそも新派って、歌舞伎から脱却して新しい表現方法を確立するために生まれたもの……のはずですよね?
でも、今の歌舞伎が「古いものをやっても新しく感じる」のとは対照的に、「新しいもの(でもないですけど)をやっても古く感じ」てしまったのがちょっと残念でした。
新しい演劇の形態を模索して誕生した新派が、どこかで足踏みしてしまっているような気がするのは、私だけでしょうか。
その間に歌舞伎では、新しい試みにも次々に取り組み、役者さんたちの意識も大きく変わってきていると思います。「うさぎとかめ」じゃないけれど、どこかで追い抜かれてしまっていないかと心配です……。
そういう意味でも、今年の「新派120年」は大きなターニングポイントになるのではないかと思いました。
くどいようですが、私は新派のお芝居が嫌いなわけでは決してありませんので、新派120年記念として行われる今後の公演を大いに楽しみにしています。
◆◇◆◇◆
劇場で、通路をはさんで一つ後ろの列に座っていたおばさま。
幕が開く直前、客席が暗くなって三味線の音が鳴り始めた時、周りでしゃべっている人がいたみたいで、いきなり「静かにしてください! お三味線やってんですから」と怒鳴ってました
。でもぶっちゃけ、おばさまの怒鳴り声のほうがデカくて迷惑でしたがっ(笑)。
しかも、「お三味線やってんですから」って、舞踊の時にはテープの音でしたけど……(ちなみに、お芝居の時は生の三味線です)。
開演前や幕間に新派のことを熱く語っておられたので、たぶんご観劇歴は長いのだと思いますが……、そのおばさまが歌舞伎座にお出ましになったら、きっと卒倒なさるでしょうね……。
歌舞伎座は、幕が開いて浄瑠璃が始まってからだっておしゃべりが聞こえてくることが、たまにありますからねえ……
。
<着物>黒地の総絞り
<帯>黒地に松竹梅の塩瀬
<帯揚げ>ピンクに赤の飛び絞り
<帯締め>ピンクの冠組
<根付>鼈甲製のねずみ
三越劇場で行われている新派120年記念公演へ行ってきました(観劇日記も下にまとめています)。
寒かったので、着物は昨日と同じ総絞りです(コーディネートを考えるのが面倒だったというのもあり……
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/face_ase2.gif)
今回の演目の一つ、新派の女優さんや女形さんが芸者姿で踊り新年の挨拶を述べる「新玉の寿」にちなんで、また、新派120年を祝う気持ちで、松竹梅の塩瀬帯にしました。
先日、サントリー美術館「和モード」展を見に行った帰りに買った「菱屋カレンブロッソ」の博多織バッグを、さっそくおろしました!
![博多織バッグ](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/13/19/938b1b0f4ee14964fdd0d65383daf8c8.jpg)
限定商品というのも嬉しいですが(笑)、収納性が何より嬉しいです。
歌舞伎座の筋書(B5判)はもちろん、新橋演舞場などのA4判の筋書もラクラク入ります!
今回の新派公演のパンフレット(冒頭写真参照)もA4判でしたが、すっぽり入りました
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/choki.gif)
◆◇◆◇◆
今回の公演の演目は、上で述べた「新玉の寿」ともう一つ、「女将」。
「新玉の寿」は、芸者さん姿の女優さんや女形さんがたくさん出てくるので、お正月らしく華やいだ気分を楽しめます。
が、歌舞伎舞踊を見慣れてしまった身には、ちょっと物足りない感じがしてしまったのも事実。
さすがに波乃久里子さんは踊りが上手いし、水谷八重子さんや英太郎さんも貫禄があるのですが、若い女優さんたちは、踊りの素養がある人とそうでない人の差が出てしまっていたような……。
役者さんが芸者の拵えをして踊る時って、意外とアラが目立ちやすいような気がします。普段からきっちり踊り込んでいる人じゃないと難しいんじゃないかなあ……と思いました。
でも、水谷八重子さんと波乃久里子さんが黒の「出の衣装」の拵えで一緒に踊っておられるところは圧巻でしたし、踊りの後の口上も、新派120年にかけるみなさんの意気込みが伝わってくるもので、とても印象的でした。
「女将」は、戦後の昭和を舞台に、シベリアからやっと戻ってきた夫を支えながら料亭を切り盛りしてきた女将が、戦後育ちの娘との価値観の違いに驚き悩みながらも立派に娘を嫁に出すまでを描いたお芝居。
「戦後」の混沌とした時代が終わり、人々の価値観が大きく変わっていこうとする時代のなかで、親に反発しながらも心の中で親を敬愛している娘と、娘の幸せを何よりも考えている両親、それを取り巻く人々の生活や心情がきめ細やかに描かれている作品です。
いい作品だと思いますし、水谷八重子さん、安井昌二さん、波乃久里子さん、英太郎さんをはじめ新派の主要メンバーが勢ぞろいしてそれぞれ素晴らしい演技をされています。
それなのに、観終わった後に今ひとつスッキリした感じがしなかったんですよね、なぜか……。
これから新しい時代が始まろうとするなかで、娘を嫁に出し夫婦で第二の人生を新たに歩んでいこうという物語なのに、芝居全体を通じてどこかけだるい雰囲気というか斜陽感が漂っていた気がしてしまって……。
そういう作品なのか、新派の芝居がそういうものなのか(でも、以前新橋演舞場で「京舞」を観た時にはそんな感じが全然しなかったんですが……)、それともほかのところに起因しているのか……うーん、よくわかりません……。
歌舞伎なんて、心中の話でも切腹の話でも親が子を殺す話でも、舞台からどこかしら「正のエネルギー」を感じるものなんですが……(だから、歌舞伎を観終わった後って一種の高揚感があるんじゃないかな……と思います)。
新派の芝居を観た後でこんな感想を書くのも何ですが……、歌舞伎ってやっぱり演劇としてもエンターテインメントとしてもすぐれているのだと、あらためて思いました。
とはいえ私は、歌舞伎の良さを再認識するために新派のお芝居を観に行ったわけではありませんし、新派のお芝居は素晴らしいと思います。
だからこそ、観終わった後でもっと充実感(新橋演舞場で「京舞」を観た時みたいな)を味わいたかったなあ……と思いました。
そもそも新派って、歌舞伎から脱却して新しい表現方法を確立するために生まれたもの……のはずですよね?
でも、今の歌舞伎が「古いものをやっても新しく感じる」のとは対照的に、「新しいもの(でもないですけど)をやっても古く感じ」てしまったのがちょっと残念でした。
新しい演劇の形態を模索して誕生した新派が、どこかで足踏みしてしまっているような気がするのは、私だけでしょうか。
その間に歌舞伎では、新しい試みにも次々に取り組み、役者さんたちの意識も大きく変わってきていると思います。「うさぎとかめ」じゃないけれど、どこかで追い抜かれてしまっていないかと心配です……。
そういう意味でも、今年の「新派120年」は大きなターニングポイントになるのではないかと思いました。
くどいようですが、私は新派のお芝居が嫌いなわけでは決してありませんので、新派120年記念として行われる今後の公演を大いに楽しみにしています。
◆◇◆◇◆
劇場で、通路をはさんで一つ後ろの列に座っていたおばさま。
幕が開く直前、客席が暗くなって三味線の音が鳴り始めた時、周りでしゃべっている人がいたみたいで、いきなり「静かにしてください! お三味線やってんですから」と怒鳴ってました
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/face_ase2.gif)
しかも、「お三味線やってんですから」って、舞踊の時にはテープの音でしたけど……(ちなみに、お芝居の時は生の三味線です)。
開演前や幕間に新派のことを熱く語っておられたので、たぶんご観劇歴は長いのだと思いますが……、そのおばさまが歌舞伎座にお出ましになったら、きっと卒倒なさるでしょうね……。
歌舞伎座は、幕が開いて浄瑠璃が始まってからだっておしゃべりが聞こえてくることが、たまにありますからねえ……
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/face_cry.gif)