◆犬の散歩◆

コメントは自由ですが、予告なく消すことがあります。
メールはアカウント名@mail.goo.ne.jpへ。

予想外割は予想外に高い

2006年10月27日 11時05分05秒 | 政治・世相・スポーツ等
新スーパーボーナスの内容が発表された。


簡単にいうと、頭金0円になるスーパーボーナス。さらにハイエンド機種では月々の支払いとは別の負担金が発生する仕組みだ。旧のほうでは頭金の額で調整していたのを、頭金まで含めて分割払いにするという契約だ。

うーむ、これは・・・感想としては、ソフトバンク終わったな。

確かにハイエンドが頭金ナシで買えるのはいいけど、2年間の機種変更が出来ないというのはあまりにもおかしい。それと1年分割バージョンも近いうちに出来るとのことだけど、だったらきちんと整ってから発表するべきだと思う。ギリギリまで動向を見て決めたのだろうけど、あまりに施策が複雑で店舗で混乱が起きるのは想像に難くない。店員ですら理解できてないこともあろう。

たしかにハイエンド機種が売れることはキャリアにとってもメーカーにとってもいいことだ。長期間使ってくれるなら端末代を補助してもいい、これもキャリアの論理としてはわかる。でも、以前にも書いたように、他社は無条件でこれを肩代わりしてることを考えると、分割払いで縛るのでは、ユーザーの利点は皆無だ。
まあ、利点があるとすれば、たとえばドコモの新機種は2万円台中盤くらいから出てくるが、この2万円強を払わずに済むかわりに分割払いにするということになろう。ならばその2万円をクレジットカードなどで(分割で)支払ったほうが、解約時のリスクがなくていいと思うのだが。
分割なのに途中解約すると3万円くらいを余計に払わされるというのでは、よっぽどソフトバンクと心中するつもりの人でない限り契約したくないだろう。
でもまあ、ハッピーボーナスを契約する人もいたくらいだから、そこそこにはいるのだろうけど、他社のシェアを奪うほどの魅力はない。ハッピーボーナスからの乗り換えくらいしか需要はなさそうだ。
あと、途中解約すると原価で買い取らされるというのなら、SIMロックは外すべきだと思うけど、どうなんでしょうね。あとSIMが刺さってないとワンセグが見れないとか、そういう制限も外すんでしょうね?どうなんでしょうね??w

それと、一見安く見えるというゴールドプランについても改めて言及してみたい。個人的には一見しても安く見えなかったのだが、報道によると安いと思ってる人がいたらしいし、量販店でもソフトバンクに変更する人が多かったというので考慮してみたい。


基本料金9600円で無料通話なし。通話料金は同社内無料(しかし夜間の除外時間あり、200分を超過すると30秒20円)、他社携帯へは30秒15円(深夜)~29円(昼間)となっている。無料通話なしってのが明らかに高いと言えるのだが、一般人はそう思わないのだろうか?
他社携帯への通話料が他のプランより高いのはどうかと思う。コスト的な問題でいえば、自社内ネットワークを無料とするなら、他社への通話はそれにプラスして他社へ払う接続料だけだろう。通常は自社内コスト+他社接続料で通話料が決まるのだから、自社内が無料ならば通常のプランより安くして然るべきだ。他社への通話が高いのは他のプランとの差別化だろうけども、どうせならそれすら安くしてみてはどうかと思う。これだけ高い基本料を取るのだから。

同社内無料に制限があるのはどうかと思う。現行プランの定額では制限時間帯はなかったのだから。無料通話もこの値段のプランなら4千円分くらいあって然るべきだ。ただ、このプランの目的は同社内無料の部分にあるのだろうから、そう考えると約1万円で話放題ということだと思う。ただ、現行プランだとラブ定額や家族定額などが300円の追加で通話無料となることを考えると、定額にするコストにしては高い。周りにソフトバンクユーザーが多い人にしか利点はない。
というか携帯で通話無料である理由ってあまりないと思う。外で連絡とるならメールで十分だし、家でだべるならIP電話使えばいいのだし。これを言うと本末転倒だが、ラブ・家族定額の需要がそれほどなかったことを考えると、携帯が定額通話になることの需要はそれほどないのではないかということに気づくべきだ。

さて、高い基本料は新スーパーボーナスで割り引かれる。いきなり37%引きとなるから6048円、無料通話なしである。これでも高い。そして年々安くなっていき、11年目だと70%引きになる。どうも説明ページを見ていると、既に11年使ってる人はいきなり70%引きになるようである。(実際に使われる方は確認願いたい)
同社内のメールも定額に含まれるが、他社へのメールは含まれない。インターネットメールなのだから、自社内で完結しても他社に投げてもコストは殆ど変わらないと思うのだが、どうもけちくさい印象が強い。

パケットも定額にするとトータルコストがさらにかかる。
ゴールドプラン+新スーパーボーナスでパケット定額にすると1万円くらいかかってしまうのだ。他社はというと、最低プラン+定額で7000円程度である。無料通話も1000円程度含まれることを考えると、ゴールドプランはそれほど安くないのがわかる。唯一の利点は同社内無料ということだが、これに対するコストは3千円程度ということになる。
これまでが回線限定とはいえ300円だったことを考えると高い。少なくとも、同社ユーザで長電話する人が10人いないと元がとれない。

ところが、この定額のコストは無料通話分を含めるととんでもないことになる。他社の最低プランにも千円程度、ゴールドプランと同等の6000円のプランだと4000円もの無料通話があるのだ。つまり3千円多く支払って、4千円もの無料通話をナシにしてやっと同社内無料という恩恵が受けられるということになる。別々にカウントするととんでもないコストである。
同じソフトバンクの他のプランと比べてみてもこの差は同じ程度である。ドコモやauと同じ料金体系にして、ー200円にするという発表があったからである。

こうして見ていくと、同社内無料という利点に支払うリスクが意外と高いことに気づくだろう。無料通話の4000円で通話すると、2時間半くらいであろうか?それ以上通話する人で、ソフトバンク以外にはかけないのなら入る利点はあるだろう。ところが、シェアから考えて7割方他社にかけるのだから、そういう人はかなり限られている。


それと、現在キャンペーンでいきなり70%引きになり、ずっとその値段になるというのだが、そうなると2880円で同社内無料、他社に対しては前述の通話料となる。これはまあ、安いのかもしれない。これくらいだと無料通話分がなくても仕方ないかなとは思える。他社への通話料が高いのも、安いプランなら仕方ないし。でも、このキャンペーンが終わったら、6千円で無料通話ナシというのでは入る利点はさっぱりない。だったら現行プラン+家族・ラブ定額のほうがよっぽど良い。

今ソフトバンクのHPを見ていて気づいたのだが、ラブ・家族定額がなくなったみたいですな。というか旧プランの説明が全くないw
新会社としてやっていくからというのだろうけど、前のプランを使い続けたほうが得な場合もあるというのだから表示くらいしてほしいと思った。現在も受付自体はしているようだし。

値下げだの0円だのと言ってるが、新プラン・サービスで明確に値上げになっているのもある。たとえばパケットの定額プランだ。従来のデュアル定額とパケットし放題を比べると、どちらも最低額と上限額が定められたauのダブル定額のパクリだが、その下限が下がったのはいいとしても、パケット単価と上限額の値上げが行われている。これも現行プランを隠すことで隠蔽しようとしているが、注意が必要である。現行のデュアル定額を契約しているのなら、新パケットし放題には加入してはいけない。


ということで、新スーパーボーナスの利点は頭金のないこと。欠点は分割払いが終わるまで機種変更すると残金を払わされること。
ゴールドプランの利点は、同社内定額なこと。欠点は基本料が高いこと(キャンペーンなしの場合)、定額除外時間があること、他社への通話料が高いこと。

うーむ・・・予想外割にする利点がちっともないw
同社内定額が狙いなら、ウィルコムをお勧めする。これは2900円(副回線2000円)で同社内通話無料だから。この値段もキャンペーンじゃなくて、ずっと。
頭金が払いたくないならカードで買えばいい。それだと月々の支払いが増えるが、2年もの間機種変更できないことを考えたらそれくらいの負担は問題じゃないと思う。ハイエンドじゃなきゃ5千円以下で売ってるものもある。スーパーボーナスだと、そのような機種でも原価で買わされてしまう。

それにしても、内容を見ればちっとも安くないのになぜ安いという報道があるのか、ここ数日のソフトバンクへの変更者が多かったのかが疑問である。しっかり調べもしないで契約しているのが多いのだろうとは思うけど、無料通話なしってきいた時点で高いなって思うのが当たり前だが・・・。それとこっそり値上げされている部分にも目を反らしてはいけない。

孫さんはインセンティブビジネスモデルを崩壊させたいというのだろうけど、本当にシェアを増やしたいなら、インセンティブをぶちこわすんじゃなくて、むしろばらまくべきだと思う。モデムをタダで配った(と一般に誤解されてる)ように、なんの縛りもない端末を無料でくばりまくる。そうすれば契約者も増えるだろうに。それか、Yahoo!BBのモデムみたいに端末をレンタル・リース扱いで解約・機種変更したら返却するようにしたらいいんじゃないかな。で、外装交換してまた提供すると。短期解約への対策はこれで十分出来ると思うんだけど。

ともかく、会社の論理ではなくてユーザーの論理で考えた施策をすべきだ。こうもわかりにくいことをやってユーザーを騙すようなやりかたで信頼されるわけがない。
プランをすべて他社のコピーにするというのもバカにしている。そのくせ無料通話分の適用範囲が他社より狭かったりと、やることがちぐはぐである。

とくにゴールドプランの見直しは必須だと思われる。他社のプランのコピーをやるなら、ゴールドプランなどやめてしまってオプションとして通話定額をたとえば指定先のみなら300円、同社全部なら3000円というようにするべきだ。他社のコピーをしたいのか、オリジナリティを出したいのかがわからない。
現行プランを隠しているのも、旧来からのユーザーをバカにしている。そのプランが好きで契約した人もいるのだから、現行プランもレッドプランとして残すべきだ。まだ受付しているのに隠すなんて卑怯極まりない。

まあともかくこんなことをしていてはシェアを取り戻すのは無理だろう。目先のことしか考えない人にはいいのかもしれないけど、消費者はそれほどバカじゃない。もとのボーダフォンのイメージが最悪だっただけに、似たような小手先のことばかりやっていては意味がない。

あ、あとauの「顧客満足度一位」ってのもばかげてる。比率でいうとドコモと比べてほんの2%程度しか上回ってない。ダントツの一位かのような言い方というか、自信満々なのはどうだろう。分母の違いを考えると単なる誤差の範囲だと思うのだが。


ともかく、今回の番号持ち運び制度だけど、大山鳴動してなんとやらとならぬようにして欲しいものだ。

最新の画像もっと見る